エステ脱毛よりも高いエネルギーで照射できるため、少ない回数でムダ毛をきれいにする医療脱毛。
医療機関で有資格者が行う方法ですが、後悔や失敗が怖くて踏み出せない、という方も多いのではないでしょうか。
そこで当ページでは、下記4つの医療脱毛の後悔や失敗事例と、すぐに実践できる後悔・失敗を回避する方法を解説しました。
- 医療脱毛後の後悔・失敗
- 脱毛部位別のよくある後悔・失敗
- 脱毛施術当日の後悔・失敗
- クリニック選びで起こる後悔・失敗
事前の準備やリサーチで、後悔や失敗リスクはぐんと減らせます。これから医療脱毛を検討している方は、ぜひこの記事を参考に「やって良かった」と思える脱毛を目指しましょう!
この記事の執筆者
小林 智子(こばやし ともこ)
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士
こばとも皮膚科院長
2010年に日本医科大学卒業後、名古屋大学医学部皮膚科入局。同大学大学院博士課程修了後、アメリカノースウェスタン大学にて、ポストマスターフェローとして臨床研究に従事。帰国後、同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンターにて、糖化と肌について研究を行う。専門は一般皮膚科、アレルギー、抗加齢、美容皮膚科。雑誌を中心にメディアにも多数出演。著書に『皮膚科医が実践している 極上肌のつくり方』(彩図社)など。
こばとも皮膚科関連医療機関
医療脱毛後の後悔や失敗・トラブル例
医療脱毛後の失敗・トラブル例
- やけど
- 毛嚢炎
- 硬毛化(増毛化)
- 照射漏れ
- 毛の抜けが悪い
- 契約した回数では終わらない
やけど・毛嚢炎など、肌が傷ついてしまう失敗はもちろん避けたいですが、照射漏れや毛の抜けが悪いといった事態になってしまうのも困りものです。
ここでは、後悔や失敗例と共に、失敗を回避する方法を紹介していきます。
やけど
脱毛に使用するレーザーはメラニン色素(黒い色素)にしか反応しないので、通常であれば肌には反応しません。
しかし、日焼けして黒くなった肌や色素沈着した肌、濃いほくろにはメラニンが多く含まれますので、レーザーを照射してしまうとやけどの失敗リスクが高まります。
さらに、肌が乾燥しているとバリア機能が低下して、やけどしやすくなるので注意が必要です。
クリニックでは、やけどをしないように過度に日焼けした肌やほくろへの照射を避け、出力を調整しながら施術をしています。
そのため、そこまでやけどの失敗を恐れる必要はありませんが、事前にケアしておくとやけどリスクを軽減できます。
- 脱毛中は日焼けをしない
- 肌の乾燥を避けて保湿を怠らない
照射後に赤みや肌に熱を持っているのを感じたら、冷やすのも有効です。その際は、凍傷によってやけどが悪化するのを防ぐために、保冷剤を直接肌に当てるのは避けましょう。
日焼けを避け保湿をしっかりして照射に臨んでも、万が一やけどしてしまった場合には、すぐにクリニックに相談するようにします。
毛嚢炎
レーザーでダメージを受けた毛包に菌が入り込んで炎症し、パッと見た感じではニキビのように毛穴が赤くプツプツとした状態になるのが毛嚢炎です。
毛嚢炎は、ムダ毛が多くてムレやすい部位や、皮脂が多く分泌される部位に起こりやすいと言われています。
基本的には痛み・かゆみはなく1~2週間ほどで治りますが、膿を潰してしまい悪化すると痕が残ることも考えられるので注意が必要です。
医療脱毛前の誤った自己処理も毛嚢炎の原因になりますので、シェービングの際は毛の流れに沿って電気シェーバーやカミソリの刃を動かしましょう。
- 脱毛後の肌を清潔に保つ
- 肌トラブルを起こしやすい生理前・中の施術を避ける
- 脱毛前の自己処理を正しく行う
- 施術当日は湯船に浸からない
- 脱毛後はていねいに保湿をする
施術後に炎症止めの軟膏を渡されることがありますが、クリニックの指示に従って正しく塗ることも毛嚢炎を防ぐ手助けとなります。
硬毛化(増毛化)
硬毛化の原因は明確に解明されていませんが、現時点では「本来破壊されるはずだった毛根が破壊されず、レーザーの刺激で活性化してしまい太い毛が生えてくる」と考えられています。
硬毛化は原因が解明されていないので、失敗リスクをゼロにするのは難しいのが現状です。
ただし、硬毛化の失敗が起こる確率は0.1%以下と言われています1)。
どの脱毛機を使用しても発生する可能性がありますが、非常に稀なケースであり、レーザーの種類を変更するなどして照射を続ければ改善するので、過度な心配は必要ないかと思います。
もしも起こってしまったときを考えて、契約するクリニックの硬毛化への保証について事前に確認しておくと安心です。
照射漏れ
医療脱毛は脱毛機のハンドピースを動かしながら照射していきます。
人の手で行う作業であり、部位によっては凹凸もありますので、まんべんなく照射できないケースが出てきます。
照射漏れはクリニック側の失敗であり、施術を受ける側が防ぐのは難しいのですが、高額な料金を払い決まった回数照射してもらうので、しっかりと脱毛できないと不満に感じるのは当然ですよね。
多くのクリニックでは、照射漏れを防ぐガイドとして、事前にマーカーで身体にマーキングを行いパーツごとに照射をしていきます。
(マーキングをするマーカーは、施術後のふき取りで消えるものです。)
施術者は照射漏れがないように注意を払っていますが、脱毛後3~4週間ほど経っても不自然に毛が残っている場合は照射漏れを疑いましょう。
照射漏れの場合は、再照射対応のあるクリニックがほとんどですので「照射漏れかも」と感じたらすぐ相談するようにしてください。
毛の抜けが悪い
通常、照射から1~4週間経過すると、レーザーに反応した毛がポロポロと抜け落ちていきます。
毛の抜け落ちるまでの期間は脱毛機によって違いがあるため、照射後の経過を観察しているときに「毛の抜けが悪いけど、これって失敗?」と不安に思う方も。
特に蓄熱式脱毛機を使用して脱毛した場合、熱破壊式脱毛機と比べると、照射後に毛が抜け落ちるまで期間がかかります。
また、産毛や細い毛といったレーザーが反応しにくい毛は、太い毛と比べると毛の抜けが悪い傾向があります。
さらに、脱毛後の毛の抜けはターンオーバーの影響も受けますので、代謝が悪くなっている可能性もあります。
脱毛照射後に毛の抜けを良くするためには、下記のような対策が有効です。
- 熱破壊式脱毛機を選ぶ
熱破壊式脱毛機は1~2週間ほどで毛が抜けてきます - 産毛や細い毛へは照射回数を重ねる
メラニン色素が少なく反応しづらい毛には、根気強く照射を重ねます - 肌の代謝を良くする
適度な運動や栄養バランスのとれた食事で代謝をアップさせましょう - 毛抜きによる自己処理をしない
毛を抜くお手入れは毛周期の乱れの原因となり、レーザーが反応しづらくなります
さらに、照射出力が弱いため毛の抜けが悪いケースや、先に解説した「照射漏れ」によって毛が抜けないことも考えられますので、あまりにも毛の抜けが悪い場合はクリニックに相談すると良いでしょう。
契約した回数では終わらない
クリニックのなかには「最短〇回で脱毛完了」「〇回完了コース」と謳っているところもあります。
一見すると「その回数で脱毛が完了する=ムダ毛が全くなくなる」とも受け取れるため、契約した回数で脱毛が終わると勘違いしてしまうことも。
しかし、お手入れがラクになる程度で5回以上、ほとんどお手入れがいらなくなる程度では8回以上が医療脱毛の回数の目安です。
(VIOのハイジニーナなど、つるつるの状態を目指すのであれば10回以上の照射が必要となるケースも。)
「〇回完了」は、そのコースが完了(終了)するだけであり、部位や毛質、肌質によって満足できるまでの回数には個人差があります。
クリニック側と、脱毛を受ける側で「脱毛完了」のイメージが異なると、”契約した回数で終わらず、失敗”と感じてしまう原因となります。
産毛までなくしたい場合やしぶとく毛が生えてくる鼻下・手指などを脱毛する場合、ハイジニーナを目指す場合などは、初めから回数の多いプランを契約するのがおすすめ。
途中で満足した場合にコース解約・返金してもらえる「解約返金制度」があるクリニックを選ぶのも良いでしょう。
照射したい部位や、目指す仕上がりの状態に合わせて契約回数を設定しましょう。行きたい回数だけ通える、その都度払いのクリニックもおすすめです。
【部位別】医療脱毛でよくある後悔・失敗例
ここからは、うなじ・顔・VIO・脇といった、脱毛部位ごとによくある失敗例をまとめました。
うなじ
写真を撮ったり合わせ鏡をしなければ、なかなか自分では見る機会のないうなじ。
ショートカットやまとめ髪などのヘアスタイルによっては周りの人の目につきやすい部位なので、脱毛を検討する方も多いです。
全身脱毛の対称部位となっているクリニックもありますが、なんとなく脱毛をスタートしてしまうと失敗する可能性もあります。
うなじ脱毛の失敗例case1脱毛期間中に日焼けをしてしまった
脱毛中は厳禁といわれる日焼けですが、意外と紫外線対策を忘れがちなのがうなじです。
赤くなったり皮膚の色が変わるほどに日焼けをしてしまうと、当日の照射が受けられないことも考えられますので、うなじ脱毛中は紫外線対策を忘れずに行います。
うなじ脱毛の失敗例case2うなじだけ脱毛したら背中の毛が余計に目立ってしまった
うなじの毛は背中の産毛とつながっていることが多く、背中も同時に脱毛しなかった場合は、その差がはっきりと目立ってしまうケースも。
毛の生え方には個人差がありますが、背中のムダ毛も一緒に脱毛するときれいな仕上がりになります。
「うなじ」と一口に言っても、どこまで脱毛できるかはクリニックによって異なります(えり足と同じ部位として扱うクリニックも)。
どこまでの範囲が対象なのか、生え際までが対象となる場合はデザインをどうするのか、といった項目をクリニックと話し合い、仕上がりイメージのすり合わせをしましょう。
顔
顔脱毛は、ニキビなどの肌トラブルが減る・肌がトーンアップする・メイクのノリが良くなる、といった効果があり、人気の脱毛部位です。
メイクの一環として頻繁にシェービングをしている方も多く、手間が減るメリットも。
とはいえ、身体のなかで真っ先に目がいく場所ですので、慎重に脱毛を進めたい部位です。
顔脱毛の失敗例case1思ったよりも痛みが強かった
皮膚が薄く骨に近いパーツなため、顔は痛みを感じやすいデメリットが。とくに口周りや目の周りは痛みを感じやすい傾向があります。
痛みを感じにくい蓄熱式脱毛機を選ぶ、麻酔が使用できるクリニックを選ぶ、ふだんから保湿をていねいにする、などの対策が有効です。
顔脱毛の失敗例case2赤み・やけどなどの肌トラブルが起きてしまった
顔は皮膚が薄い部位なので肌トラブルが起きやすい傾向があります。
クリニックでは脱毛前に医師の診察がありますので、肌が弱い・ニキビができやすい方は必ず事前に相談するようにします。
また、照射前後の日焼けもやけどにつながりますので、紫外線対策が大切です。
顔脱毛の失敗例case3効果が出にくく料金・期間が想定以上にかかってしまった
顔脱毛の必要回数は、お手入れがラクになる程度で7~8回・お手入れがほぼいらなくなる程度で9~10回が目安です。
ほかの部位と比べて、料金と期間がかかってしまう傾向があります。
脱毛は毛周期に合わせて通うことで効果を最大限に発揮できるので、より短い期間で脱毛完了を目指すには、1~2カ月経って毛がしっかりと生えそろった間隔でクリニックに通いましょう。
また、医療ローンを利用したり、都度払いのクリニックを選ぶなど、負担の少ない支払い方法を選択するのがおすすめです。
また、眉の脱毛をした場合は流行のデザインに合わせすぎてしまうと後悔する可能性も。
顔のパーツのなかでも眉脱毛をする場合は、流行を追うよりも自分に合ったデザインを選びましょう。
おでこ・生え際脱毛
おでこが狭い、生え際の形が気になる、とコンプレックスをお持ちの方に注目されている、おでこ・生え際脱毛。
おでこや生え際の形が変わるだけで印象も変わり、前髪をアップするおしゃれも楽しめます。
しかし、いちど脱毛してしまうと元には戻せないので「おでこ・生え際脱毛をして失敗した」と感じるケースもゼロではありません。
おでこ・生え際脱毛の失敗例case1産毛を残さなかったために不自然な生え際になった
生え際は、産毛がないと不自然に見える部位です。
生え際の産毛まですべて脱毛してしまうと、かつらを被っているようなおでこになってしまう可能性があります。
脱毛では、ふわっとした自然なうぶ毛を残すのが難しいので、事前にクリニックで仕上がりのデザインをしっかりと相談するようにしましょう。
おでこ・生え際脱毛の失敗例case2想像していたよりもおでこが広くなり顔が長く見える
おでこ・生え際脱毛でよくある失敗が、脱毛しすぎたパターンです。
ヘアラインアートメイクで毛を付け足す場合は、試しにアイブロウなどで描いてみるなどのシミュレーションが可能ですが、脱毛はそれができません。
脱毛する場合で「どこまで毛をなくすのか」を試すには、実際に生え際を剃ってみるしかありません。
なんとなくのイメージで脱毛すると、想像よりも顔が長く見えてしまうケースもありますので、初めは狭い範囲から脱毛を始めて徐々に照射範囲を広げていく方法がおすすめです。
おでこ・生え際脱毛の失敗例case3年齢を重ねるごとに生え際が薄くなってしまった
加齢によって生え際の毛が薄くなったり、後退してしまう可能性があります。
脱毛直後は希望の仕上がりになったとしても、数年・数十年経ってから「おでこ脱毛に失敗した」と感じる方も。
すべての人が加齢で生え際が薄くなったり後退するわけではありませんが、年齢を重ねるごとに生え際が変わる可能性を加味して脱毛を行うと失敗リスクを減らせます。
おでこ・生え際脱毛の失敗例case4対象範囲が狭く納得のいく生え際にならなかった
おでこ・生え際の照射できる範囲、ヘアラインまで脱毛可能かどうかは、クリニックの規定によります。
契約前には生え際部分の照射が不可であると気づかずに、失敗してしまうケースもあります(とくに全身脱毛とセットの場合、サラッと説明を聞き流してしまい失敗することも)。
「生え際から〇㎜まで」といった細かな範囲のルールはクリニックごとに差がありますので、契約前に照射できる範囲を確認するようにしましょう。
おでこ脱毛は顔のバランスを良くすることもできますが、横から見た状態も確認するなど、慎重に検討しないと失敗してしまう危険性が高い部位です。
髪の毛部分までの脱毛ができるクリニックは少ないですが、カウンセリング時にしっかりと相談しながら範囲やデザインを決めていきましょう。
VIO(デリケートゾーン)
生理がラクになる、おしゃれな下着や水着もムダ毛がはみ出す心配がない、自己処理による肌トラブルを繰り返さない、といったメリットがたくさんあるVIO脱毛。
VIOのお手入れをする方も多く、とくにハイジニーナの人気が高まっています。
下記にVIO(デリケートゾーン)脱毛の失敗例と回避方法をまとめました。
VIO脱毛の失敗例case1痛みが強すぎて脱毛に通うのが憂鬱になってしまった
Vライン・Iライン・Oラインといったデリケートゾーンは、太い毛が生えているため、痛みを感じやすい傾向があります。
「全身のなかで一番痛い」と言う人がいるほどで、次回の照射が憂鬱になってしまうケースも。
VIO脱毛の痛みは回数を重ねるごとに軽減していきますが、心配な方は麻酔を使用できるクリニックや痛みを感じにくい蓄熱式脱毛機を扱うクリニックを選ぶのがおすすめです。
VIO脱毛の失敗例case2デザイン選びに失敗してしまった
最近とくに人気があるデザインがハイジニーナ(VIOすべての毛の脱毛)です。しかし、気軽にデザインを選ぶと失敗する可能性も。
ハイジニーナは生理中も快適に過ごせますが、温泉などに行ったときに恥ずかしい思いをしてしまった方もいらっしゃいます。
また、Vラインの形を整えるだけでも、オーバル・スクエア・トライアングルなど多くのデザインがありますので、どの範囲を脱毛するのかをしっかり検討しつつ、後悔しないVIO脱毛をしましょう。
VIO脱毛の失敗例case3なかなか脱毛が終わらずに料金も高額になってしまった
VIOは太く濃い毛が生えているため、脱毛完了までには多くの通院回数と費用がかかります。
目安は、お手入れがラクになる程度の仕上がり:5~8回、お手入れがほぼいらない程度では8~10回程度。
ハイジニーナのようなつるつるの状態を目指すのであれば、10回以上の照射が必要です。
それだけ費用もかさみますので、契約前に「VIO脱毛は他の部位よりも多く回数がかかる」点を理解しておきましょう。
VIO脱毛の失敗例case4毛嚢炎になってしまい治るまでに時間がかかった
VIOは常に下着を身につけているので、ムレやすく毛嚢炎が起こりやすい部位です。さらに、皮膚が薄くデリケートな場所であり、赤みやかゆみが出やすい傾向も。
毛嚢炎は、ホルモンバランスが乱れ肌の免疫機能が低下している生理前の照射を避ける、かゆみがあっても掻かずに清潔を保つ、自己処理はていねいに行う、といった方法で回避できます。
また、毛嚢炎が複数できてしまったり治りが悪い場合は次回の照射に影響する可能性もありますので、躊躇せずにクリニックで診療してもらいましょう。
脇脱毛
満足感も高く、比較的失敗の少ないワキ脱毛。自己処理の頻度が高い部位ですので、シェービングの手間がグッと省けてラクになります。
さらに、剃るだけでは残ってしまう毛穴の黒いポツポツもきれいになるので、自信を持ってノースリーブを着られます。
下記に脇脱毛で起こりやすい失敗例をまとめました。
脇脱毛の失敗例case1効果を実感するまでに回数がかかった
本来であれば脱毛効果が出るまでの期間が短く、早い方では5回ほどでほぼお手入れが必要なくなります。
ただし、いままでのワキのムダ毛のお手入れ方法によっては、なかなか脱毛の効果を感じられないことも。
毛抜きによるお手入れを続けていた方は毛周期が乱れている場合があり、脱毛の効果が減って回数が多くかかってしまいます。
今まで毛抜きで脇の毛を処理していた方も、脱毛を考え始めたときから毛を引き抜くお手入れは厳禁です。
脇脱毛の失敗例case2脱毛したら脇の汗が増えた気がする
ワキ脱毛後にワキの汗が増えることはほとんどありませんが、これまで吸収していたムダ毛がなくなり、汗が流れ落ちやすくなるため「汗の量が増えた」と感じることがあります。
また、現在は医学的に証明されていませんが、「脱毛後多汗症」と言って一時的に汗が出やすくなる症状があります。
汗が増えたと感じた場合には制汗剤などで対応しつつ、あまりにも量が多い・不快感が強いときにはクリニックに相談しましょう。
脇脱毛は副次的効果として、汗のにおいが軽減されるケースもあります。脇がきれいになることで、不意につり革を持つ場面でも気にせずに振舞えるメリットも。
失敗と感じる可能性があるものの、利点が多いためおすすめできる脱毛部位です。
襟足
襟足のデザインにはWM型・W型・U型・直線型などの種類があり、うしろ姿の印象もガラッと変わります。
ただ、脱毛完了後にはイメージしていた印象と異なってしまい、失敗と感じる可能性もあります。
襟足脱毛の失敗例case1想定以上に脱毛しすぎた
襟足の範囲は、うなじよりも上・髪の毛の生え際部分。おくれ毛の部分と考えたほうが分かりやすいかと思います。
見えない範囲のため脱毛前の自己処理が難しく、シェービングし過ぎてしまうケースも。
クリニックでは自己処理でシェービングしてある範囲に照射していきますので、結果脱毛しすぎて失敗する可能性があります。
「襟足などの手の届かない範囲はシェービング無料」としているクリニックも多いため、無理に自分で剃ろうとせずに、クリニックに任せたほうが無難です。
襟足脱毛の失敗例case2形が不自然になった・思った仕上がりと違った
襟足は、産毛がないとカミソリで剃ったように不自然になってしまう部位です。
デザインもさまざまなので、首が細く見える形や女性らしい形など、施術者と仕上がりのイメージをしっかりと共有しながら脱毛を進めるようにしましょう。
襟足でも細い毛の部分は痛みを感じにくいですが、髪の毛付近の毛が太い場所は痛みを感じやすい傾向があります。
太い毛の部分まで脱毛したい方や痛みが心配な方は、麻酔使用可のクリニックで施術を受けると良いでしょう。
髭
青髭にコンプレックスをお持ちの男性も少なくありません。髭がないと若く見られる効果もあり、自分に自信が持てて、毎朝の髭剃りの時間を省けるのも髭脱毛のメリットです。
とはいえ、髭は太く根深い毛のためどうしても痛みが強くなりがちな部位。髭脱毛での失敗例を下記にまとめました。
髭脱毛の失敗例case1髭の量を減らそうと思ったらムラになってしまった
医療脱毛は均等に毛量を減らすのが難しいので、髭を減らすだけの脱毛をしようとするとムラになり失敗してしまうケースがあります。
太い毛がまばらに生えていると、脱毛で期待していた清潔感とは逆に汚い印象になってしまうことも。
髭脱毛を始めるならば、毛量を減らすよりも完全に髭をなくすつもりでスタートすると良いでしょう。
髭脱毛の失敗例case2脱毛途中は逆に毛が濃く見える
髭脱毛に通っている最中(とくに照射直後)は、一時的に髭が濃く見える場合があります。
これは、熱破壊式脱毛機でよく起こるポップアップ現象によるもの。熱によって毛が毛穴から飛び出す現象ですが、飛び出し切れずに縮れた毛が毛穴に残ることもあります。
毛の見える面積が大きくなり、髭が濃くなったように感じますが、1~3週間ほど経過すると自然に抜け落ちていきます(照射後毛が抜けるまでに2~4週間ほどかかる蓄熱脱毛機は、ポップアップが起こりづらい傾向です)。
ポップアップした毛が気になる場合は、マスクで隠す、代謝を良くする、保湿ケアをする、といった方法をとると良いでしょう。
髭脱毛の失敗例case35回コースでは終わらず10回以上通った
髭は皮毛角(毛の生えている角度)が大きく根深いので、脱毛が難しい部位です。そのため、他の部位よりも多くの照射を重ねないと脱毛が完了しません。
元々の毛量にもよりますが、5回のコースで脱毛を完了させるのは不可能といっても良いくらいです。
自分に合った回数をクリニックで確認しながら、最初から回数の多いコースを契約すると1回ずつの追加を重ねるよりもお得に脱毛ができます。
また、毛周期に合わせた1~2カ月の間隔で通うと脱毛の効果を高められるので、照射回数を減らせます。
髭脱毛の失敗例case4髭を伸ばしたくてもできない
医療脱毛により破壊された発毛細胞から再び毛は生えないので、髭を伸ばしたくなっても伸ばせません。
クリニックで契約する前に「本当に髭がなくなっても良いのか」を再度考え、髭を伸ばしたくなる可能性がある方は、あご髭だけ残す・あごと口髭だけ残す、といったデザイン脱毛がおすすめです。
先述したように、痛みが強い部位ですので「通うのにくじけそうになった」といった方も。
麻酔を使用すると痛みが軽減できますので、髭脱毛をする場合は同時に麻酔の使用を検討しましょう。
もみあげ
もみあげは、どこまで脱毛していいのか、どんな形にすればいいのか分かりづらい部位。どんな失敗が起こり得るのか、以下にまとめました。
もみあげ脱毛の失敗例case1仕上がりが不自然になってしまった
濃く長いもみあげがある方は、広い面積を脱毛してしまうと不自然に見えることがあります。
また、左右のバランスが悪くなってしまう失敗も考えられます。
一度脱毛が完了すると毛は生えてきませんので、もみあげのデザインは慎重に考えましょう。
脱毛前に自分でもみあげを剃るときは、アイブロウなどでガイドラインを引くとシェービングしやすいのでおすすめです。
もみあげ脱毛の失敗例case2思ったよりも痛みを感じた
もみあげは骨に近いので痛みを感じやすい傾向があります。我慢できないほど痛いケースはまれですが、痛みにストレスを感じてしまうことも。
とはいえ、もみあげは照射範囲が狭く、痛みを感じている時間も短いです。
回数を重ねるごとに痛みは軽減されていきますが、どうしても痛みが怖い方は麻酔を使用するといいでしょう。
もみあげ脱毛の失敗例case3希望する範囲まで照射できなかった
基本的に「もみあげ」と呼ばれる範囲は、髪の毛の生え際から耳横の産毛まで。
ただし、クリニックによって照射対象となる範囲が異なるので、希望する範囲まで照射できない失敗も起こり得ます。
カウンセリングの際に、どこまで照射できるのか・どこまで照射して欲しいのかをしっかりと話しておくと失敗リスクを回避できます。
医療脱毛の施術当日によくある後悔・失敗事例
脱毛当日に絶対避けたいのは、来院したにもかかわらず照射ができずに帰らなければいけないパターンです。
また、医療脱毛は痛いイメージがあるため、痛みについて恐怖感をお持ちの方も多いですよね。
ここでは脱毛当日によくある失敗事例と共に、回避方法も解説しました。
医療脱毛当日によくある失敗事例
- 痛みが強すぎた
- 日焼けしてしまい照射できなかった
- 剃り残しがあり照射できなかった
- 乾燥がひどく照射できなかった
- 照射後のアフターケアをしなかった
痛みが強すぎた
VIOの痛みが強すぎて回数を重ねても慣れなかった方や、髭への照射が痛すぎて2回目からは麻酔を使用した方など、強い痛みに後悔を感じる方も。
痛みが強い原因はいくつか考えられますが、痛みに大きく影響を与えるのは機械と脱毛部位です。
とくに痛みが強い傾向があるのが、熱破壊式脱毛機のなかでもヤグレーザーを使用した機械。
さらに、VIOや髭を含む顔、脇などの部位は強い痛みを感じることがあります。
我慢できないほどの痛みを感じるのはまれですが、麻酔の使用や保湿をしっかり行うと痛みが軽減できますので、ぜひ下記の方法を実践してみてください。
医療脱毛の痛みを軽減する方法
- 熱破壊式であれば、冷却ガスが噴射するタイプや吸引機能がついたタイプの機種を選ぶ
- 蓄熱式脱毛機を導入しているクリニックで脱毛する
- 強い痛みが予想される部位は麻酔を使用しながら脱毛する
- 脱毛期間中は乾燥を避けていねいに保湿をする
- 痛みを感じやすい生理前・中・後を避けて照射する
- カウンセリングのときにテスト照射をして痛みを確認する
さらに、日焼けも痛みが増す原因となりますので、脱毛期間中は紫外線対策をしっかりと行ってくださいね。
日焼けしてしまい照射できなかった
日焼け肌への照射はやけどの危険性が増すので禁忌とされています。
ある程度の日焼け肌なら照射可能な脱毛機もありますが、日焼けしていない部分との差が明らかに分かるほどの日焼けは避けましょう。
また、日焼け直後の赤くなった肌への照射も、肌トラブルの可能性があるので照射できません。
コース契約をしている場合、来院してもその日は照射できずに1回分を消化となってしまうため、数万円がムダになる失敗が起こり得ます。
さらに、予約を取り直す必要がありますので、なかなか脱毛施術が進まないといったデメリットも。
日焼け止めをこまめに塗り帽子や日傘などを利用して、もしもうっかり日焼けしてしまったら、脱毛の予約日を変更しましょう。
剃り残しがあり照射できなかった
一部のクリニックを除き、脱毛前には照射したい部分の自己処理をするのが基本。
剃り残しがある部分への照射は、やけどリスクがあり効果も減ってしまいますので、ていねいに行いたい準備です。
しかし、部位によっては自分で剃るのが難しく「どの部位でも剃り残しゼロの自信がある」といった方は、なかなかいらっしゃらないかと思います。
剃り残しへの対応は院によってさまざまで、なかには「剃り残しがあった場合はその箇所を避けて照射します」といったところも。
シェービングが苦手な方や、自己処理が難しい部位を脱毛する方は、剃り残しのシェービングが無料のクリニックを選ぶと安心です。
シェービング無料のクリニックが向いている方
- 自己処理で剃り残しが起こりがちなVIOやおしりの脱毛をする方
- うなじや背中などの手が届かない部位の脱毛をする方
- シェービングに自信がない方
自己処理をするときは明るいところで、必要に応じて鏡などを利用しながらていねいに剃ると剃り残しを減らせます。
乾燥がひどく照射できなかった
乾燥した肌へのレーザー照射は、刺激を強く感じやすく肌トラブルが起きやすいです。
特にひどい乾燥や乾燥性湿疹(乾燥でかゆみを感じたり炎症してしまった状態)の場合は、クリニックで脱毛照射を断られることがあります。
脱毛を検討し始めたら、真っ先にスタートしてほしい肌ケアが「保湿」です。
乾燥がひどい肌を治すには1日や2日の保湿では効果が出てきませんので、うるおった肌を保つためには日常的に保湿をする必要があります。
乾燥がひどすぎてかゆみや炎症が起きている場合には、脱毛より先に皮膚科を受診しましょう。
照射後のアフターケアをしなかった
脱毛後は肌が敏感になっていて熱もこもりやすい状態なので、ご自身でのアフターケアが必要です。
照射後にケアをしないで過ごしてしまうと、肌トラブルが起こってしまうことも。
脱毛照射後に起こり得るトラブル
- 乾燥
- やけど
- かゆみや赤み
- 毛嚢炎
- 肌トラブルで次回の照射ができない可能性も
具体的なケア方法として真っ先に挙げられるのが、やはり保湿です。さらに、当日のお風呂はシャワーのみで済ませ、強い刺激を与えないようにします。
また、ワキやVIOなどの熱がこもりやすい部位、照射後赤くなったりかゆくなったりしているところには、クーリングも有効です。
清潔なタオルで巻いた保冷剤などで冷やすと、肌トラブルのリスクがグッと減ります。
肌トラブルを回避するためにも、脱毛照射後はいつもより肌を労わりながらケアしていきましょう。
クリニック選びで起こる後悔・失敗事例
「効果が実感しやすいクリニックを選びたい」「できるだけ安いところで脱毛したい」「失敗しないクリニックを選びたい」といった思いは誰にでもありますよね。
医療脱毛を受けるクリニックを選ぶときは、料金や効果だけではなく、予約や追加料金といった条件面も比較しましょう。
クリニック選びで起こる失敗事例を下記にまとめました。
クリニック選びで起こる失敗事例
- 予約がとれない
- 医師が男性のみ
- シェービング代や麻酔料など追加料金がかかる
- キャンセルペナルティが厳しい
- 全身を一度に照射できない
予約がとれない
近年、脱毛のお手入れは多くの方に注目されていて、脱毛サロンよりも安く医療脱毛ができるクリニックが増えました。
医療脱毛の人気と共に、予約が取りにくいクリニックが出てきています。
「人気院だから効果がありそう」「安く脱毛が済ませられる」といった理由だけで選んでしまうと、予約がなかなか取れず、クリニック選びに失敗したと感じてしまう場合も。
予約が取りにくいクリニックでは次回の照射が4カ月先・5カ月先になってしまう場合もあり、「夏までに脱毛を終わらせる」と思って契約しても、予定通りに進まずストレスとなってしまいます。
契約前には、必ず予約状況をクリニックに確認しておきましょう。
医師が男性のみ
カウンセリングや施術は、女性看護師が担当しますが、脱毛前の診察や肌トラブルが起きてしまった際の診療は、男性の医師が行うクリニックもあります。
これに抵抗がある方は、医師が男性のみのクリニックを避けましょう。
手の甲や手指、顔などだけを脱毛するときにはあまり気にならないかもしれませんが、全身やVIOを脱毛する際には、女性医師が常駐しているクリニックであるかをチェックしておくと安心です。
医師だけでなく、待合室でほかの男性患者と会うのがイヤな方は、女性専用の脱毛クリニックを選ぶといいでしょう。
シェービング代や麻酔料など追加料金がかかる
予算を基にクリニックを選ぶ際に、まず目につくのは基本料金(コース料金)だと思います。
コース料金が安いクリニックは目に止まりやすく魅力を感じますが、コース料金が安いクリニックでは、脱毛を進めていく中で追加料金がかかる場合があります。
施術するたびに追加料金がかかると、安いところで契約しても結果としてほかのクリニックより高額になってしまう可能性もあるので、追加料金まで含んだ比較をすると良いでしょう。
- シェービング代(剃り残し含む)
- 麻酔料
- 初診料や再診料
特に事前の自己処理に自信がない方や・痛みが心配な方は、シェービング代や麻酔料もチェックしながらクリニック選びをしましょう。
キャンセルペナルティが厳しい
「脱毛予約をしたらキャンセルや変更をしなければいい」と言えばそれまでですが、脱毛は長い期間をかけて通うもの。
急な予定変更があったり、体調不良、突然の生理など、キャンセル・予約変更は誰に起こっても不思議ではありません。
キャンセルペナルティはクリニックによってさまざまで、「キャンセル無料」と書いてあるクリニックであっても、「無料なのは予約日の2日前まで」と期間が決まっている場合も。
期限以降のキャンセルは1回分のコースが消化されてしまうところもあり、キャンセルペナルティは必ず事前に確認しておきたいポイントです。
下記3点は、契約前に必ず確認しておきましょう。
- キャンセル料の有無
- キャンセルの期限
- 期限を過ぎた場合のペナルティ
小さいお子様がいる方や予定が変わりやすい方、生理周期が安定しない方など、キャンセルや予約変更の可能性が考えられる方は、当日キャンセルが無料のクリニックを選ぶのがおすすめです。
全身を一度に照射できない
全身脱毛を受ける場合、全身・顔・VIOといったパーツに分けて別日に照射するクリニックや、上半身・下半身に分けるところもあります。
何度も足を運ぶのは避けたい方や少ない通院回数で脱毛をしたい方は、一度に全身の照射ができるクリニックを選びましょう。
参考文献
1) 葛西健一郎(2021)『Dr.葛西の基礎から学ぼう医療レーザー脱毛入門』pp122.
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