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【中学生のニキビの治し方】皮膚科医が解説!原因別のケアと今日からできる5つの生活習慣

【中学生のニキビの治し方】皮膚科医が解説!原因別のケアと今日からできる5つの生活習慣

鏡を見るたびに気になる、中学生のニキビ。勉強や部活、友達との時間も楽しみたいのに、ニキビがあると気分も沈みがちになりますよね。その気持ち、とてもよく分かります。

実は、中学生のニキビは、体の成長に伴う自然な現象が大きく関係しています。しかし、正しい知識を持ってきちんとケアすれば、きれいに治すことが可能です。

この記事では、皮膚科の医師が、中学生のニキビの原因から、毎日のスキンケア、食事や睡眠といった生活習慣まで、具体的で分かりやすく解説します。もう一人で悩まないでください。

今日から一緒に、ニキビのないきれいな肌を目指しましょう。

この記事の執筆者

小林 智子(日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

小林 智子(こばやし ともこ)

日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士
こばとも皮膚科院長

2010年に日本医科大学卒業後、名古屋大学医学部皮膚科入局。同大学大学院博士課程修了後、アメリカノースウェスタン大学にて、ポストマスターフェローとして臨床研究に従事。帰国後、同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンターにて、糖化と肌について研究を行う。専門は一般皮膚科、アレルギー、抗加齢、美容皮膚科。雑誌を中心にメディアにも多数出演。著書に『皮膚科医が実践している 極上肌のつくり方』(彩図社)など。

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こばとも皮膚科関連医療機関

医療法人社団豊正会大垣中央病院

目次

なぜ中学生はニキビができやすいの?主な3つの原因

思春期になると、多くの人がニキビに悩み始めます。特に中学生の時期は、心も体も大きく変化する大切なとき。なぜこの時期にニキビができやすくなるのでしょうか。

その背景には、中学生特有のいくつかの原因があります。ここでは、その主な3つの原因を詳しく見ていきましょう。

ホルモンバランスの変化

中学生になると、体が大人へと成長するために「ホルモン」の分泌が活発になります。特に「アンドロゲン」という男性ホルモンの一種は、男女問わず増えていきます。

このアンドロゲンには、皮脂腺を刺激して皮脂(肌のあぶら)の分泌を促す働きがあります。皮脂は肌を乾燥から守る大切な役割を持っていますが、分泌が多すぎると毛穴が詰まりやすくなり、ニキビの直接的な原因となってしまうのです。

このホルモンバランスの変化は、成長過程で誰にでも起こる自然なことなので、心配しすぎる必要はありません。

思春期のホルモンと皮脂の関係

項目説明肌への影響
アンドロゲン思春期に分泌が増えるホルモン皮脂腺を刺激し、皮脂の分泌を増やす
皮脂腺皮脂を分泌する器官ホルモンの影響で働きが活発になる
皮脂肌のうるおいを守るあぶら過剰になると毛穴詰まりの原因になる

皮脂の過剰な分泌

前述のホルモンの影響で、中学生の肌は皮脂がとても出やすい状態にあります。体育の授業で汗をかいた後や、一日過ごした夕方になると、おでこや鼻がテカテカになることはありませんか。

これが皮脂の分泌が活発になっているサインです。過剰に分泌された皮脂が、古い角質(肌のあか)などと混じり合って毛穴にフタをしてしまうと、「コメド」と呼ばれるニキビの初期段階が生まれます。

このコメドが、ニキビの始まりなのです。

間違ったスキンケア

ニキビを気にするあまり、自己流の間違ったケアをしてしまうことも、ニキビを悪化させる大きな原因です。

例えば、あぶらっぽさが気になるからと一日に何回もゴシゴシ顔を洗ったり、逆に保湿を怠ったりしていませんか。肌に必要なうるおいまで奪ってしまうと、肌はかえって皮脂をたくさん出してうるおいを補おうとします。

また、ニキビを隠そうとしてファンデーションを厚塗りすることも、毛穴を塞いでしまい逆効果です。正しいスキンケアの知識を持つことが、ニキビ改善への第一歩です。

ニキビの種類とそれぞれの特徴

「ニキビ」と一言でいっても、実はいくつかの種類があり、それぞれ状態や対処法が異なります。自分のニキビがどのタイプなのかを知ることで、より効果的なケアができます。

ここでは、ニキビの進行度合いによる4つの種類について、その特徴を解説します。

白ニキビ(面皰)

白ニキビは、ニキビの始まりの段階です。毛穴に皮脂や古い角質が詰まり、皮膚が少し盛り上がって白っぽく見えます。この時点ではまだ炎症は起きておらず、痛みもありません。触るとポツッとした感触があります。

この段階で正しくケアをすれば、悪化させずに治すことが可能です。無理に押し出そうとすると、皮膚を傷つけたり、炎症を起こしたりする原因になるので絶対にやめましょう。

黒ニキビ

黒ニキビは、白ニキビの毛穴が開いて、詰まった皮脂が空気に触れて酸化し、黒く変色した状態です。これも白ニキビと同様に、まだ炎症は起きていません。

鼻の頭や小鼻によく見られる「いちご鼻」も、この黒ニキビや角栓が原因であることが多いです。見た目が気になるかもしれませんが、爪で無理やり取ろうとすると毛穴が広がる原因になるので注意が必要です。

ニキビの進行段階

ニキビの種類見た目の特徴炎症の有無
白ニキビ白く小さな盛り上がりなし
黒ニキビ毛穴が黒い点に見えるなし
赤ニキビ赤く腫れて盛り上がるあり
黄ニキビ中心に黄色い膿が見えるあり(強い)

赤ニキビ

赤ニキビは、白ニキビや黒ニキビが悪化し、毛穴の中でアクネ菌が増殖して炎症を起こした状態です。赤く腫れ上がり、触ると痛みを感じることがあります。

アクネ菌は、皮脂を栄養にして増える性質があるため、皮脂の多い中学生の肌は赤ニキビができやすい環境といえます。

この段階になると、セルフケアだけでは治りにくく、ニキビ跡になる可能性も出てくるため、早めに皮膚科に相談することを考えましょう。

黄ニキビ(膿疱)

黄ニキビは、赤ニキビの炎症がさらに進み、毛穴の中に膿がたまった状態です。ニキビの中心が黄色っぽく見え、パンパンに腫れていることもあります。この状態は炎症がピークに達しており、最もニキビ跡に残りやすい危険な状態です。

自分で潰してしまうと、周りの皮膚組織を破壊してしまい、クレーターのようなデコボコした跡になる可能性が非常に高くなります。黄ニキビができてしまったら、絶対に触らず、すぐに皮膚科を受診してください。

【場所別】ニキビができる原因と対策

ニキビは顔のどこにでもできる可能性がありますが、できる場所によって主な原因が少しずつ異なります。

自分のニキビがどこにできやすいかを知り、その場所に応じた対策をとることで、より効果的にニキビを予防・改善できます。

おでこ・Tゾーンのニキビ

おでこや鼻にかけてのTゾーンは、もともと皮脂腺が多く、皮脂の分泌が非常に活発な場所です。中学生のニキビで最も多く見られるのが、このTゾーンのニキビです。

主な原因は、やはり過剰な皮脂分泌です。また、前髪の刺激も原因の一つになります。髪の毛についている整髪料や汚れが、おでこの皮膚を刺激し、毛穴を詰まらせてしまうのです。

おでこ・Tゾーンのケアポイント

  • 丁寧な洗顔で余分な皮脂を落とす
  • 前髪が直接肌に触れないようにヘアピンで留める
  • シャンプーやリンスのすすぎ残しに注意する

頬のニキビ

頬は顔の中でも面積が広く、乾燥しやすい部分です。頬にニキビができる場合、皮脂の過剰分泌だけでなく、乾燥や外部からの刺激が原因であることが多いです。

肌が乾燥すると、バリア機能が低下して刺激に弱くなります。また、無意識に頬杖をついたり、寝具が不潔だったりすると、雑菌が肌についてニキビの原因になることもあります。

スマートフォンを頬につけて長時間話すのも、画面の雑菌が肌に移る可能性があるので注意が必要です。

場所別の原因と対策まとめ

場所主な原因対策のポイント
おでこ・Tゾーン過剰な皮脂、前髪の刺激丁寧な洗顔、髪型を工夫する
乾燥、外部からの刺激、汚れしっかり保湿、肌に触れない、寝具を清潔に
口周り・あごホルモンバランスの乱れ、胃腸の不調バランスの良い食事、ストレスケア

口周り・あごのニキビ

口周りやあごのラインは、ホルモンバランスの乱れの影響を受けやすい場所です。特に生理前にニキビができやすい人は、この部分に集中することがあります。

また、胃腸の調子が悪いときや、食生活の乱れが原因でニキビができることも。甘いものや脂っこいものの食べ過ぎは、皮脂の分泌を増やし、ニキビを悪化させる可能性があります。無意識にあごを触る癖がある人も注意が必要です。

背中のニキビ

顔だけでなく、背中や胸元にニキビができることもあります。これらの場所も皮脂腺が多く、汗をかきやすい部分です。衣類によるムレや摩擦、シャンプーやボディソープのすすぎ残しが主な原因となります。

特に、部活動などで汗をかいた後、そのままにしておくと雑菌が繁殖しやすくなります。通気性の良い下着を選び、汗をかいたらこまめに着替えることが大切です。

皮膚科医が教える!毎日の正しいスキンケア方法

ニキビケアの基本は、なんといっても毎日のスキンケアです。自己流で間違ったケアを続けると、良くなるどころか悪化させてしまうこともあります。

ここでは、皮膚科医の視点から、ニキビ肌のための正しいスキンケアの基本を「洗顔」「保湿」「紫外線対策」の3つのポイントに分けて詳しく解説します。

洗顔の基本

洗顔の目的は、肌の汚れや余分な皮脂を落とし、肌を清潔に保つことです。しかし、洗いすぎは禁物です。洗いすぎると、肌を守るために必要な皮脂まで奪ってしまい、かえって乾燥を招き、皮脂の過剰分泌につながります。

洗顔は、朝と夜の1日2回が基本です。洗顔料は、よく泡立ててから使うのがポイント。手でゴシゴシこするのではなく、たっぷりの泡をクッションにして、肌の上を転がすように優しく洗いましょう。

特に、髪の生え際やフェイスラインは泡が残りやすいので、ぬるま湯で丁寧にすすいでください。熱いお湯は肌の乾燥を招くので避けましょう。

洗顔料の選び方

肌タイプおすすめの洗顔料ポイント
脂性肌(テカりやすい)さっぱりタイプ、クレイ(泥)配合など余分な皮脂をしっかり吸着
乾燥肌・敏感肌マイルドなアミノ酸系、保湿成分配合肌のうるおいを保ちながら洗う
ニキビが気になる肌ノンコメドジェニックテスト済み、殺菌・抗炎症成分配合ニキビの原因にアプローチ

保湿の重要性

「ニキビ肌はベタつくから、保湿はしなくていい」と思っていませんか?それは大きな間違いです。肌は乾燥すると、うるおいを守ろうとして、かえって皮脂を過剰に分泌してしまいます。

洗顔後の肌は、水分が蒸発しやすい無防備な状態。すぐに化粧水で水分を補給し、乳液やジェルなどの保湿剤でフタをして、水分が逃げないようにすることがとても重要です。

保湿剤を選ぶ際は、「ノンコメドジェニックテスト済み」と表示のあるものがおすすめです。これは、ニキビの始まりであるコメドができにくいことが確認された製品のしるしです。

オイルフリーのジェルや、さっぱりした使用感の乳液など、自分の肌に合う心地よいものを選びましょう。

紫外線対策を忘れずに

紫外線は、日焼けやシミの原因になるだけでなく、ニキビを悪化させる要因にもなります。紫外線を浴びると、肌のバリア機能が低下したり、皮脂が酸化してニキビの炎症を悪化させたりすることがあります。

また、ニキビ跡が色素沈着(シミ)になるのを防ぐためにも、紫外線対策は一年中必要です。

日焼け止めは、毎日塗る習慣をつけましょう。部活動などで屋外にいる時間が長い日はもちろん、曇りの日や室内でも窓からの紫外線の影響はあります。

日焼け止めも、保湿剤と同様に「ノンコメドジェニックテスト済み」のものや、肌に優しい紫外線吸収剤フリー(ノンケミカル)のものを選ぶと良いでしょう。汗をかいたら、こまめに塗り直すことも大切です。

紫外線対策のポイント

  • 一年中、毎日日焼け止めを塗る
  • SPF30、PA++程度のものを普段使いに
  • 汗をかいたら2〜3時間おきに塗り直す

ニキビを悪化させないためのNG行動

良かれと思ってやっていることが、実はニキビを悪化させる原因になっているかもしれません。ニキビを早くきれいに治すためには、正しいケアを続けると同時に、ニキビに悪い影響を与える行動を避けることが重要です。

ここでは、ついついやってしまいがちなNG行動を4つ紹介します。

ニキビを潰すのは絶対にダメ

鏡を見ると、ついつい気になってニキビを指で触ったり、潰したりしたくなる気持ちは分かります。しかし、ニキビを自分で潰すのは絶対にやめてください。

指や爪には雑菌がたくさんついており、ニキビを潰すとそこから雑菌が入り込んで炎症がひどくなることがあります。

さらに、無理に潰すことで周りの皮膚組織まで傷つけてしまい、色素沈着やクレーターのようなデコボコしたニキビ跡が残る最大の原因になります。

一度できてしまったニキビ跡をきれいにするのは、とても時間とお金がかかります。気になるニキビは触らず、薬を塗って我慢しましょう。

洗いすぎ・こすりすぎ

肌のテカリやニキビが気になると、一日に何度も洗顔したり、スクラブ入りの洗顔料でゴシゴシこすったりしたくなるかもしれません。しかし、過度な洗顔や摩擦は、肌を守っているバリア機能を壊してしまいます。

バリア機能が低下した肌は、少しの刺激にも敏感になり、乾燥しやすくなります。そして、肌はうるおいを補おうとして、さらに皮脂を分泌するという悪循環に陥ります。

洗顔は1日2回、優しく泡で洗うことを徹底してください。

髪の毛やマスクの刺激

おでこやフェイスラインのニキビは、髪の毛の接触が原因の一つです。髪の毛には、ほこりや汚れ、整髪料などが付着しており、それが肌への刺激となります。

ニキビができている場所には、なるべく髪がかからないように、ヘアアレンジを工夫してみましょう。また、最近ではマスクによる摩擦やムレで、口周りやあごにニキビができる「マスク荒れ」も増えています。

肌触りの良い素材のマスクを選んだり、人がいない場所では時々マスクを外して、肌を休ませてあげたりすることも大切です。

肌への刺激となるもの

刺激の種類具体例対策
物理的な摩擦ゴシゴシ洗顔、タオルでこする、頬杖優しく触れる、癖をやめる
化学的な刺激整髪料、合わない化粧品髪をまとめる、肌に優しい製品を選ぶ
雑菌による刺激汚れた手、不潔な寝具・パフこまめに手を洗う、寝具などを清潔に保つ

油分の多い化粧品

ニキビを隠したくて、コンシーラーやファンデーションを厚塗りしていませんか。油分の多い化粧品は、毛穴を塞いでしまい、ニキビの悪化につながることがあります。

化粧をする場合は、ニキビができにくい「ノンコメドジェニックテスト済み」の製品を選びましょう。また、家に帰ったらできるだけ早くクレンジングでメイクを落とし、肌を休ませてあげることが重要です。

メイク道具のパフやブラシも、こまめに洗って清潔に保ちましょう。

今日からできる!ニキビを改善する5つの生活習慣

ニキビは、肌表面だけの問題ではありません。実は、毎日の生活習慣が大きく影響しています。

スキンケアと合わせて生活習慣を見直すことで、ニキビができにくい体質を目指すことができます。ここでは、今日からすぐに始められる5つの生活習慣を紹介します。

睡眠をしっかりとる

睡眠は、肌の健康にとって非常に重要です。寝ている間に「成長ホルモン」が分泌され、日中に受けた肌のダメージを修復し、新しい肌細胞への生まれ変わり(ターンオーバー)を促してくれます。

特に、夜10時から深夜2時は「肌のゴールデンタイム」とも言われ、成長ホルモンの分泌が活発になります。

勉強などで夜更かししがちな中学生ですが、できるだけ日付が変わる前には布団に入るように心がけ、毎日6〜8時間の睡眠時間を確保しましょう。

バランスの良い食事を心がける

私たちの体や肌は、食べたものから作られています。スナック菓子や甘いジュース、脂っこい食事ばかりに偏っていませんか。これらは皮脂の分泌を増やし、ニキビを悪化させる原因になります。

健康な肌を作るためには、様々な栄養素をバランス良く摂ることが大切です。特に、肌の材料となるタンパク質や、肌の調子を整えるビタミン、お通じを良くする食物繊維を積極的に摂りましょう。

ニキビケアに役立つ栄養素

栄養素主な働き多く含まれる食品
ビタミンB群皮脂の分泌をコントロールする豚肉、レバー、納豆、卵
ビタミンC炎症を抑え、コラーゲン生成を助けるピーマン、ブロッコリー、キウイ
食物繊維腸内環境を整え、便秘を改善する野菜、きのこ、海藻、玄米

ストレスを上手に発散する

勉強や部活、友人関係など、中学生は何かとストレスを感じやすい時期です。ストレスが溜まると、ホルモンバランスが乱れて皮脂の分泌が過剰になったり、肌の免疫力が低下してニキビが悪化しやすくなったりします。

自分なりのストレス解消法を見つけて、上手に発散することが大切です。好きな音楽を聴く、運動で汗を流す、友達とおしゃべりするなど、自分がリラックスできる時間を作りましょう。

寝具を清潔に保つ

寝ている間、私たちの肌は枕カバーやシーツに長時間触れています。また、寝ている間にかく汗や皮脂が寝具に付着し、それをエサに雑菌が繁殖することも。不潔な寝具は、顔や背中のニキビの原因になります。

枕カバーやシーツは、少なくとも週に1回は洗濯するように心がけましょう。頻繁に洗濯するのが難しい場合は、枕に清潔なタオルを敷いて毎日交換するだけでも効果があります。

適度な運動を取り入れる

適度な運動は、血行を促進し、肌のターンオーバーを正常に保つのに役立ちます。汗をかくことで、毛穴の詰まりを解消する効果も期待できます。また、運動はストレス解消にもつながり、心身ともに良い影響を与えます。

ウォーキングやジョギング、好きなスポーツなど、楽しみながら続けられる運動を見つけましょう。

ただし、運動で汗をかいた後は、そのままにせず、すぐにシャワーを浴びるか、タオルで優しく拭き取って肌を清潔に保つことが大切です。

皮膚科でのニキビ治療とは?

セルフケアを頑張ってもなかなかニキビが良くならない場合や、赤ニキビや黄ニキビがたくさんできてしまった場合は、皮膚科を受診することをおすすめします。

皮膚科では、専門医が肌の状態を正確に診断し、一人ひとりに合った治療法を提案してくれます。ニキビは「病気」であり、保険診療で治療が可能です。

皮膚科に行くタイミング

「ニキビくらいで病院に行くのは大げさかな?」と思う必要は全くありません。むしろ、早めに受診することで、ニキビの悪化を防ぎ、ニキビ跡が残るリスクを減らすことができます。

以下のような状態が見られたら、皮膚科への相談を検討しましょう。

受診をおすすめするサイン

  • セルフケアを1ヶ月続けても改善しない
  • 赤く腫れて痛いニキビ(赤ニキビ)が増えてきた
  • 膿を持ったニキビ(黄ニキビ)ができた
  • ニキビが顔全体に広がっている
  • ニキビ跡が心配

主な治療薬の種類

皮膚科で処方されるニキビの治療薬には、主に「塗り薬」と「飲み薬」があります。塗り薬には、毛穴の詰まりを改善する薬、ニキビの原因となるアクネ菌を殺菌する薬、炎症を抑える薬など、様々な種類があります。

医師は、ニキビの種類や重症度に合わせてこれらの薬を組み合わせて処方します。飲み薬は、炎症が強い場合や、塗り薬だけでは効果が不十分な場合に用いられます。

皮膚科で処方される主な塗り薬

薬の種類主な働き注意点
アダパレン毛穴の詰まりを改善する使い始めに乾燥やヒリヒリ感が出ることがある
過酸化ベンゾイルアクネ菌を殺菌し、毛穴の詰まりを改善する漂白作用があるため衣類や髪に注意
抗菌薬(抗生物質)アクネ菌を殺菌し、炎症を抑える長期間の使用で耐性菌のリスクがある

治療にかかる期間と費用

ニキビ治療は、残念ながらすぐに結果が出るものではありません。肌のターンオーバーの周期に合わせて、少しずつ改善していくため、根気強く治療を続けることが大切です。

一般的に、効果を実感するまでに3ヶ月程度かかると考えておきましょう。費用については、ニキビ治療は健康保険が適用されます。

初診料や再診料、薬代を合わせても、中学生の場合は子ども医療費助成制度などにより、自己負担は数百円程度で済むことがほとんどです。お住まいの地域の制度を確認してみてください。

よくある質問(Q&A)

最後に、中学生の皆さんからよく寄せられるニキビに関する質問にお答えします。

ニキビ跡を残さないためにはどうすればいい?

ニキビ跡を残さないために最も重要なことは、「ニキビを絶対に潰さない・触らない」ことと、「炎症がひどくなる前に治療を始める」ことです。

特に赤ニキビや黄ニキビといった炎症性のニキビは、跡に残りやすいため、できてしまったら早めに皮膚科を受診しましょう。

また、ニキビやニキビ跡の色素沈着を防ぐために、毎日の紫外線対策を徹底することも非常に大切です。

食事で気をつけることは?

特定の食べ物が直接ニキビの原因になるという科学的根拠はまだはっきりしていませんが、一般的に糖分や脂肪分の多い食事は皮脂の分泌を増やす傾向があると言われています。

チョコレートやポテトチップスなどを完全に断つ必要はありませんが、食べ過ぎには注意し、野菜や果物、魚、肉などをバランス良く食べることを心がけましょう。

特に、肌の調子を整えるビタミンB群やビタミンC、腸内環境を整える食物繊維は積極的に摂りたい栄養素です。

化粧はしてもいい?

ニキビがあっても化粧をしてはいけないわけではありません。ただし、ニキビを悪化させないための工夫が必要です。

まず、化粧品は油分の少ないものや、ニキビができにくいことを確認した「ノンコメドジェニックテスト済み」の製品を選びましょう。

ファンデーションの厚塗りは避け、ニキビが気になる部分だけコンシーラーで軽くカバーする程度にすると、肌への負担が少なくなります。

そして、家に帰ったらすぐにクレンジングで丁寧にメイクを落とすことを忘れないでください。

薬はいつまで続ければいい?

皮膚科で処方された薬は、医師の指示通りに使い続けることが大切です。ニキビが少し良くなったからといって自己判断でやめてしまうと、再発することがあります。

ニキビは良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、徐々に改善していくことが多いです。治療のゴールについては、定期的な診察の際に医師と相談しながら決めましょう。

きれいな肌を維持するために、ニキビができなくなった後も、毛穴の詰まりを防ぐ薬を継続することもあります。

以上

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大垣中央病院・こばとも皮膚科

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