チルドラキズマブ(イルミア)とは、尋常性乾癬や関節症性乾癬などの治療に用いられる生物学的製剤で、免疫の働きが過剰になることで起こる皮膚の炎症を抑制し、症状の緩和を目指します。
特にインターロイキン23(IL-23)というサイトカインの働きを部分的にブロックしながら免疫バランスを整える仕組みが特徴です。
乾癬治療に悩む患者さんにとって、新たな治療選択肢として注目を集めています。皮膚症状や関節症状を軽くする効果だけでなく、一定期間ごとの注射で安定したコントロールを目指しやすい点もポイントです。
この記事の執筆者

小林 智子(こばやし ともこ)
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士
こばとも皮膚科院長
2010年に日本医科大学卒業後、名古屋大学医学部皮膚科入局。同大学大学院博士課程修了後、アメリカノースウェスタン大学にて、ポストマスターフェローとして臨床研究に従事。帰国後、同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンターにて、糖化と肌について研究を行う。専門は一般皮膚科、アレルギー、抗加齢、美容皮膚科。雑誌を中心にメディアにも多数出演。著書に『皮膚科医が実践している 極上肌のつくり方』(彩図社)など。
こばとも皮膚科関連医療機関
有効成分と効果、作用機序
チルドラキズマブ(イルミア)は、主にIL-23と呼ばれるサイトカインを標的にして炎症反応を抑える薬です。乾癬の特徴である皮膚の炎症や厚みをもった病変の原因には、免疫系の過剰な刺激が深く関わっています。
チルドラキズマブは、この免疫系のバランスを整えながら持続的に症状を緩和することを目的としています。
IL-23を狙った作用
IL-23はT細胞を活性化し、炎症を促す働きがあり、チルドラキズマブはIL-23に結合することで、過剰なT細胞の働きを抑えます。
結果として炎症を抑える効果が期待できますが、身体に必要な免疫全体を完全に止めるわけではなく、一部の炎症経路を選択的にブロックするイメージです。
IL-23に関する概要
項目 | 概要 |
---|---|
IL-23の役割 | T細胞の活性化を促し、免疫反応を強める |
IL-23の過剰産生 | 乾癬やクローン病などの炎症性疾患に関与 |
チルドラキズマブの標的 | IL-23p19サブユニット |
期待される結果 | 過剰炎症の緩和、皮膚症状の改善 |
IL-23をピンポイントで阻害するアプローチによって、乾癬をはじめとする自己免疫性疾患の症状緩和につなげます。
乾癬病変への改善効果
チルドラキズマブが体内でIL-23の働きを部分的にブロックすると、不要な炎症刺激が減り、皮膚の鱗屑(りんせつ)や赤み、痒みといった乾癬の症状が軽くなり、生活の質が上がりやすくなります。
病変が厚くなってしまった皮膚も、炎症が治まることで徐々に本来の状態に近づける可能性があります。
乾癬における症状の特徴
- 赤みを伴う皮疹が広範囲に広がりやすい
- 銀白色の鱗屑が皮膚表面に付着する
- 痒みや痛みが強く、日常生活の支障になる
- 関節痛を伴う場合もあり、仕事や家事などが難しくなる
乾癬の症状は見た目だけでなく、本人のQOL(生活の質)に大きく影響することが多いです。チルドラキズマブで炎症を和らげると、日常生活の負担が軽くなることが期待できます。
免疫バランスの調整
チルドラキズマブは、免疫を全て抑制するわけではなく、過剰になりがちな一部の経路に働きかけます。
実際には炎症を起こすサイトカインのネットワークが複雑に連携しており、すべての炎症経路を止めてしまうと感染症のリスクが大きくなる可能性があります。
チルドラキズマブはIL-23にフォーカスすることで、ある程度の感染防御力を保ちながら乾癬症状を抑える薬剤です。
長期的な炎症抑制のメカニズム
乾癬は再燃・再発しやすい疾患です。チルドラキズマブは注射製剤であり、定期的な投与によって体内でIL-23のブロックを継続でき、長期にわたり炎症をコントロールしやすくなります。
患者さんは定期通院が必要になりますが、炎症がコントロールできていれば、日常生活の制限を減らしやすいです。
長期的な炎症コントロールの利点
項目 | 利点 |
---|---|
症状の再燃予防 | 症状を軽い状態で維持でき、急激な悪化を回避 |
精神的負担の軽減 | 日常生活への支障が減り、外出や仕事の不安が軽くなる |
身体的負担の軽減 | 痒みや痛みが和らぎ、睡眠の質も向上しやすい |
治療継続の判断 | 病状安定中でも医師と相談しながら投与のタイミングを調整しやすい |
チルドラキズマブは継続的に炎症を抑える作用で、乾癬を含むさまざまな炎症性疾患の症状を和らげる治療薬として利用されます。
使用方法と注意点
チルドラキズマブ(イルミア)は、注射によって体内に投与する薬です。乾癬治療では、外用薬や内服薬、光線療法など多岐にわたる手段がありますが、その中でも生物学的製剤は比較的強力な効果が期待できます。
初回投与と投与頻度
チルドラキズマブは通常、皮下注射で投与します。初回投与後に一定の期間をおいて再度投与し、その後は数か月おきに定期的に注射します。
診療ガイドラインや患者さんの症状に応じてスケジュールは変わる場合がありますが、長期的に症状を管理するために継続投与することが一般的です。
投与スケジュールの例
- 初回:医療機関で医師または看護師が注射
- 数週後:2回目の注射
- その後:12週ごとなど、一定期間をあけて投与継続
患者さんの体重や症状の程度によって投与量が調整されることもあります。
投与前の検査や準備
生物学的製剤を導入する場合、結核やB型肝炎などの感染症スクリーニングを行う必要があります。
これは免疫機能に関わる薬を使うことで、潜在的な感染症が悪化するリスクを事前に確認するためで、検査結果を見ながら、問題がないと判断できたら治療開始となるケースが多いです。
投与にあたって準備しておきたいポイント
チェック項目 | 理由 |
---|---|
結核検査 | 結核が潜在的に存在すると、免疫抑制下で発症リスクが高まる |
B型肝炎ウイルス検査 | 既往感染がある場合、ウイルスが再活性化する可能性あり |
一般血液検査 | 白血球数や肝機能などを確認し、投与の安全性を確かめる |
既存の薬剤チェック | 他の免疫抑制薬との併用リスクを評価する |
検査の結果や他の治療薬との兼ね合いを考慮して、医師がチルドラキズマブの導入を判断します。
生活習慣の調整
チルドラキズマブは比較的感染リスクが上がりにくいとされていますが、風邪やインフルエンザなどの流行時期には注意が必要です。
十分な睡眠やバランスの良い食事、適度な運動を心がけるとともに、手洗いやうがいなどの日常的な感染予防対策を続けましょう。過剰摂取や不規則な生活は免疫バランスを乱す原因になりやすいので、生活習慣にも注意します。
自己注射の可能性
一部の生物学的製剤では患者さん自身が自宅で注射するケースもありますが、チルドラキズマブに関しては基本的に医療機関での投与を行い、医療者が注射部位やアレルギー反応の有無を確認するため、定期的な通院が必要です。
チルドラキズマブ(イルミア)の適応対象となる患者さん
チルドラキズマブ(イルミア)は、主に乾癬の中でも中等症から重症の患者さんを対象に用いられます。これまでの内服薬や外用薬では十分に症状が改善しなかった方、あるいは合併症が気になる方などが考慮の対象です。
中等症から重症の乾癬患者
乾癬の重症度は、病変の広がり(身体の占有率)や症状の強さなどを元に評価します。中等症以上になると外用薬や光線療法だけではコントロールが難しく、全身療法の選択肢として生物学的製剤が検討される場合があります。
チルドラキズマブはIL-23を狙って炎症を抑えるため、病変が広範囲に及ぶ患者さんでも症状の軽減を目指すことが可能です。
乾癬の重症度を判断するときに着目する項目
- 皮膚病変の面積(%)
- 痒みや痛みの程度
- 生活への支障の度合い(睡眠、仕事、外出など)
- 関節症状の有無
これらを総合的に評価し、医師がチルドラキズマブの投与を検討します。
関節症性乾癬の場合
皮膚の症状だけでなく、関節に炎症が及ぶ「関節症性乾癬」の患者さんにもチルドラキズマブは選択肢です。
関節症性乾癬の場合、放置すると変形などが進む可能性があるため、早期の治療が大切で、IL-23を抑えることが、関節の炎症コントロールにもつながります。
関節症性乾癬の特徴的な症状
症状 | 内容 |
---|---|
関節の腫れや痛み | 指や足首などが腫れたり痛んだりする |
こわばり | 朝起きたときなどに関節が動かしにくい |
変形の進行 | 慢性的な炎症により関節の変形が進む |
爪の変化 | 爪の点状陥凹や肥厚が起こりやすい |
関節症性乾癬は、皮膚症状と関節症状を両面から治療する必要があるため、生物学的製剤の役割が大きくなります。
他の治療法で効果不十分だった方
これまでメトトレキサートやシクロスポリンといった内服免疫抑制薬、ステロイド外用薬などを使っても十分に改善がみられなかった場合、生物学的製剤への切り替えを検討します。
チルドラキズマブは高い有効性が認められており、重症乾癬で悩む患者さんの選択肢の1つです。
合併症リスクや副作用プロファイルへの配慮
チルドラキズマブは、TNFα阻害薬など他の生物学的製剤とは作用点が異なるため、個人の合併症リスクや副作用リスクを考慮して選ぶことが多いです。
感染症リスクや心不全などのリスクを抱えている患者さんは、医師とよく相談した上で自分に合った薬を選ぶ必要があります。
チルドラキズマブ(イルミア)の治療期間
チルドラキズマブ(イルミア)は、比較的長期的な投与を視野に入れて使う薬で、乾癬は慢性疾患なので、症状が落ち着いた後も定期的に投与して病状をコントロールすることが一般的です。
初期治療から維持期への移行
投与開始後、早期に症状改善がみられることもありますが、維持治療のフェーズでしっかりコントロールを続けることが大切です。
急に薬を中止すると再燃のリスクが高まる場合があるので、医師と相談しながら定期的に通院し、症状の変化を見極めながら投与間隔や期間を調整します。
維持治療の意義
- 症状の再燃を防ぐ
- 関節症状の進行や新たな皮膚病変の発生を抑える
- 精神的ストレスを軽減し、QOLを向上させる
- 投与間隔の調整や副作用のチェックのため、定期的な医療機関受診が必要
減量や休薬のタイミング
症状が安定してきたら、他の免疫抑制薬と同様に投与量の調整や、休薬の選択肢を検討する場合もありますが、生物学的製剤は投与間隔を延ばすと効果が途切れやすいことがあるため、慎重な判断が必要です。
休薬後に症状が再度悪化するケースもあり、医師と十分なコミュニケーションを図りながら治療方針を決めることが重要になります。
長期使用のメリットとデメリット
チルドラキズマブを長期使用する最大のメリットは、乾癬症状の安定を図りやすい点で、定期的に薬が体内にあることで、急激な再燃を起こしにくいと考えられています。
一方でデメリットは、通院や注射が必要になる負担、医療費負担、感染症リスクの一定の増加などです。
長期使用における主なメリットとデメリット
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
症状コントロール | 病変の拡大や再燃を抑制しやすい | 投与を忘れると効果が途切れやすい |
通院頻度 | 通院スケジュールを組みやすい | 定期通院が必要で負担が増える |
費用 | 保険適用があるため一定の自己負担割合 | 生物学的製剤として費用が高め |
感染症リスク | 過剰免疫を抑えるため自己免疫症状は緩和 | 一部の感染症リスクが増える可能性 |
定期的なモニタリングの重要性
チルドラキズマブは効果と安全性のバランスを取りやすい製剤といわれていますが、投与中も定期的な血液検査や症状のモニタリングが欠かせません。特に感染症の兆候や肝機能、腎機能などに変化がないかを確認していくことが大切です。
副作用やデメリット
どのような薬にも副作用は存在し、チルドラキズマブ(イルミア)も例外ではありません。重篤な副作用は比較的少ないと報告されていますが、投与を続けていく上での注意点を理解しておくことが重要です。
主な副作用の傾向
チルドラキズマブの副作用には、注射部位の反応(発赤、腫れ、痛み)や頭痛、倦怠感、関節痛、消化器症状(下痢や吐き気など)が含まれます。
重篤な副作用はまれですが、アナフィラキシーや重度の感染症リスクがゼロではないため、異常を感じたら早めに医師に相談してください。
副作用のチェックリスト
- 注射部位の痛み・腫れ
- 発熱や悪寒
- 下痢や吐き気などの消化器症状
- 呼吸困難や胸部の圧迫感
- 皮膚発疹やじんましん
体調の変化を細かく観察し、普段と違うと感じたら受診をお勧めします。
感染症リスクへの注意
IL-23を阻害するチルドラキズマブは、免疫全体を極端に抑えるわけではありませんが、多少の免疫調整作用が働くため感染症には注意が必要です。
特に結核やB型肝炎などは治療開始前に検査を行いますが、投与中に風邪やインフルエンザが長引く場合は早めに受診しましょう。
感染症リスクを下げるために意識したいポイント
ポイント | 内容 |
---|---|
手洗い・うがい | 基本的な衛生対策を徹底 |
予防接種 | インフルエンザなど、予防可能な疾病への対策 |
規則正しい生活 | 免疫力を維持し、感染に対抗しやすい状態を保つ |
周囲の感染状況 | 同居家族や職場で流行がある場合、早めに対策 |
対策を並行して行うことで、感染リスクをできるだけ抑えながらチルドラキズマブの治療を続けられる可能性が高まります。
通院・費用・注射の負担
チルドラキズマブは注射製剤なので、定期的に通院して医師または看護師から投与を受ける必要があり、職場や家庭の都合、通院費、時間的負担など、デメリットを感じる部分があります。
また、生物学的製剤のため薬価が比較的高めになりがちです。ただし、公的保険や高額療養費制度などを利用することで、自己負担をある程度抑えられる可能性があります。
他の薬との比較におけるデメリット
TNFα阻害薬やIL-17阻害薬など、同じく乾癬治療に用いられる生物学的製剤が多数あります。チルドラキズマブはIL-23を標的にすることで効果を発揮しますが、患者さんの状態によっては他の製剤のほうがメリットを感じるケースもあります。
デメリットだけでなく、他の薬と比較しながら総合的に検討する姿勢が重要です。
チルドラキズマブ(イルミア)で効果がなかった場合
チルドラキズマブ(イルミア)は多くの患者さんで症状緩和が期待できますが、個人差があり、十分な効果が感じられない方もいます。効果不十分であった場合の対処法や次のステップを理解しておくことが大切です。
効果判定の時期と方法
生物学的製剤は即効性がある場合もありますが、効果判定には一定期間が必要で、IL-23阻害薬であるチルドラキズマブも、数か月単位での効果を評価することが多いです。
症状の変化や血液検査、PASIスコア(乾癬の重症度を示す指標)などを総合的にみて、改善度を判断します。
効果判定に使われる指標
- PASIスコアの変化
- 皮膚病変の広がりや厚みの変化
- 痒みや痛みの自覚症状
- 関節痛の有無(関節症性乾癬の場合)
投与量や投与間隔の見直し
効果が思わしくない場合、まず投与量や投与間隔の調整を検討することがあります。医師が症状や検査値を見極めながら、必要に応じて投与計画を変えるケースがあるため、一度の判定で諦めずに継続的なフォローが大切です。
他の生物学的製剤への切り替え
チルドラキズマブ以外にも、TNFα阻害薬やIL-17阻害薬など多様な生物学的製剤があり、特定の薬で十分な効果が得られない場合、作用機序の異なる別の生物学的製剤へ切り替える選択肢もあります。
乾癬の個々の病態や合併症の有無に合わせたオーダーメイド的な治療が求められることも多いため、医師と相談して治療方針を決めると安心です。
主要な乾癬治療用生物学的製剤の作用点
製剤分類 | 作用標的 | 主な例 |
---|---|---|
TNFα阻害薬 | TNFα | インフリキシマブ、アダリムマブなど |
IL-17阻害薬 | IL-17A、IL-17受容体 | セクキヌマブ、イキセキズマブなど |
IL-23阻害薬 | IL-23p19サブユニット | チルドラキズマブ、グセルクマブなど |
IL-12/23阻害薬 | IL-12、IL-23 | ウステキヌマブ |
他の治療薬との併用禁忌
チルドラキズマブ(イルミア)は、免疫に関与する生物学的製剤で、併用禁忌となる薬は多くはありませんが、原則として複数の生物学的製剤を同時に使うことは避けます。また、免疫抑制作用のある薬との併用には注意が必要です。
生物学的製剤同士の併用
TNFα阻害薬やIL-17阻害薬など、他の生物学的製剤を同時に使うと、重篤な感染症リスクが高まる可能性があるため、一般的に生物学的製剤同士の併用は行わず、どれか1種類の生物学的製剤を選択します。
効果が足りない場合には別のクラスの生物学的製剤に切り替える形が主流です。
免疫抑制薬との併用
メトトレキサートやシクロスポリンなどの免疫抑制薬と生物学的製剤を併用するケースはある程度ありますが、感染症リスクや肝機能・腎機能への影響が増えるおそれがあります。
医師がリスクとベネフィットを比較検討しながら、必要に応じて慎重に併用する場合があります。
免疫抑制薬と併用する場合に気をつけたい点
- 血液検査で肝機能・腎機能を定期的にチェック
- 白血球数や血小板数などの変化を監視
- 感染症兆候の早期発見
- 過度なアルコールやサプリメントの利用に注意
ワクチン接種との関係
生ワクチンは、免疫抑制状態で投与すると副反応が出やすくなったり、ワクチンの効果が十分に得られない可能性があります。
チルドラキズマブ使用中にワクチン接種を検討する場合は、医師に確認しながらスケジュールを調整してください。また、死菌や不活化ワクチンであれば一般的に問題なく接種できる場合が多いです。
サプリメントや漢方薬との併用
チルドラキズマブは特定のサプリメントや漢方薬との併用が厳密に禁じられているわけではありませんが、相互作用によって肝機能や腎機能に負担がかかる可能性もあります。
特に免疫系に影響を与える可能性のあるサプリメントを利用する場合は、事前に医師や薬剤師へ相談するほうが安全です。
チルドラキズマブ(イルミア)の保険適用と薬価について
以下に記載している治療費(医療費)は目安であり、実際の費用は症状や治療内容、保険適用否により大幅に上回ることがございます。当院では料金に関する以下説明の不備や相違について、一切の責任を負いかねますので、予めご了承ください。
保険適用の範囲
現在、チルドラキズマブは中等症から重症の尋常性乾癬、関節症性乾癬などが保険適用の対象です。医師がこれらの病名を診断し、かつチルドラキズマブの使用が必要と判断された場合、健康保険を使って治療を受けられます。
保険適用となる代表的な疾患
疾患名 | 保険適用の有無 |
---|---|
尋常性乾癬(中等症~重症) | 適用あり |
関節症性乾癬 | 適用あり |
他の炎症性疾患 | 保険適用外の場合が多い |
保険適用外の場合は自費診療となり、高額になるケースが大半です。
薬価の目安
チルドラキズマブの薬価は、他の生物学的製剤と同様に高額です。患者さんの体重や投与量によっても変動しますが、1回の注射で数万円から数十万円程度になることがあります。
高額療養費制度の活用
生物学的製剤の費用負担を和らげるために、高額療養費制度が利用できます。この制度は月々の自己負担額が一定以上になると、超過分が戻ってくる仕組みです。
所得区分や年齢、他の医療費との合計などによって自己負担上限額が異なるため、詳しくは医療機関や保険者に確認してください。
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