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【治らないしつこい顎ニキビ】痛い・大きいニキビの原因と跡を残さず治す方法

【治らないしつこい顎ニキビ】痛い・大きいニキビの原因と跡を残さず治す方法

鏡を見るたびに憂鬱になる、治ったと思ったらまた同じ場所にできるしつこい顎ニキビ。特に、赤く腫れて痛みを伴う大きいニキビは、見た目の問題だけでなく、精神的なストレスにもなりますよね。

なぜ顎のニキビはこんなにも治りにくいのでしょうか。

この記事では、顎ニキビが「治らない」と感じる根本的な原因を深く掘り下げ、ニキビ跡を残さずに健やかな肌を取り戻すための具体的な方法を、スキンケアから生活習慣まで多角的に解説します。

あなたの長年の悩みを解決するヒントが、きっと見つかるはずです。

目次

なぜ顎ニキビはしつこく、治りにくいのか

顎やフェイスラインにできるニキビは「大人ニキビ」の代表格であり、思春期のニキビとは異なる性質を持っています。一度できるとなかなか治らず、繰り返し発生することが多いため、多くの方が悩んでいます。

そのしつこさの背景には、顎という部位特有の皮膚の性質や、身体の内側からの影響が複雑に絡み合っています。

顎周りの皮膚の特徴

顎は、顔の中でも皮膚の構造が少し特殊な場所です。皮脂を分泌する皮脂腺が多い一方で、汗腺は少ないため、肌の水分と油分のバランスが崩れやすい傾向にあります。

水分が不足して乾燥すると、肌は自らを守ろうとして逆に皮脂を過剰に分泌させることがあります。この過剰な皮脂が毛穴に詰まり、ニキビの直接的な原因となるのです。

また、顎の皮膚はターンオーバー(肌の生まれ変わり)が乱れやすく、古い角質が溜まりやすいことも、毛穴詰まりを助長する一因です。

ホルモンバランスの影響を受けやすい部位

顎や口周りは、体内のホルモンバランスの変動が顕著に現れるエリアです。特に女性の場合、生理周期によって女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の分泌量が変動します。

生理前になると、皮脂分泌を促進する働きを持つプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増加するため、顎ニキビができやすくなったり、悪化したりすることが知られています。

このホルモンバランスの乱れは、ストレスや睡眠不足によっても引き起こされるため、現代女性にとって顎ニキビは非常に身近な肌トラブルといえます。

間違ったスキンケアが招く悪化

「顎に大きいニキビができたから」と、洗浄力の強い洗顔料でゴシゴシ洗ったり、一日に何度も洗顔したりしていませんか。こうした過度なスキンケアは、肌に必要な潤いまで奪い去り、乾燥を招いてしまいます。

肌が乾燥すると、バリア機能が低下し、外部からの刺激に弱くなります。その結果、さらなる皮脂の過剰分泌や炎症の悪化を引き起こし、ニキビが治りにくい負の循環に陥ってしまうのです。

良かれと思って行っているケアが、実は顎ニキビを悪化させている可能性も考えられます。

生活習慣との深い関わり

顎ニキビは、スキンケアだけの問題ではなく、日々の生活習慣が大きく影響します。

睡眠不足、栄養バランスの偏った食事、慢性的なストレスなどは、すべてホルモンバランスの乱れや免疫力の低下につながり、ニキビのできやすい体内環境を作り出します。

また、無意識に顎を触る癖や、頬杖をつく習慣も、手についた雑菌を肌に移し、ニキビを刺激して悪化させる原因となります。

しつこい顎ニキビを改善するためには、外側からのケアと同時に、内側からのアプローチ、つまり生活習慣全体の見直しが重要になります。

顎にできる痛い・大きいニキビの主な原因

顎にできるニキビの中でも、特に赤く腫れて痛みを伴う「大きいニキビ」は、炎症が強く起きている状態です。なぜこのような状態になってしまうのでしょうか。その主な原因を探ることで、効果的な対策が見えてきます。

ホルモンバランスの乱れ

前述の通り、ホルモンバランスの乱れは顎ニキビの最大の原因の一つです。男性ホルモンには皮脂腺を刺激し、角質を厚くする働きがあります。

女性の体内にも男性ホルモンは存在し、ストレスや睡眠不足、不規則な生活などで女性ホルモンのバランスが崩れると、相対的に男性ホルモンの影響が強くなります。

これにより、皮脂が過剰に分泌され、角質が毛穴を塞ぎやすくなり、痛みを伴うような大きいニキビが発生しやすくなるのです。

ホルモンバランスに影響を与える要因

要因身体への影響対策の方向性
ストレス自律神経が乱れ、ホルモン分泌の指令系統に影響を与える。リラックスできる時間を作り、趣味や運動で発散する。
睡眠不足成長ホルモンの分泌が減少し、肌の修復機能が低下する。毎日決まった時間に就寝・起床し、睡眠環境を整える。
食生活の偏り脂質や糖質の過剰摂取は皮脂分泌を増加させる。ビタミンやミネラルを豊富に含む、バランスの取れた食事を心がける。

皮脂の過剰分泌と毛穴の詰まり

顎はTゾーンと同様に皮脂腺が多く、もともと皮脂の分泌が活発な部位です。ホルモンバランスの乱れや不適切なスキンケア、食生活などが原因で皮脂が過剰に分泌されると、毛穴の中に皮脂が溜まります。

さらに、肌のターンオーバーが乱れて古い角質が毛穴の出口を塞いでしまうと、皮脂は外に排出されなくなり、面皰(めんぽう)、いわゆる「コメド」というニキビの初期段階を形成します。

このコメドの中で、皮脂を栄養源とするアクネ菌が増殖することで炎症が起き、赤く大きいニキビへと発展します。

ストレスによる身体への影響

現代社会で避けて通るのが難しいストレスは、顎ニキビの大きな引き金となります。強いストレスを感じると、私たちの身体はそれに対抗するために「コルチゾール」というホルモンを分泌します。

このコルチゾールは、男性ホルモンの分泌を促す作用があるため、皮脂の分泌量を増やしてしまいます。また、ストレスは自律神経のバランスを崩し、血行不良を招きます。

血行が悪くなると、肌の隅々まで栄養が届きにくくなり、ターンオーバーの乱れやバリア機能の低下につながり、結果としてニキビができやすく、治りにくい状態を招きます。

ストレスサインのセルフチェック

身体のサイン心のサイン行動のサイン
寝つきが悪い、眠りが浅いイライラしやすい、不安になる食事量が極端に増減する
頭痛や肩こりが続くやる気が出ない、集中できない好きだったことが楽しめない
胃腸の調子が悪いささいなことで落ち込む人付き合いが面倒に感じる

物理的な刺激と摩擦

見落としがちですが、日常的な物理的刺激も顎ニキビの大きな原因です。特に最近では、マスクの着用が常態化したことで、マスクと肌が擦れることによる刺激や、マスク内の蒸れがニキビを悪化させるケースが増えています。

その他にも、無意識に頬杖をついたり、マフラーやタートルネックのセーターが顎に触れたりすることも、肌への刺激となります。

こうした摩擦は、肌のバリア機能を傷つけ、毛穴周りの炎症を誘発するため、痛みを伴う大きいニキビにつながりやすいのです。

日常生活に潜む物理的刺激と対策

刺激の原因具体的な状況対策のポイント
マスク長時間の着用による摩擦、蒸れ、雑菌の繁殖。肌触りの良い素材(シルク、コットンなど)を選び、こまめに交換する。
寝具枕カバーやシーツに付着した皮脂や雑菌。最低でも週に一度は洗濯し、清潔を保つ。
手や髪の毛無意識に触る癖、頬杖、前髪の接触。意識して触らないようにする。髪はまとめるなど工夫する。

自分でできる顎ニキビの基本対策

専門的な治療に頼る前に、まずは日々のセルフケアを見直すことが改善への第一歩です。正しい知識に基づいたケアを継続することで、しつこい顎ニキビの発生を抑え、悪化を防ぐことができます。

正しい洗顔と保湿の方法

スキンケアの基本は「優しく洗い、しっかり潤す」ことです。ニキビがあるからといって、ゴシゴシ擦るのは絶対にやめましょう。洗顔料はよく泡立て、泡をクッションにして肌の上を転がすように優しく洗います。

特に顎やフェイスラインは洗い残しが多い部分なので、すすぎは丁寧に行いましょう。洗顔後は、タオルで優しく押さえるように水分を拭き取ります。

そして、肌が乾ききる前に、すぐに化粧水で水分を補給し、乳液やクリームで潤いが逃げないように蓋をすることが重要です。

ニキビ肌向けの、油分が少なく保湿成分(セラミド、ヒアルロン酸など)が配合された製品を選ぶのがおすすめです。

洗顔時の注意点

  • 32〜34℃程度のぬるま湯を使う
  • 洗顔料は手のひらで十分に泡立てる
  • 肌を擦らず、泡で汚れを吸着させるイメージで
  • すすぎ残しがないように丁寧に

顎ニキビを悪化させないための注意点

できてしまったニキビは、とにかく触らない、潰さないことが鉄則です。気になって触ってしまうと、手についた雑菌がニキビに入り込み、さらに炎症を悪化させる原因になります。

また、無理に潰すと皮膚の深い部分を傷つけ、クレーターのような消えにくいニキビ跡になるリスクが高まります。髪の毛が顎に触れないようにヘアスタイルを工夫したり、寝具を清潔に保ったりすることも、悪化を防ぐ上で大切です。

市販薬を上手に活用するポイント

初期段階のニキビであれば、市販薬も有効な選択肢の一つです。市販のニキビ治療薬には、アクネ菌の殺菌成分や炎症を抑える成分、角質を柔らかくする成分などが含まれています。自分のニキビの状態に合わせて選びましょう。

例えば、炎症を起こして赤くなっているニキビには抗炎症成分が入ったものを、毛穴の詰まりが気になる場合は角質軟化成分が入ったものが適しています。

使用する際は、洗顔後の清潔な肌に、綿棒などを使ってニキビの部分にだけ塗布するようにしましょう。広範囲に塗り広げると、健康な肌まで乾燥させてしまうことがあるので注意が必要です。

ニキビケア製品選びのポイント

肌の状態注目したい成分選び方のヒント
乾燥しがち・敏感肌セラミド、ヒアルロン酸、アミノ酸高保湿で低刺激性のもの。「アルコールフリー」などの表示も参考にする。
皮脂が多い・脂性肌ビタミンC誘導体、サリチル酸オイルフリーや「ノンコメドジェニックテスト済み」の表示があるものを選ぶ。
炎症しているニキビグリチルリチン酸ジカリウム、アラントイン抗炎症作用のある有効成分が配合された医薬部外品などを検討する。

メイクで気をつけるべきこと

ニキビを隠したい気持ちは分かりますが、厚塗りのファンデーションは毛穴を塞ぎ、ニキビを悪化させる原因になります。メイクをする際は、肌への負担が少ない製品を選びましょう。

下地は紫外線吸収剤不使用の「ノンケミカル処方」のもの、ファンデーションは油分の少ないパウダータイプやミネラルファンデーションがおすすめです。

ニキビを隠す際は、コンシーラーをニキビの部分にだけ少量乗せ、指で優しく叩き込むように馴染ませます。そして、一日の終わりには、クレンジングでメイクを完全に落とし切ることが何よりも重要です。

食生活の改善で内側からケアする

肌は内臓の鏡ともいわれます。特にしつこい顎ニキビは、日々の食生活が大きく影響している場合があります。外側からのスキンケアと合わせて、身体の内側から肌を作る食事を見直してみましょう。

バランスの取れた食事の重要性

健康な肌を保つためには、特定の栄養素だけを摂るのではなく、主食・主菜・副菜のそろったバランスの良い食事を一日三食きちんと摂ることが基本です。

特に、肌の材料となるタンパク質、身体の調子を整えるビタミンやミネラル、そして腸内環境を整える食物繊維は、意識して摂取したい栄養素です。

インスタント食品やファストフードに偏った食事は、脂質や糖質、塩分が多くなりがちで、ビタミンやミネラルが不足しやすいため、ニキビの原因となることがあります。

積極的に摂りたい栄養素

肌の健康をサポートし、ニキビの改善を助ける栄養素はいくつかあります。これらを日々の食事にバランス良く取り入れることを意識しましょう。

健やかな肌をサポートする栄養素

栄養素主な働き多く含まれる食品
ビタミンB群皮脂の分泌をコントロールし、肌のターンオーバーを正常に保つ。豚肉、レバー、うなぎ、納豆、卵
ビタミンCコラーゲンの生成を助け、ニキビ跡の色素沈着を防ぐ。抗酸化作用も。パプリカ、ブロッコリー、キウイ、柑橘類
ビタミンE血行を促進し、肌のバリア機能を高める。強い抗酸化作用を持つ。アーモンド、アボカド、かぼちゃ、植物油

このほかにも、肌のターンオーバーを助ける「亜鉛」(牡蠣、牛肉など)や、腸内環境を整える「食物繊維」(野菜、きのこ、海藻類)も、ニキビ予防には欠かせない栄養素です。

顎ニキビのために控えたい食べ物

一方で、過剰に摂取すると皮脂の分泌を増やしたり、炎症を悪化させたりする可能性のある食べ物もあります。完全に断つ必要はありませんが、顎ニキビに悩んでいる期間は、少し意識して摂取量を調整してみるのが良いでしょう。

過剰摂取に注意したい食品

食品カテゴリーニキビへの影響具体的な食品例
高GI食品血糖値を急上昇させ、皮脂分泌を促すホルモンを刺激する。白米、食パン、菓子パン、ケーキ、清涼飲料水
脂質の多い食品皮脂の材料となり、過剰摂取は皮脂分泌の増加につながる。揚げ物、スナック菓子、脂身の多い肉、生クリーム
香辛料・刺激物過剰に摂取すると胃腸に負担をかけ、炎症を悪化させることがある。唐辛子、わさび、コーヒー、アルコール類

水分補給の大切さ

肌の潤いを保ち、ターンオーバーをスムーズにするためには、十分な水分補給も重要です。体内の水分が不足すると、血液の流れが悪くなり、肌細胞に必要な栄養素や酸素が届きにくくなります。

また、老廃物の排出も滞りがちになり、肌トラブルの原因となります。一日に1.5リットルから2リットルを目安に、こまめに水を飲む習慣をつけましょう。

ジュースやコーヒーではなく、常温の水や白湯、ノンカフェインのお茶などがおすすめです。

生活習慣の見直しで顎ニキビを予防する

スキンケアや食事と同じくらい、日々の生活習慣が肌の状態を左右します。特に「睡眠」「ストレスケア」「運動」は、ホルモンバランスや免疫機能に直結するため、しつこい顎ニキビを根本から改善するためには見直しが重要です。

質の良い睡眠を確保する方法

睡眠中には、肌のダメージを修復し、再生を促す「成長ホルモン」が分泌されます。特に、入眠後の最初の3時間はゴールデンタイムともいわれ、この時間に深く眠ることが肌の健康には大切です。

単に長く眠るだけでなく、「睡眠の質」を高めることを意識しましょう。

質の良い睡眠のための工夫

  • 就寝1〜2時間前に入浴して体を温める
  • 寝る前のスマートフォンやPC操作を控える
  • 寝室の照明を暗くし、静かな環境を作る
  • 自分に合った枕やマットレスを選ぶ

ストレスとの上手な付き合い方

ストレスを完全になくすことは難しいですが、溜め込まずに上手に発散する方法を見つけることが大切です。自分が「心地よい」と感じることや「楽しい」と思える時間を意識的に作りましょう。

例えば、好きな音楽を聴く、温かいハーブティーを飲む、親しい友人と話す、ゆっくりと湯船に浸かるなど、自分なりのリラックス方法をいくつか持っておくと良いでしょう。

また、ヨガや瞑想、深呼吸なども、乱れがちな自律神経を整え、心を落ち着かせるのに効果的です。

適度な運動がもたらす効果

定期的な運動は、多くの面でニキビ改善に良い影響を与えます。まず、血行が促進されることで、肌の隅々まで栄養が届き、ターンオーバーが活発になります。また、汗をかくことで毛穴に詰まった老廃物が排出されやすくなります。

さらに、運動はストレス解消にもつながり、心地よい疲労感は質の良い睡眠をもたらします。激しい運動である必要はありません。

ウォーキングやジョギング、ストレッチなど、自分が楽しめる範囲で継続できる運動を生活に取り入れてみましょう。

顎に触れるものを清潔に保つ

肌に直接触れるものは、常に清潔にしておくことが重要です。特に顎周りは、マスクや寝具、衣類などが触れる機会が多い部位です。

  • マスク
  • マフラー、タートルネック
  • 枕カバー、シーツ
  • スマートフォン

枕カバーは皮脂や汗、雑菌が付着しやすいため、こまめに洗濯しましょう。スマートフォンも、通話時に画面が肌に触れることで雑菌が移る可能性があります。定期的に除菌シートなどで拭く習慣をつけると良いでしょう。

ニキビ跡を残さないための重要なこと

しつこい顎ニキビの悩みは、ニキビそのものだけでなく、治った後に残る「ニキビ跡」にも及びます。一度できてしまったニキビ跡をセルフケアで完全に消すことは難しいため、跡を残さないための「予防」が何よりも重要です。

ニキビを潰してはいけない理由

ニキビを自分で潰すと、毛穴の壁が壊れ、炎症が周囲の組織に広がってしまいます。これにより、炎症がさらに悪化し、治りが遅くなるだけでなく、皮膚の深い部分である真皮層までダメージが及んでしまうことがあります。

真皮層が傷つくと、肌がクレーターのように凹んでしまったり、しこりが残ったりする原因になります。また、指先の雑菌が傷口から侵入し、二次感染を引き起こすリスクもあります。

気になっても、絶対に自分で潰さないでください。

炎症を早く鎮めるための応急処置

赤く腫れて熱を持っているような炎症性のニキビができた場合、まずは冷やすことが有効です。清潔なガーゼやタオルで保冷剤を包み、数分間優しく当てることで、炎症を和らげ、痛みを軽減する効果が期待できます。

ただし、冷やしすぎは血行不良を招く可能性があるので、長時間行うのは避けましょう。その後は、抗炎症成分の配合された市販薬を塗布し、なるべく刺激を与えないように過ごすことが大切です。

紫外線対策の徹底

紫外線は、ニキビやニキビ跡にとって大敵です。ニキビで炎症を起こしている肌は、バリア機能が低下しており、紫外線のダメージを非常に受けやすい状態です。

紫外線に当たると、肌を守ろうとしてメラニン色素が過剰に生成され、茶色いシミのような「炎症後色素沈着」というニキビ跡が残りやすくなります。ニキビがある時こそ、日焼け止めをしっかり塗ることが重要です。

肌への負担が少ないノンケミカル処方で、ニキビ肌向けに作られた製品を選び、季節や天候に関わらず一年中対策を続けましょう。

ニキビ跡の種類と特徴

ニキビ跡の種類見た目の特徴主な原因
赤みニキビが治った後も、その部分が赤いままの状態。炎症によって毛細血管が拡張し、皮膚が薄くなって透けて見える。
色素沈着(茶色)シミのように茶色っぽく色が残る。炎症や紫外線によってメラニンが過剰に生成され、沈着する。
クレーター(凹み)肌の表面が凹んでしまう。強い炎症が真皮層まで及び、組織が破壊される。

色素沈着とクレーターの違い

ニキビ跡は、大きく分けて「色素沈着」と「クレーター」の2種類があります。赤みや茶色いシミのような色素沈着は、肌のターンオーバーとともに少しずつ薄くなっていく可能性があります。

美白有効成分が配合された化粧品などによるセルフケアで改善が期待できるのもこちらです。一方、クレーター状の凹凸は、皮膚の深い真皮層がダメージを受けているため、残念ながらセルフケアで元に戻すことは非常に困難です。

だからこそ、炎症を悪化させないこと、潰さないことが何よりも重要なのです。

皮膚科での専門的なアプローチ

セルフケアを続けても改善が見られない場合や、痛みの強い大きいニキビが多発する場合には、皮膚科の専門医に相談することを検討しましょう。

ニキビは皮膚の病気であり、適切な治療を受けることで、より早く、きれいに治すことが期待できます。

専門医に相談するタイミング

「このくらいのニキビで病院に行くのは大げさかも」と思う必要はありません。以下のような状態が見られたら、早めに受診を考えるのがおすすめです。

  • セルフケアを1ヶ月以上続けても改善しない
  • 炎症が強く、痛みを伴うニキビが繰り返しできる
  • ニキビの数が多い、または広範囲に広がっている
  • しこりのようになったり、膿を持ったりしている
  • ニキビ跡が残りそうで不安

一般的なニキビ治療の種類

皮膚科で行われるニキビ治療には、様々な選択肢があります。医師が肌の状態を診察し、ニキビの種類や重症度に合わせて、適切な治療法を提案します。

主な治療法には、外用薬(塗り薬)、内服薬(飲み薬)、面皰圧出、ケミカルピーリングなどがあります。それぞれの治療には特徴があり、複数を組み合わせて行うこともあります。

保険適用の治療と自費診療

ニキビ治療には、健康保険が適用される「保険診療」と、適用されない「自費診療(自由診療)」があります。保険診療では、主に外用薬や内服薬による治療が行われます。

一方、自費診療では、ケミカルピーリングやレーザー治療など、より積極的なアプローチが可能になります。どちらの治療が適しているかは、個人の症状や希望によって異なります。

保険診療と自費診療の一般的な比較

項目保険診療自費診療
主な治療法外用薬(抗菌薬、アダパレンなど)、内服薬(抗菌薬、ビタミン剤など)ケミカルピーリング、レーザー治療、イオン導入など
目的今あるニキビの炎症を抑え、新たなニキビをできにくくする。ニキビ跡の改善、肌質の改善、より高い美容効果を目指す。
費用比較的安価(自己負担1〜3割)全額自己負担となり、比較的高額になる傾向がある。

治療期間と費用の目安

ニキビ治療は、肌のターンオーバーの周期も関係するため、ある程度の期間が必要です。一般的には、効果を実感するまでに3ヶ月程度はかかると考えておくと良いでしょう。根気強く治療を続けることが大切です。

費用は、治療内容によって大きく異なります。保険診療であれば、診察料と薬代を合わせて数千円程度が目安ですが、自費診療の場合は、1回数千円から数万円と幅があります。

治療を始める前に、医師から治療内容や期間、費用について十分な説明を受け、納得した上で進めることが重要です。

顎ニキビに関するよくある質問

最後に、顎ニキビに関して多くの方が抱く疑問についてお答えします。

顎ニキビは他の部位のニキビと何が違いますか?

おでこや鼻にできる思春期ニキビが主に皮脂の過剰分泌によって起こるのに対し、顎ニキビはホルモンバランスの乱れや生活習慣、物理的な刺激など、より複雑な要因が絡み合って発生するのが特徴です。

そのため、治りにくく、同じ場所に繰り返しできやすい傾向があります。ケアの方法も、単に皮脂を取り除くだけでなく、保湿や生活習慣の改善といった多角的なアプローチが必要です。

ピルで顎ニキビは改善しますか?

低用量ピルは、ホルモンバランスを整える作用があるため、特に生理前に悪化するタイプの顎ニキビに対しては、治療の選択肢の一つとなります。

ピルに含まれる女性ホルモンが、皮脂分泌を促す男性ホルモンの働きを抑制することで、ニキビの改善が期待できます。ただし、ピルには血栓症などのリスクも伴うため、処方には医師の診察が必須です。

婦人科や皮膚科で相談し、メリットとデメリットをよく理解した上で検討することが重要です。

髭剃りも顎ニキビの原因になりますか?

はい、女性の産毛処理であっても、カミソリによる髭剃りは顎ニキビの原因となり得ます。カミソリの刃が肌表面の角質を傷つけ、バリア機能を低下させてしまうからです。

また、毛穴に雑菌が入り込む「毛嚢炎(もうのうえん)」というニキビに似た炎症を引き起こすこともあります。

産毛の処理をする際は、肌への負担が少ない電気シェーバーを使ったり、処理後は必ず保湿ケアを徹底したりするなどの工夫が必要です。

同じ場所に繰り返しできるのはなぜですか?

同じ場所にニキビが繰り返しできるのは、その部分の毛穴がニキビのできやすい状態になっているからです。一度強い炎症を起こした毛穴は、構造が変形したり、ダメージを受けたりして、皮脂が詰まりやすくなっている可能性があります。

また、無意識の癖(頬杖など)や、生活習慣(ホルモンバランスの乱れなど)の根本的な原因が改善されていないと、同じ場所が繰り返し刺激を受け、ニキビが発生しやすくなります。

再発を防ぐには、その場しのぎのケアではなく、原因となっている生活習慣そのものを見直すことが大切です。

以上

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大垣中央病院・こばとも皮膚科

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