肘部管症候群(尺骨神経高位麻痺、Cubital Tunnel Syndrome)とは、ひじの内側を通る尺骨神経が圧迫されて発症する病気です。
圧迫性ニューロパチー(末梢神経に慢性的に圧力がかかりダメージを受けるもの)のなかでは手根管症候群の次に発症する人が多く、手のしびれや痛み、筋力低下などの症状が現れます。
肘部管症候群(尺骨神経高位麻痺)の病型
肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん、尺骨神経高位麻痺)では、McGowan and Dellonの分類を使用します。
この分類は、進行速度や症状の重症度に基づいて分けられたものです。
McGowan and Dellonの分類
分類 | 特徴 |
---|---|
Type1 | 主観的な感覚症状のみ(客観的に測定できる2点識別テストなどで異常が認められないもの) |
Type2A | 感覚低下があるが、筋萎縮を伴わないもの。若干の筋力低下あり(つまむ力や握る力など) |
Type2B | 感覚低下に筋萎縮を伴うもの。また、尺骨神経支配筋の筋力低下があるもの(MMT3以下) |
Type3 | 感覚障害と重度の筋萎縮を伴うもの |
肘部管症候群(尺骨神経高位麻痺)の症状
肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん、尺骨神経高位麻痺)は、神経障害の一種です。
主な症状には、手のしびれや痛み、筋力低下などがあり、急性期と慢性期で症状の現れ方に違いがあります。
- 手のしびれや痛み
- 感覚の低下や麻痺
- 手の筋肉や握力の低下
- 指の曲げ伸ばしのしづらさ
急性期の症状
- ひじから手にかけての激しい痛み(pin & needleとも表現されます)
- 小指と薬指半分の急激なしびれや感覚低下
- ひじを曲げた状態で長時間過ごした後に症状が悪化する
急性期は、いきなり発症して短い期間で症状が進むのが特徴です。
激しい痛みやしびれなどの症状は日常生活や仕事への支障に直結しますので、早めの受診が不可欠です。
慢性期の症状
- 小指と薬指の持続するしびれや感覚鈍麻、重症では完全な感覚脱失
- 手の筋肉の萎縮(とくに小指球の筋肉、手のひらの小指側側面が痩せる)
- 手の握力の緩やかな低下、物をよく落とすようになる
- 指の曲げ伸ばしがスムーズにできなくなる
- ひじを曲げた状態で長時間過ごすと症状が悪化する
慢性期は、最初は一過性に出現していた症状が常に認められるようになった状態です。
ふだんの何気ない動作でも不自由さを感じるタイミングが多くなります。たとえば、ボタンかけや箸の使用が困難になったり、ペンを握って文字を書くのが辛くなったりする場合があります。
また、さらに病気が進むと手の変形(かぎ爪変形)につながるケースもあります。
肘部管症候群(尺骨神経高位麻痺)の原因
肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん、尺骨神経高位麻痺)の原因は一つではありません。もともとの腕の構造や怪我、職業や全身性の病気など多岐にわたります。
- もともとの腕の構造(解剖学的な原因)
- ひじの怪我
- 職業や生活習慣にかかわるもの
- 全身性の疾患
- 加齢や遺伝
もともとの腕の構造(解剖学的な原因)
- 尺骨神経溝の浅さ
- ひじ関節の屈曲(尺骨神経が引き伸ばされるため)
- 尺側側副靭帯の肥厚
- 肘部管が狭くなる(狭小化)
肘部管症候群の発症には、生まれ持った腕の構造が大きく関係します。
尺骨神経は上腕骨内側上顆※1のかなり表層を走行するため、ひじ関節の構造自体が尺骨神経の圧迫を引き起こしやすい環境にあります。
※1上腕骨内側上顆:ひじの内側にある硬い骨の部分。肘部管症候群ではこの部分を軽くたたくと小指と薬指の一部にビリッとしびれが走る。
ひじの怪我
ひじの怪我の種類 | 詳細 |
---|---|
打撲 | ひじ関節内側への強い衝撃 |
骨折 | 上腕骨内側上顆や肘頭の骨折 |
脱臼 | ひじ関節の脱臼による神経の牽引 |
反復性の微小な傷 | 繰り返しの小さな衝撃や圧迫 |
打撲(打ち身)や骨折、脱臼や、通常は気づかない程度の細かな傷も肘部管症候群の原因の一つです。
尺骨神経を直接傷つけるだけでなく、周りの組織の変化を通じて間接的に神経を圧迫して、この病気を引き起こすこともあります。
職業や生活習慣にかかわるもの
- デスクワークでのひじのつき方
- 楽器演奏(とくにバイオリン)
- スポーツ活動(テニス、ゴルフなど)
- 長時間の運転
一部の職業や生活習慣も、肘部管症候群の発症リスクを高める原因となり得ます。
座っているときの癖や仕事でのひじ関節を長時間曲げる姿勢、繰り返しの動きが多いと、ほかの人よりも尺骨神経への持続的な圧迫や摩擦を引き起こす可能性が高いです。
全身性の疾患
全身性の疾患 | 肘部管症候群への影響 |
---|---|
糖尿病 | 末梢神経の脆弱化(もろくなる現象) |
関節リウマチ | 関節周囲の炎症と変形 |
甲状腺機能亢進症 | 代謝亢進(進むこと)による神経障害 |
痛風 | 尿酸結晶沈着による炎症 |
肘部管症候群は、全身性の疾患にともなって合併症として発症するケースもある病気です。
糖尿病や関節リウマチなどの基礎疾患は、神経自体が脆くなったり周囲組織の炎症や変形を引き起こしたりしますので、間接的に発症リスクを高めます。
加齢や遺伝
年齢を重ねるにつれて、肘部管症候群を発症する人が増えます。
これは、加齢にともなう腱や靭帯などの弾力性の低下、長年ひじを繰り返し使ってきたためにできる、ほんのわずかな傷の蓄積が原因と考えられています。
また、遺伝も無視できません。家族にこの病気を患っている人がいると、ひじの構造の特徴や組織の脆さを受け継いでいる可能性もあります。
肘部管症候群(尺骨神経高位麻痺)の検査・チェック方法
肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん、尺骨神経高位麻痺)の診断は、症状の確認や複数の検査を組み合わせて行うのが基本です。
病院での専門的な検査
- ひじの状態を確認するための検査
- 神経の働きを調べるための検査
- ひじの構造を画像化して行う検査
- 神経の伝導速度や筋肉の反応を測定するための検査
病院では、肘部管症候群の診断のために専門的な検査を行います。
ひじの状態を把握するための検査(理学的検査)
検査項目 | 確認する内容 |
---|---|
視診 | 手の変形や筋萎縮の有無 |
触診 | 肘部管周辺の圧痛や腫脹 |
関節の可動域のチェック | ひじの曲げ伸ばしの範囲 |
筋力の検査 | 手指の筋力低下 |
感覚の検査 | 手指のしびれや感覚鈍麻を確認 |
病院で最初に行われるのが、症状や身体の状態を確認する検査です。
手の形が変わっていないか・筋肉が異常にやせ細っていないかなどの状態を目で見て確認する、腫れがあるか・痛みが出るかどうかを確認するために患部を触る、どのくらいの範囲で動くかを確認するためにひじを曲げ伸ばしする、といった方法でチェックします。
神経の働きを調べるための検査(神経学的検査)
- Tinel(ティネル)徴候:肘部管の上を軽くたたいて、しびれや痛みが誘発されるかを確認。
- 肘屈曲テスト:ひじを最大限に曲げた状態で1分間保ち、症状が悪化するかを観察。
- Froment(フローマン)徴候:親指と人差し指で紙を挟んで引っ張る際の異常を確認します。母指内転筋の筋力低下を検出。
ひじの構造を画像化して行う検査(画像検査)
検査方法 | 特徴 |
---|---|
X線検査 | 骨の変形や異常を確認 |
MRI検査 | 神経や周囲組織の詳細な状態を評価 |
超音波検査 | 神経の肥大や圧迫の状況をリアルタイムで観察 |
画像検査では、尺骨神経のまわりの状態や骨の異常を確認します。
主な検査方法にはX線検査やMRI検査、超音波検査があり、ひじの変形がある際にはX線で外反変形や関節の隙間の狭さが確認できます。
MRI検査は、腫瘍(例:ガングリオン)が疑われる際に行う検査です。
神経の伝導速度や筋肉の反応を測定する検査(電気生理学的検査)
- 神経伝導検査:尺骨神経の伝導速度や振幅を測定して、障害の程度や位置を特定します。確定診断に用いられます。
- 筋電図検査:筋肉の電気的な活動を記録して、神経障害による筋肉への影響を評価します。
さらに、神経の伝導速度や筋肉の反応を測定する検査も実施します。
神経伝導検査は、神経に電気を流して行う検査です。一方、筋電図検査は、筋肉に針を刺して筋肉が働いているときと休んでいるときの電気信号を記録する検査です。
自宅でできるセルフチェック
医療機関での検査のほかに、自宅でも簡単にできるセルフチェック方法があります。
ご自身でのチェック方法
しびれや痛みのチェック
小指と薬指を中心に、手のしびれや痛みがないか確認します。とくに朝起きたときや長時間同じ姿勢を続けたあとに注意してチェックしましょう。
筋力のチェック
指を動かしたりペンを使ったりして筋力低下がないかを確認します。寝起きは手に力が入りづらいこともあるので、日中に行いましょう。
- 親指と小指を付けたり離したりする
- 指を広げたり閉じたりする
- ペンやボールを握る
感覚のチェック
目を閉じた状態で小指と薬指に軽く触れて、感覚が鈍くなっていないかどうかを確認します。反対の手と比べるとわかりやすいでしょう。
肘屈曲テスト
ひじをそれ以上曲げられない状態で1分間キープして、手のしびれや痛みが現れる、または悪化するかを確認します。
ひじを頻繁に使用する、ひじの怪我や手術に心当たりのある人はとくにですが、2週間ごと、1カ月ごとなどの間隔でセルフチェックを習慣にしましょう。
- デスクワークやスマートフォンの使用が多い
- スポーツや楽器演奏など、ひじを頻繁に使用する活動をしている
- 過去にひじの怪我や手術の経験がある
肘部管症候群(尺骨神経高位麻痺)の治療方法と治療薬、リハビリテーション
肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん、尺骨神経高位麻痺)の治療は、症状の程度や原因に合わせ、保存療法や手術を行っていきます。
- 保存療法:安静にしたり装具を使用したりして症状を改善
- 手術:症状の原因を直接取り除く方法
- 治療薬:炎症や痛みを減らすために使用
- リハビリテーション:保存療法の一環で、ほかの治療法と平行して実施
保存療法(安静・固定・ひじの使い方の改善)
- ひじ関節の安静
- 夜間スプリント装着
- 姿勢指導(例:ひじに体重がかかる状態でのデスクワークを避ける)
- 生活習慣の改善(例:ひじを曲げて寝るのを避ける)
保存療法は、軽度から中等度の症状に対して優先して行われるものです。
安静や夜間のスプリント装着などの方法を組み合わせると、多くの場合で症状の改善が期待できます。
初期段階での保存療法はとくに効果的です。
手術(神経への圧迫を改善)
- 尺骨神経前方移行術:神経を骨の前に移動
- 単純除圧術:靭帯・筋肉の一部を切開して圧力を解消
- 内上顆切除術:内上顆を切開(キング変法、エアトーム法)
保存療法で良くならない、重度の症状がみられるなどの際には、手術が適応となります。
尺骨神経にかかっている圧力をなくして、神経の働きを正常に回復させるのが手術の目的です。
尺骨神経前方移行術は神経の脱臼があるときに、単純除圧術は脱臼のないときに行うものです。
治療薬(痛みと炎症を抑える)
治療薬 | 主な薬剤名 | 期待できる効果 |
---|---|---|
非ステロイド性抗炎症薬 | イブプロフェン、ジクロフェナク | 痛みと炎症の軽減 |
神経障害性疼痛治療薬 | プレガバリン、ガバペンチン | 神経由来の痛みの緩和 |
ステロイド薬 | プレドニゾロン | 強力な抗炎症作用 |
ビタミンB群 | メコバラミン | 神経の修復促進 |
治療薬は、痛みや炎症を軽減するために使用します。
保存療法と併用する場合が多いですが、軽いしびれだけの人では始めに治療薬のみで様子をみるケースもあります。
リハビリテーション(ひじの動きを良くする)
リハビリテーションの種類 | 目的 | 方法 |
---|---|---|
ストレッチング | 関節可動域の維持・改善 | ひじ関節や手首のストレッチ |
筋力トレーニング | 筋力の維持・向上 | 等尺性運動、軽負荷運動 |
神経滑走法 | 神経の可動性改善 | 特定の動作パターンの反復 |
作業療法 | 日常生活動作の改善 | 実際の生活場面を想定した訓練 |
リハビリテーションは保存療法の一つとして行われるだけでなく、手術後のひじの動きを回復させるためにも実施していただきます。
具体的な内容は理学療法士や作業療法士の指導のもと、一人ひとりの状態に合わせて計画します。
治療期間中の過ごし方
- ひじ関節の過度の屈曲を避ける
- 作業環境の改善(デスクの高さ調整など)
- こまめな休憩
- 寝るときの姿勢の改善
- 症状悪化時の対処法
肘部管症候群の治療は、装具の使用や治療薬の服用、病院でのリハビリテーションだけをやっていれば良いかというと、そういう訳でもありません。
治療の効果を最大限に引き出すためには、日ごろのひじの使い方や環境の見直しが必要です。
痛みが和らいでいるとついつい今までどおりの動きになってしまいがちですが、治療期間中はなるべくひじに負担がかからないように工夫しながら過ごしましょう。
肘部管症候群(尺骨神経高位麻痺)の治療期間と予後
肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん、尺骨神経高位麻痺)は早い段階での受診と治療で良好な結果が得られますが、症状が進んでいると回復に時間がかかるケースがあります。
治療方法ごとの治療期間の違い
治療方法によって、治療期間は3カ月から1年程度と幅があります。
保存療法
治療内容 | 治療期間の目安 |
---|---|
安静・固定 | 2〜4週間 |
治療薬 | 4〜8週間 |
物理療法 | 6〜12週間 |
生活習慣の改善 | 継続して実施 |
手術
尺骨神経にかかった圧力をなくすための手術を行った際には、通常は2~3カ月ほどで日常生活に復帰できる人が多いです。
ただし、この病気になる前と同じくらいまで回復するには、6カ月~1年程度の期間が必要なときもあります。
症状の重さごとの治療期間や予後
ちょっとした違和感やたまに感じる痛み程度の早い時点で治療を始められれば、予後は良好とされています。
- 軽度の症状:3〜6カ月の保存療法で改善が見られることが多く、予後は良好
- 中等度の症状:6カ月〜1年の保存療法で改善する場合もあるが、手術が必要になるケースもある
- 重度の症状:手術療法が必要となる例が多く、完全な回復には1年以上かかる場合もある
再発予防のための注意点
- ひじの使いすぎに注意する
- 必要に応じてサポーターを使用する
- 定期的に医療機関を受診する
- 適度な運動やストレッチを行う
- 症状の変化に気をつけてひじをチェックし、悪化時はすぐに病院に行く
- 職場や日常生活でのひじの使い方を見直して再発防止に努める
肘部管症候群は、いちど治っても再発する場合があります。
ふだんからひじの使い方に気をつけ、万が一しびれや痛みを感じたら、すぐに病院で相談するようにしましょう。
薬の副作用や治療のデメリット
肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん、尺骨神経高位麻痺)に対して行われる治療法には、それぞれの副作用やデメリットがあります。
保存療法のデメリット
- 効果を実感できるまでには時間がかかる
- 完全に症状が消えない場合がある
- 長期の活動制限による筋力低下や関節が硬くなる(拘縮)リスク
保存療法は安全な方法ではあるものの、効果を実感できるまでには時間がかかります。
また、スプリント(装具)の使用では、装着による不快感や動きにくさ、皮膚のかぶれなどが問題となるケースがあります。
不快感や動きにくさはある程度我慢しなければいけない部分もありますが、肌がかゆくなったり赤いプツプツができたりしたら治療薬の処方もできますので、遠慮せずに医師に相談しましょう。
手術のリスクや合併症
- 麻酔に関係する合併症
- 術後感染(術後は細菌感染しやすくなるため)
- 神経損傷(とくに内側上腕皮神経)
- 傷の治癒不全
- 慢性疼痛症候群の発症
治療薬の副作用
治療薬 | 主な副作用 |
---|---|
非ステロイド性抗炎症薬 | 胃腸障害、腎機能障害、出血傾向 |
神経障害性疼痛治療薬 | めまい、眠気、体重増加 |
ステロイド薬 | 感染リスク増加、骨粗鬆症、血糖上昇 |
ビタミンB群 | アレルギー反応、尿の着色 |
薬の種類や成分量、体質などにより、副作用の現れ方には個人差があります。医師の指示通りに服用し、薬を飲んでいる期間は体調の変化に気をつけるようにしてください。
保険適用と治療費
以下に記載している治療費(医療費)は目安であり、実際の費用は症状や治療内容、保険適用否により大幅に上回ることがございます。当院では料金に関する以下説明の不備や相違について、一切の責任を負いかねますので、予めご了承ください。
肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん、尺骨神経高位麻痺)の治療には、一般的に健康保険が適用されます。適用範囲や自己負担額は個々の状況によって異なります。
肘部管症候群の保険適用について
病院での検査や各治療は、健康保険の適用対象です。
保険適用される主な項目
- 診察・検査費用
- 保存療法
- 手術
- 治療薬
- リハビリテーション
- 入院費用(手術を行う際)
ただし、保険適用の範囲や自己負担額は、加入している保険の種類や医療機関の種別(一般病院、大学病院など)によって変わる場合があります。
また、入院時の食事代や差額ベッド代は保険適用外です。
一般的な治療費の目安
治療内容 | 費用(3割負担) |
---|---|
初診料 | 1,000〜3,000円 |
検査費用(X線、MRIなど) | 5,000〜20,000円 |
保存療法(1回あたり) | 1,000〜5,000円 |
手術療法(入院費含む) | 100,000〜300,000円 |
これらの費用はあくまで目安であり、実際の費用は医療機関や個々の状況によって変動します。
高額療養費制度の活用
治療費が高額になる際には、高額療養費制度が利用できます。医療費の自己負担額が一定の限度額を超えたときに、その超過分が払い戻される仕組みです。
高額療養費制度の自己負担限度額(70歳未満の場合)
所得区分 | 自己負担限度額(月額) |
---|---|
ア.年収約1,160万円超 | 252,600円+(医療費-842,000円)×1% |
イ.年収約770〜約1,160万円 | 167,400円+(医療費-558,000円)×1% |
ウ.年収約370〜約770万円 | 80,100円+(医療費-267,000円)×1% |
エ.年収約370万円以下 | 57,600円 |
オ.住民税非課税 | 35,400円 |
高額療養費制度の申請については各自治体へ、詳しい治療費については各医療機関へお問い合わせください。
以上
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