膵癌(浸潤性膵管癌, Pancreatic Cancer)とは、膵臓に発生する悪性腫瘍で、周囲の組織に急速に浸潤していく特徴があります。
初期段階では明確な症状が現れにくく、早期発見が困難であるため、予後が厳しい病気となります。
病状が進行すると、腹部や背中の痛み、皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)、体重減少などの症状が現れます。
膵癌(浸潤性膵管癌)の病型
膵癌には、主に発生する場所によって分類される「膵頭部癌」「膵体尾部癌」、そして癌細胞の形や構造に基づいて分類される「管状腺癌」「乳頭腺癌」などがあります。
発生部位による分類
種類 | 特徴 |
膵頭部癌 | 膵臓の頭の部分に発生し、胆管や十二指腸の近くに位置する |
膵体尾部癌 | 膵臓の体の部分や尾の部分に発生し、脾臓(ひぞう)の近くに位置する |
膵頭部癌は全体の約60〜70%を占め、黄疸(おうだん:皮膚や白目が黄色くなる症状)が出ることで早めに見つかる症例もあります。
一方、膵体尾部癌は珍しいタイプであり、症状が現れにくいため発見がより遅れがちになります。
組織型による分類
組織型による分類は、癌細胞の形や構造の特徴に基づいて行います。組織型の違いにより、癌の悪性度や治療に対する反応が異なります。
組織型 | 特徴 |
管状腺癌 | 最も一般的な型で、管のような構造を形成する |
乳頭腺癌 | 乳頭(にゅうとう)のような突起状の構造を持つ |
腺扁平上皮癌 | 腺癌と扁平上皮癌の両方の特徴を併せ持つ |
退形成癌 | 非常に悪性度が高く、予後があまり良くない型 |
その他の分類方法
- TNM分類:腫瘍の大きさ、リンパ節転移、遠隔転移の状態を評価する
- 臨床病期分類:癌がどの程度進行しているかを示す
- 切除可能性分類:手術で取り除けるかどうかを判断する
TNM分類
TNM分類は、腫瘍の大きさ(T)、リンパ節転移の有無(N)、遠隔転移の有無(M)を評価する分類です。
分類 | 内容 |
T(腫瘍) | T1:腫瘍の大きさが2cm以下 T2:腫瘍が2cm超4cm以下 T3:腫瘍が4cm超 T4:腫瘍が隣接する主要な血管に浸潤 |
N(リンパ節) | N0:リンパ節転移なし N1:1~3個の所属リンパ節に転移 N2:4個以上の所属リンパ節に転移 |
M(遠隔転移) | M0:遠隔転移なし M1:遠隔転移あり |
TNM分類により、腫瘍の進行度を客観的に評価することができます。例えば「T2N1M0」という表記は、腫瘍の大きさが2cm超4cm以下で、1~3個のリンパ節転移があり、遠隔転移がない状態を示します。
臨床病期分類
臨床病期分類は、TNM分類を基に膵癌の進行度を総合的に評価するものです。
病期 | 定義 |
Stage 0 | 上皮内癌(非浸潤癌) |
Stage IA | T1、N0、M0 |
Stage IB | T2、N0、M0 |
Stage IIA | T3、N0、M0 |
Stage IIB | T1-3、N1、M0 |
Stage III | T4、任意のN、M0 または任意のT、N2、M0 |
Stage IV | 任意のT、任意のN、M1 |
Stage 0が最も早期の状態で、Stage IVが最も進行した状態です。Stageが進むほど治療が難しくなり、予後も厳しくなる傾向にあります。
切除可能性分類
切除可能性分類は、手術による根治的切除の可能性を評価するための分類です。
手術の適応を判断する際に重要な分類となり、 境界切除可能な場合、術前化学療法を行って腫瘍を縮小させてから手術を行うなど、治療戦略の立案に役立ちます。
- 切除可能(Resectable):腫瘍が膵臓内にとどまっており、周囲の主要血管への浸潤がない
- 境界切除可能(Borderline Resectable):腫瘍が一部の血管に接しているが、手術による切除の可能性がある
- 切除不能(Unresectable):腫瘍が周囲の主要血管に広範囲に浸潤しており、手術による切除が困難な状態
膵癌(浸潤性膵管癌)の症状
膵癌(浸潤性膵管癌)の主な症状は、腹痛や背部痛、黄疸、体重減少などが代表的です。初期段階では無症状である場合が多いため、早期発見が困難な病気です。
症状 | 初期段階 | 進行段階 |
腹痛 | 軽度・間欠的 | 持続的・増強 |
---|---|---|
黄疸 | なし・軽微 | 顕著 |
体重減少 | 軽度 | 著明 |
糖尿病 | 血糖値上昇 | コントロール困難 |
初期症状の特徴
膵癌の初期段階では、特異的な症状が現れにくいという特性があります。そのため、早期発見が難しく、病状が進行してから診断される例が少なくありません。
「なんとなく体調がすぐれない」「食欲不振や軽度の腹部不快感が数ヶ月続いている」など、わずかな体調の変化でも、気になる点がある場合は早めに医療機関を受診することが大切です。
進行に伴う症状
症状 | 特徴 |
腹痛 | 上腹部や背中に持続する鈍痛 |
黄疸 | 皮膚や眼球結膜が黄色くなる |
体重減少 | 食欲不振や消化吸収障害が原因で起こる |
糖尿病 | 新規発症、または既存症状の悪化 |
腹痛は、膵臓周辺の神経への圧迫や浸潤によって起こる代表的な症状であり、多くの場合、上腹部や背中に鈍い痛みとして感じます。
黄疸もよく見られる症状のひとつで、腫瘍による胆管圧迫により胆汁の流れが阻害され、体内にビリルビンが蓄積することで生じるものです。
全身症状・消化器症状
膵癌の進行に伴い、全身症状や消化器症状も顕著になってきます。
食欲不振や消化吸収障害による体重減少がみられるほか、糖尿病の新規発症や、既存の糖尿病の悪化も膵癌の徴候となります。
全身症状 | 消化器症状 |
倦怠感 | 悪心・嘔吐 |
発熱 | 食欲不振 |
貧血 | 便秘・下痢 |
膵癌(浸潤性膵管癌)の原因
膵癌(浸潤性膵管癌)の原因は、まだ完全に解明されていません。
糖尿病、肥満、喫煙、飲酒などの生活習慣が関わっていると考えられているほか、慢性膵炎、膵管内乳頭粘液性腫瘍などの既往歴、遺伝的な要因なども原因とされています。
遺伝的な要因
BRCA1やBRCA2と呼ばれる遺伝子の変異は、乳癌や卵巣癌のリスクを高めるだけでなく、膵癌の発症確率も上昇させます。
また、家族性膵癌症候群として知られる遺伝性疾患も存在し、これらの患者さんは一般の方と比較して、はるかに高い確率で膵癌を発症する傾向があります。
遺伝子 | 膵癌発症リスク |
BRCA1 | 中程度 |
BRCA2 | 高い |
PALB2 | 中程度 |
ATM | やや高い |
環境要因の影響
喫煙は、膵癌発症の深刻なリスク因子の一つとなります。タバコに含まれる多数の発癌物質が膵臓の細胞にダメージを与え、DNAの変異を引き起こすことが分かっています。
また、過度の飲酒習慣がある場合も、膵臓に悪影響があります。
慢性炎症と膵癌の関連性
慢性膵炎は、膵癌発症のリスクを著しく高める要因となります。
慢性膵炎の主な原因
- 長期にわたるアルコールの過剰摂取
- 胆石による胆管の閉塞
- 自己免疫系の異常による膵臓攻撃
- 特定の遺伝子変異による遺伝性膵炎
慢性膵炎の種類 | 膵癌発症リスク |
アルコール性 | 高い |
遺伝性 | 非常に高い |
特発性 | 中程度 |
その他の原因
肥満や糖尿病もまた、膵癌の発症リスクを高めることが近年の研究で分かってきました。
特筆すべきは、糖尿病患者の中でも、新規に発症した2型糖尿病患者において膵癌の発見率が顕著に高いという報告です。
これは、膵癌自体が膵臓の機能を低下させ、結果として糖尿病を引き起こしているケースも含まれているためと考えられています。
リスク因子 | 膵癌発症リスク増加 |
肥満 | 約1.5倍 |
糖尿病 | 約2倍 |
慢性膵炎 | 約13倍 |
喫煙 | 約2-3倍 |
膵癌(浸潤性膵管癌)の検査・チェック方法
膵癌(浸潤性膵管癌)の診断では、身体診察のほか、血液検査、画像検査、組織診断などを実施します。
身体診察・問診
問診では、症状、既往歴、家族歴などを確認します。
身体診察では腹部の触診や視診を行い、腫瘤の有無や黄疸の程度を診ていきます。
血液検査の主な項目
検査項目 | 意義 |
腫瘍マーカー(CA19-9, CEA) | 膵癌の可能性を示唆し、経過観察の指標となる |
肝機能検査(AST, ALT, γ-GTP) | 閉塞性黄疸の評価や肝転移の可能性を示す |
血糖値 | 膵機能障害の指標となり、新規発症の糖尿病に注意が必要 |
膵酵素(アミラーゼ、リパーゼ) | 膵臓の炎症や機能障害を反映する |
画像診断
検査法 | 特徴 |
CT | 空間分解能が高く、全身の評価が可能 |
MRI | 軟部組織のコントラストが良好で、放射線被曝がない |
超音波 | リアルタイム観察が可能で、繰り返し検査ができる |
PET-CT | 全身の転移巣を高感度で検出できる |
組織診断(確定診断)
膵癌の確定診断では、組織診断(腫瘍の一部を採取し、顕微鏡で観察する)により、悪性細胞の有無や癌の種類を特定します。
主な組織採取方法
- 超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA):内視鏡を用いて胃や十二指腸から膵臓に針を刺し、組織を採取する方法です。
- 経皮的針生検:体外から直接針を刺して組織を採取する方法で、CTやエコーガイド下で行います。
- 内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)時の膵液細胞診:膵管にカテーテルを挿入し、膵液を採取して細胞を調べる方法です。
生検により得られた組織や細胞を病理学的に検査することで、最終的な確定診断を行います。
膵癌(浸潤性膵管癌)の治療方法と治療薬について
膵癌(浸潤性膵管癌)の治療では、外科的切除、化学療法、放射線療法、そして緩和ケアを組み合わせ、予後改善とQOL(生活の質)向上を目指します。
治療目標
- がんの進行を可能な限り抑制する
- 症状を緩和し、生活の質を維持・向上させる
- 合併症を予防し、全身状態を良好に保つ
外科的治療
外科的切除では腫瘍の完全切除を目指し、全身状態や癌の進行度に応じて術式を選択します。
早期に発見できた場合では、膵頭十二指腸切除術や膵体尾部切除術などの手術を検討していきますが、多くの患者さんが診断時にはすでに進行しており、手術適応とならない場合も珍しくありません。
また、切除できた場合でも、再発率の高さから予後は極めて不良とされているのが現状です(術後の5年生存率は20~40%)。
手術名 | 適応 |
膵頭十二指腸切除術 | 膵頭部の腫瘍 |
膵体尾部切除術 | 膵体部・尾部の腫瘍 |
膵全摘術 | 広範囲に及ぶ腫瘍 |
化学療法
化学療法は、手術不能例や術後補助療法として行われるものです。
ゲムシタビンやS-1などの抗がん剤を単独または併用で投与し、腫瘍の縮小や進行抑制を図ります。
最近では、FOLFIRINOX療法(複数の抗がん剤を組み合わせた治療法)やゲムシタビン+ナブパクリタキセル併用療法など、より効果的な多剤併用レジメンも登場しています。
これらの新規レジメンにより、生存期間の延長が期待できるようになりました。
放射線療法
放射線療法は、局所進行例や手術後の再発予防のために実施します。
放射線療法の種類
- 外部照射:体外から放射線を照射する
- 小線源治療:腫瘍の近くに放射線源を直接置く方法
- 粒子線治療:陽子線や重粒子線を用いる治療法
緩和ケア
進行膵癌では、症状緩和と生活の質の維持が目標となります。
疼痛管理には、オピオイド鎮痛薬(医療用麻薬)や神経ブロックなどを組み合わせて用います。黄疸に対しては、胆道ステント留置などの処置を行い、患者さんの苦痛軽減に努めます。
症状 | 対処法 |
疼痛 | オピオイド鎮痛薬、神経ブロック |
黄疸 | 胆道ステント留置 |
消化管閉塞 | 胃空腸バイパス術 |
新規治療法への期待
免疫チェックポイント阻害剤(免疫系を活性化させる薬剤)や分子標的薬など、新たな治療法の開発も進んでいます。
新規治療法により、膵癌治療の選択肢が広がることが期待されます。
新規治療法 | 作用機序 |
免疫チェックポイント阻害剤 | T細胞(免疫細胞の一種)の活性化促進 |
分子標的薬 | 特定の分子を標的とした増殖抑制 |
CAR-T細胞療法 | 遺伝子改変T細胞による腫瘍攻撃 |
膵癌(浸潤性膵管癌)の治療期間
膵癌(浸潤性膵管癌)の治療は、多くの場合、長期にわたる継続的なケアが必要となります。しかし、予後が厳しい疾患であることも事実です。
治療期間の目安
膵癌の治療期間は、病期や選択される治療法によって大きく異なります。
治療法 | 一般的な期間 | 備考 |
手術 | 3〜6か月 | 術前・術後の治療を含む |
化学療法 | 半年〜数年 | 病状により継続期間が変動 |
放射線療法 | 5〜6週間 | 化学療法と併用することも |
期間はあくまで目安であり、個々の患者さんの状態や治療への反応によって変わります。多くの場合、複数の治療法を組み合わせて行うため、全体の治療期間は個別性が高くなります。
予後
膵癌は一般的に予後が厳しい疾患として知られています。診断時の病期によって5年生存率が大きく異なり、早期発見が難しいことも予後に影響します。
病期 | 5年生存率 |
局所限局 | 約40% |
局所進行 | 約12% |
遠隔転移 | 約3% |
薬の副作用や治療のデメリットについて
膵癌(浸潤性膵管癌)の治療には、副作用やリスクが伴います。
手術療法に伴うリスク
手術後の合併症として、膵液漏(膵臓から分泌される消化液が漏れ出す状態)や出血、感染などが発生することがあります。
また、膵臓の一部または全部を切除することで、消化酵素の分泌不全や糖尿病の発症リスクが高まります。手術後に食事の消化吸収に問題が生じたり、インスリン注射が必要になったりする方もいます。
合併症 | 発生率 | 対処法 |
膵液漏 | 10-20% | ドレナージ、抗生剤投与 |
術後出血 | 5-10% | 輸血、再手術 |
術後感染 | 15-25% | 抗生剤投与、ドレナージ |
膵内分泌機能 | 20-30% | インスリン治療、食事指導 |
化学療法の副作用
化学療法の代表的な副作用には、吐き気や嘔吐、食欲不振、倦怠感などがあります。
また、骨髄抑制(骨髄の機能が低下すること)による白血球減少は、感染症のリスクを高めます。 血小板減少による出血傾向や、貧血による息切れなども注意が必要です。
また、長期的な副作用として、末梢神経障害(手足のしびれや痛み)や心機能障害、二次発がん(治療の影響で新たにがんが発生すること)なども報告されています。
副作用 | 発現率 |
吐き気・嘔吐 | 60-80% |
骨髄抑制 | 40-60% |
末梢神経障害 | 30-40% |
心機能障害 | 5-10% |
放射線療法の副作用
放射線療法は、局所的な治療効果が期待できる一方で、照射部位周辺の正常組織にも影響を与えます。
急性期の副作用として、皮膚炎や疲労感、消化器症状(悪心、嘔吐、下痢)などが挙げられます。
晩期のリスクとしては、腸管や肝臓の線維化(組織が硬くなること)、二次発がんなどが報告されています。治療終了後数か月から数年経過してから現れることもあるため、長期的な経過観察が必要です。
免疫チェックポイント阻害薬の副作用
免疫チェックポイント阻害薬(免疫系を活性化させる薬剤)は、免疫系を活性化させることで抗腫瘍効果を発揮します。 しかし、過剰な免疫反応により、様々な臓器に炎症が生じる可能性があります。
代表的な副作用は下痢や皮疹、内分泌障害(甲状腺機能異常、副腎機能不全)、肝機能障害、肺炎などが報告されており、従来の抗がん剤とは異なる発現パターンを示します。
- 消化器系副作用:下痢、大腸炎(大腸の炎症)
- 皮膚系副作用:発疹、掻痒感(かゆみ)
- 内分泌系副作用:甲状腺機能低下症、副腎機能不全
- 肝胆道系副作用:肝機能障害、胆管炎(胆管の炎症)
- 呼吸器系副作用:間質性肺炎(肺の間質という部分に炎症が起こる病気)
副作用 | 発現率 | 対策 |
下痢・大腸炎 | 20-30% | 止痢薬、ステロイド投与 |
皮疹 | 15-25% | 外用ステロイド、抗ヒスタミン薬 |
甲状腺機能異常 | 10-20% | ホルモン補充療法 |
肝機能障害 | 5-10% | 薬剤中止、ステロイド投与 |
保険適用と治療費
以下に記載している治療費(医療費)は目安であり、実際の費用は症状や治療内容、保険適用否により大幅に上回ることがございます。当院では料金に関する以下説明の不備や相違について、一切の責任を負いかねますので、予めご了承ください。
膵臓癌(浸潤性膵管癌)の治療費は、医療保険が適用されます。自己負担額は医療費全体の30%(70歳以上の方は原則20%)となります。
治療法別の概算費用
治療法 | 概算費用(3割負担の場合) |
手術 | 100万円〜180万円 |
化学療法 | 15万円〜40万円/月 |
放射線療法 | 40万円〜80万円/コース |
高額療養費制度の活用
高額療養費制度を利用すると、月々の医療費の自己負担額に上限が設けられます。所得に応じて自己負担限度額が定められており、治療費の負担を軽減できます。
70歳未満の方の自己負担限度額の例
所得区分 | 自己負担限度額(月額) |
ア(標準報酬月額83万円以上) | 252,600円+(医療費-842,000円)×1% |
イ(標準報酬月額53万〜79万円) | 167,400円+(医療費-558,000円)×1% |
ウ(標準報酬月額28万〜50万円) | 80,100円+(医療費-267,000円)×1% |
以上
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