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円板状エリテマトーデス(DLE)性脱毛症の症状

円板状エリテマトーデス(DLE)性脱毛症の症状

円板状エリテマトーデス(DLE)は、皮膚に特徴的な赤い発疹や脱毛を引き起こす自己免疫疾患の一つです。特に頭皮に発症した場合、DLE性脱毛症として知られ、進行すると瘢痕性の永久脱毛に至ることがあります。

このため、初期症状を見逃さず、早期に皮膚科専門医による診断と治療を受けることが重要です。

Dr.小林智子

この記事では、DLE性脱毛症の様々な症状について、詳しく解説していきます。

はじめに現れる頭皮の赤みと乾燥斑 見逃せない初期サイン

円板状エリテマトーデス(DLE)性脱毛症の多くは、頭皮に現れるわずかな変化から始まります。これらの初期サインに気づき、早期に対応することが、後の症状の進行を抑える上で非常に大切です。

DLEの初期症状とは

DLEの初期症状として最も一般的なのは、頭皮の一部に生じる境界が比較的はっきりした紅斑(赤い斑点)です。この紅斑は、最初は小さく、かゆみや痛みを伴わないことも多いため、見過ごされやすい傾向にあります。

しかし、この段階で自己免疫疾患の可能性を疑い、注意深く観察することが求められます。

頭皮の赤み(紅斑)と乾燥

初期段階の頭皮紅斑と乾燥

初期の紅斑は、単なる肌荒れや湿疹と間違われることがあります。しかし、DLEによる紅斑は徐々に盛り上がり、表面がカサカサと乾燥してくるのが特徴です。

この乾燥は、皮膚エリテマトーデスに共通してみられる頭皮症状の一つであり、フケのように見えることもあります。

初期症状のセルフチェック

チェック項目詳細DLEの可能性
頭皮の特定の場所に赤い斑点があるか境界が比較的はっきりしている
その部分が乾燥し、カサカサしているか細かいフケのようなものが見られる中~高
症状が長期間(数週間以上)続いているか自然に治りにくい

なぜ初期症状を見逃しやすいのか

DLEの初期症状は、かゆみや痛みといった自覚症状が乏しい場合が多く、また、髪の毛に隠れて気づきにくいという側面があります。そのため、美容院で指摘されて初めて気づくケースも少なくありません。

普段からご自身の頭皮の状態に関心を持ち、定期的にチェックする習慣が、早期発見につながります。

鱗屑を伴う円形・楕円形プラーク DLE特有の皮疹パターン

DLEが進行すると、初期の紅斑はより特徴的な円板状皮疹(プラーク)へと変化します。このプラークは、DLE診断の手がかりとなる重要な頭皮症状です。

円板状皮疹(プラーク)の特徴

DLEのプラークは、その名の通り円形または楕円形をしており、境界が明瞭です。表面は硬く盛り上がり、中心部がやや陥凹することもあります。

色は赤紫色や褐色を帯びることが多く、慢性皮膚エリテマトーデスの代表的な所見です。

鱗屑とは何か

鱗屑(りんせつ)とは、皮膚の表面から剥がれ落ちる角質のことを指し、一般的にはフケとして認識されます。DLEのプラーク表面には、厚く付着した頑固な鱗屑がみられます。

この鱗屑は、無理に剥がそうとすると出血したり、痛みを伴ったりすることがあります。また、鱗屑の裏側が毛穴の形にトゲ状になっている「カーペットタックサイン」は、DLEに特徴的な所見の一つです。

DLEプラークの主な特徴

特徴説明
形状円形または楕円形、境界明瞭
色調赤み、赤紫色、褐色
表面乾燥し、厚い鱗屑が付着、硬く盛り上がる

頭皮におけるプラークの出現部位

頭皮のDLEは、日光に当たりやすい頭頂部や前頭部に好発する傾向があります。しかし、側頭部や後頭部など、頭皮のあらゆる部位に発生する可能性があります。プラークは単発のこともあれば、複数個出現することもあります。

脱毛部位の広がり方 斑状→融合→瘢痕化のステージ別変化

斑状脱毛~融合~瘢痕化の進行

DLE性脱毛症における抜け毛は、特徴的なパターンで進行します。初期の斑状脱毛から、徐々に範囲が広がり、最終的には瘢痕性脱毛症という治らない脱毛に至る可能性があります。

初期の斑状脱毛

DLEのプラーク上では、炎症によって毛包が破壊され、脱毛が起こります。初期には、プラークの範囲に限局した斑状の脱毛として現れます。

この段階では、まだ毛包の機能が完全に失われていない場合もあり、適切な治療法によって毛髪の再生が期待できることもあります。

脱毛斑の融合と拡大

複数のプラークが頭皮に存在する場合、それぞれで生じた脱毛斑が徐々に融合し、より広範囲な脱毛へと進行することがあります。また、個々のプラーク自体も拡大する傾向があるため、注意が必要です。

この段階になると、頭皮症状としての脱毛がより顕著になります。

DLEによる脱毛の進行

  • ステージ1: プラーク上の限局的な斑状脱毛
  • ステージ2: 複数の脱毛斑の出現と軽度な融合
  • ステージ3: 脱毛斑の広範な融合、瘢痕化の始まり

瘢痕性脱毛症への進行

DLEの炎症が長期化し、慢性化すると、毛包組織が破壊され、線維組織に置き換わってしまいます。これを瘢痕化と呼びます。

瘢痕性脱毛が広がる様子

瘢痕化した部分では毛包が完全に消失するため、毛髪が再生することはなく、永久的な脱毛、すなわち瘢痕性脱毛症となります。この状態になると、ステロイド治療などを行っても発毛は期待できません。

治らない脱毛のリスク

DLE性脱毛症の最も深刻な問題は、この治らない脱毛、つまり瘢痕性脱毛症に至るリスクがあることです。そのため、皮膚科専門医による早期診断と、炎症を速やかに鎮静化させる治療が極めて重要となります。

瘢痕性脱毛症の主な特徴

項目特徴毛髪再生の可能性
頭皮の状態硬く、光沢があり、毛穴が見えないなし
炎症の有無活動期には赤みや鱗屑を伴うが、終末期には落ち着いていることもなし
自覚症状かゆみや痛みは軽減・消失していることが多いなし

頭皮の萎縮と艶消失 永久性瘢痕を示す終末徴候

DLEによる炎症が長期間続くと、頭皮組織は不可逆的な変化をきたします。頭皮の萎縮と艶の消失は、瘢痕性脱毛症が完成し、毛髪再生の望みがほぼ絶たれた状態を示すサインです。

頭皮の萎縮と毛穴消失を示す図

瘢痕組織による頭皮の変化

正常な頭皮は弾力性があり、毛穴がはっきりと見えます。しかし、DLEによって瘢痕化が進行すると、皮膚は薄く硬くなり(萎縮)、表面は平滑になります。

これは、毛包や皮脂腺、汗腺といった皮膚付属器が破壊され、コラーゲン線維を中心とした瘢痕組織に置き換わるためです。

毛穴の消失と頭皮の光沢

瘢痕化した頭皮では、毛髪を生み出す毛穴が完全に閉塞・消失します。そのため、ルーペなどで拡大して観察しても、毛穴の開口部を見つけることができません。

また、皮膚表面がツルツルとした光沢を帯びるようになります。これは、正常な皮膚構造が失われた結果生じる特徴的な頭皮症状です。このような状態は、治らない脱毛の確定的な所見と言えます。

頭皮の萎縮・瘢痕化のサイン

所見説明
皮膚の菲薄化頭皮が紙のように薄く感じる
硬化頭皮の弾力性が失われ、硬くなる
毛孔の消失毛穴が見えなくなる
光沢頭皮表面がテカテカと光って見える

永久脱毛となるメカニズム

毛髪は毛包という組織で作られます。DLEの自己免疫疾患としての性質上、免疫細胞が誤って自身の毛包を攻撃し、持続的な炎症を引き起こします。

この炎症が制御されないまま進行すると、毛包幹細胞を含む毛包全体が破壊され、線維化(瘢痕化)します。一度瘢痕化してしまうと、毛髪を再生する能力は永久に失われてしまいます。

かゆみ・ヒリヒリ感などの自覚症状でわかる炎症度

かゆみ・ヒリヒリ感を訴える女性

DLE性脱毛症では、見た目の変化だけでなく、様々な自覚症状が現れることがあります。これらの症状は、病変の活動性や炎症の程度を判断する上で重要な手がかりとなります。

DLEに伴うかゆみの特徴

DLEの活動期には、病変部にかゆみが生じることがあります。かゆみの程度は個人差が大きく、軽微なものから日常生活に支障をきたすほどの強いものまで様々です。

一般的に、炎症が強い時期にかゆみも強くなる傾向があります。ただし、かゆみが全くないからといって、DLEが活動していないとは限りません。

ヒリヒリ感や圧痛

かゆみに加えて、頭皮にヒリヒリとした刺激感や、触れると痛む圧痛を感じることもあります。これらの症状も、頭皮症状における炎症の存在を示唆しています。

特に、紫外線を浴びた後や、物理的な刺激が加わった後に症状が悪化することがあります。

DLEの自覚症状と炎症の関連

自覚症状炎症との関連対処のポイント
かゆみ炎症が強いと増強する傾向掻破しない、皮膚科で適切な治療法を受ける
ヒリヒリ感炎症や神経への刺激刺激を避ける、ステロイド外用薬などが有効な場合も
圧痛炎症による組織の腫れや過敏性患部を安静に保つ

自覚症状と炎症の関連性

一般的に、かゆみやヒリヒリ感、圧痛といった自覚症状が強いほど、病変部の炎症も活発であると考えられます。これらの症状は、自己免疫疾患であるDLEの活動性を反映している可能性があります。

したがって、自覚症状の変化は治療法の効果判定や、再燃のサインとして重要です。症状に変化が見られた場合は、速やかに皮膚科医に相談しましょう。

毛孔角栓と色素変化 病変活動性を示す視覚的ヒント

毛孔角栓と色素変化

DLEの病変部では、脱毛や鱗屑以外にも、毛穴や皮膚の色調に特徴的な変化が現れることがあります。これらは、病気の活動性や慢性度を評価する上で重要な視覚的所見となります。

毛穴に詰まる角栓(毛孔角栓)

DLEの活動的な皮疹では、毛穴の開口部に角質が厚く詰まり、栓のようになる「毛孔角栓(もうこうかくせん)」または「角栓性角化(かくせんせいかくか)」と呼ばれる所見がしばしば観察されます。

これは、皮膚エリテマトーデスに特徴的な変化の一つで、毛穴が黒っぽく見えたり、ザラザラとした感触になったりします。この毛孔角栓は、炎症によって毛包上皮の角化が亢進するために形成されると考えられています。

色素沈着と色素脱失

DLEの炎症は、皮膚の色素産生細胞であるメラノサイトにも影響を与えます。

炎症が強い時期や、炎症が治まった後には、病変部が周囲の皮膚よりも濃い茶色になる「色素沈着」や、逆に色が抜けて白っぽくなる「色素脱失」が混在して見られることがあります。

特に、慢性化したDLEの病変では、中心部が白く萎縮し(色素脱失と萎縮)、辺縁部が黒ずむ(色素沈着)という特徴的な色調変化を呈することがあります。これらの色素変化は、頭皮症状として美容的な問題となることもあります。

毛孔角栓・色素変化と病変活動性

所見病変活動性との関連備考
毛孔角栓活動期によく見られる炎症による角化異常
色素沈着炎症後、または慢性期メラニン産生の亢進
色素脱失慢性期、瘢痕期メラノサイトの破壊・機能低下

これらの所見が示すこと

毛孔角栓の存在は、多くの場合、DLEの病変がまだ活動的であることを示唆します。一方、色素沈着や色素脱失は、炎症がある程度落ち着いた後にも残ることが多く、病変の慢性度や、過去の炎症の強さを反映していると考えられます。

これらの視覚的なヒントは、皮膚科医が診断や治療方針を決定する上で重要な情報となります。

折れやすい短毛・フリンジ残存毛が語る毛根ダメージ

折断毛・フリンジ残存毛の様子

DLEによる毛包へのダメージは、抜け毛だけでなく、残存している毛髪の質にも影響を及ぼします。特徴的な毛髪の変化は、毛根レベルでの障害を示唆する重要なサインです。

毛髪の脆弱化

DLEの炎症が毛包周囲に及ぶと、毛髪の成長が妨げられ、作られる毛髪自体が細く、もろくなることがあります。これにより、毛髪が途中で切れやすくなったり、成長しきれずに短いまま抜け落ちたりします。

これは、瘢痕性脱毛症に至る前段階でも見られる変化です。

DLEにおける特徴的な毛髪所見

DLEの脱毛斑の辺縁部では、炎症の影響を受けながらもかろうじて残っている毛髪が観察されることがあります。これらの毛髪は、健康な毛髪とは異なり、以下のような特徴を示すことがあります。

  • 短く、途中で折れたような毛(折断毛)
  • 毛先が細く尖らず、ブラシ状になっている毛
  • 脱毛斑の辺縁にフリンジ状(ふさ飾り状)に残る短い毛髪

これらの所見は、毛母細胞の機能が低下し、正常な毛髪を形成できなくなっている状態を反映しています。

毛髪変化と毛根ダメージの関連

毛髪の変化示唆される毛根の状態
細毛化、脆弱化毛母細胞の栄養障害、機能低下
折断毛毛幹構造の異常、強度の低下
フリンジ状残存毛不均一な毛包ダメージ、部分的な毛髪成長の停止

毛根への影響

これらの毛髪の変化は、DLEの炎症が毛根の深い部分にまで達し、毛髪を作り出す毛母細胞や毛乳頭にダメージを与えていることを物語っています。

このような状態が長く続くと、毛包は徐々に線維化し、最終的には治らない脱毛である瘢痕性脱毛へと移行するリスクが高まります。したがって、毛髪の質の変化に気づいた場合も、早期に皮膚科を受診することが重要です。

耳・顔面の同時病変が示す重症度の手掛かり

DLEは頭皮だけに限定されるわけではなく、他の部位にも皮疹が生じることがあります。

特に、顔面や耳介はDLEの好発部位であり、これらの部位に病変が同時に存在する場合、病気の活動性や重症度、さらには全身性エリテマトーデス(SLE)への移行リスクを考慮する上で重要です。

耳介や口唇近くにもDLE病変が広がる

頭皮以外のDLE好発部位

DLEの皮疹は、日光紫外線によく当たる露出部に発生しやすい傾向があります。頭皮以外では、以下のような部位に特徴的な円板状皮疹が見られることがあります。

  • 顔面:頬、鼻(特に鼻背や鼻翼)、額、口唇
  • 耳介:特に耳輪や耳垂
  • 頚部、前胸部、腕、手の甲など

顔面(頬、鼻、唇)の皮疹

顔面に生じるDLEの皮疹は、蝶形紅斑(鼻を中心に両頬に広がる蝶のような形の紅斑)とは異なり、境界明瞭な円板状の紅斑やプラークとして現れます。頬や額に多発することもあり、美容的にも大きな問題となります。

口唇に生じた場合は、乾燥や亀裂、びらんを伴うことがあります。これらの皮膚エリテマトーデスの症状は、自己免疫疾患の活動性を示唆します。

耳介の皮疹

耳介もDLEの好発部位の一つです。耳輪(耳の外側の縁)や耳垂(耳たぶ)に、紅斑、鱗屑、萎縮などを伴う皮疹が生じることがあります。耳介の病変は、時にかゆみや痛みを伴い、進行すると耳の変形をきたすこともあります。

DLEの頭皮外病変の例

部位主な症状注意点
顔面(頬、鼻など)円板状紅斑、鱗屑、色素変化、萎縮美容的問題、SLEへの移行リスク評価
耳介紅斑、鱗屑、萎縮、時に疼痛変形の可能性
口唇乾燥、亀裂、びらん、腫脹食事摂取への影響

全身性エリテマトーデス(SLE)との関連

DLEは皮膚症状が主体ですが、約5-10%の患者さんが将来的に全身性エリテマトーデス(SLE)という、より重篤な膠原病に移行する可能性があると言われています。

特に、広範囲に皮疹がある場合や、顔面病変が著しい場合などは、SLEへの移行リスクを念頭に置いた定期的な検査(血液検査など)が皮膚科や膠原病内科で必要になることがあります。

頭皮以外の部位にもDLE様の皮疹がある場合は、その旨を医師に必ず伝えましょう。

よくある質問

DLE性脱毛症は必ず治らない脱毛になるのですか?

必ずしもすべてのDLE性脱毛症が治らない脱毛(瘢痕性脱毛症)に至るわけではありません。

早期に発見し、炎症を抑える適切な治療法(例えばステロイド外用薬や内服薬、免疫抑制薬など)を開始すれば、毛包の破壊を最小限に食い止め、瘢痕化を防ぐことが期待できます。

しかし、診断や治療が遅れたり、炎症が非常に強かったりすると、瘢痕化が進行しやすくなります。瘢痕化してしまった部分の毛髪再生は困難です。

DLEの明確な原因は何ですか?

DLEの正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、自己免疫疾患の一つと考えられています。

遺伝的な素因を持つ人が、紫外線曝露、ウイルス感染、特定の薬剤、喫煙などをきっかけとして発症するのではないかという説が有力です。

免疫システムが誤って自身の皮膚細胞(特に毛包周囲の細胞)を攻撃してしまうことで、特徴的な皮膚症状や脱毛が引き起こされます。

DLEの診断はどのように行いますか?疑わしい場合は何科を受診すればよいですか?

DLEの診断は、主に特徴的な皮疹の見た目(視診)と、皮膚生検(病変の一部を採取して顕微鏡で調べる検査)によって行われます。

皮膚生検は、他の脱毛症や皮膚疾患との鑑別に非常に重要です。血液検査で自己抗体(抗核抗体など)を調べることもありますが、DLEの患者さんでは陰性のこともあります。

DLEが疑われる場合は、まず皮膚科専門医を受診してください。

DLE診断のポイント

  • 視診: 特徴的な円板状皮疹、鱗屑、毛孔角栓、萎縮、脱毛のパターンなど
  • 皮膚生検: 確定診断や他の疾患との鑑別に重要
  • 血液検査: 自己抗体の有無、炎症反応などをチェック(補助診断)
DLEの主な治療法にはどのようなものがありますか?

DLEの治療法は、病変の範囲や重症度、活動性によって異なります。主な治療法としては、ステロイドの外用薬(塗り薬)や局所注射が第一選択となります。

炎症が強い場合や範囲が広い場合には、ステロイドの内服薬、免疫抑制薬(ヒドロキシクロロキンなど)、レチノイドなどが用いられることもあります。

治療の目的は、炎症を早期に鎮静化させ、瘢痕性脱毛症への進行を防ぐことです。治療は皮膚科医の指導のもと、根気強く続ける必要があります。

DLEと診断されたら、日常生活で特に気をつけることは何ですか?

DLEの患者さんが日常生活で最も気をつけるべきことは、紫外線対策です。紫外線はDLEを悪化させる最大の要因の一つと考えられています。

外出時には帽子や日傘を使用し、頭皮にも使える日焼け止めを塗るなど、徹底した紫外線防御が重要です。また、禁煙も強く推奨されます。喫煙はDLEの治療効果を下げ、症状を悪化させる可能性があります。

その他、十分な睡眠、バランスの取れた食事、ストレスを溜めない生活を心がけることも、自己免疫疾患のコントロールには大切です。定期的な皮膚科受診を欠かさず、医師の指示に従ってください。

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DLE性脱毛症の原因と検査法

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