がんの早期発見は、治療の成功率を高める上で非常に重要です。しかし、健康診断や人間ドックで「がんの疑い」を指摘された時、多くの方が大きな不安を感じ、次に何をすべきか戸惑うことでしょう。
早期発見はゴールではなく、適切な次の行動へのスタートラインです。大切なのは、冷静に状況を把握し、正確な診断を受け、ご自身にとって納得のいく治療を選択することです。
この記事では、がんの疑いを指摘されてから、診断が確定し、治療方針を決定するまでの流れ、そしてセカンドオピニオンの活用法について、順を追って詳しく解説します。
精密検査の流れ
健康診断や検診で異常が見つかった場合、それが本当にがんなのか、がんであればどのような状態なのかを詳しく調べるために「精密検査」を行います。
この段階ではまだ「がんの疑い」であり、確定診断ではありません。
不安な気持ちを抱えることは自然なことですが、まずは正確な情報を得るために、医師の指示に従って検査を進めることが大切です。
精密検査の目的
精密検査の目的は、単に白黒をつけるだけではありません。疑わしい部分の状態を多角的に調べ、今後の対応を決めるための重要な情報を集めます。
がんの疑いの確認
まず、検診などで見つかった異常が、本当にがんによるものなのか、あるいは良性のもの(ポリープや嚢胞など)や炎症など、他の原因によるものなのかを明らかにします。
良性であれば経過観察で済むことも多く、精密検査によって安心を得られる場合もあります。
がんの種類の特定
もしがんだった場合、どのような種類(組織型)のがんなのかを特定します。がんの種類によって、その性質や進行の速さ、有効な治療法が異なります。
この特定は、後の治療方針を決定する上で基礎となる情報です。
主な精密検査の種類
疑われるがんの種類や部位に応じて、さまざまな検査を組み合わせて行います。主治医は、患者さんの体の状態やこれまでの検査結果をもとに、必要な検査を選択します。
画像診断(CT、MRI、PETなど)
体の内部を画像化し、病変の正確な位置、大きさ、形、そして周囲の臓器やリンパ節への広がりを評価します。CT検査はX線を使って体の断面を撮影し、短時間で広範囲の情報を得られます。
MRI検査は強力な磁気を利用し、特に軟部組織(脳、脊髄、肝臓、膵臓、骨盤内臓器など)の詳細な描出に優れています。
PET検査は、がん細胞が正常細胞よりも多くのブドウ糖を取り込む性質を利用し、がんの活動性や全身への広がりを調べる検査です。
内視鏡検査
先端にカメラがついた細い管(内視鏡)を体内に挿入し、食道、胃、大腸などの消化管や、気管支などの内部を直接観察します。
粘膜の微細な変化を詳細に確認できるため、早期がんの発見に非常に有効です。必要に応じて、そのまま組織を採取することもあります。
生検(組織検査)
がんが疑われる部分から組織の一部を採取し、顕微鏡で詳しく調べる検査を「生検」と呼びます。
内視鏡検査や画像診断(CTや超音波)ガイド下で針を刺して行う方法、あるいは手術で組織を採取する方法などがあります。
生検による病理診断は、がんの確定診断を行う上で最も重要な検査の一つです。
検査を受ける際の心構え
精密検査は、結果が判明するまで不安な時間を過ごすことになります。その不安を少しでも和らげ、検査を円滑に進めるためには、いくつかの心構えが助けになります。
検査内容の理解
医師から、なぜその検査が必要なのか、どのような方法で行うのか、検査によってどのようなことが分かるのか、またどのようなリスクや苦痛が伴う可能性があるのかについて、十分に説明を受けましょう。
内容を理解することで、漠然とした不安が軽減されることがあります。
不安の伝え方
検査に対する不安や恐怖を感じることは当然です。痛みや閉所恐怖症など、特に心配なことがある場合は、事前に医師や看護師、検査技師に伝えておきましょう。
鎮静剤の使用や、検査中の声かけなど、不安を和らげるための配慮を受けられる場合があります。
主な精密検査の概要
精密検査には多くの種類がありますが、代表的なものの目的と特徴を理解しておくと、医師の説明も分かりやすくなります。
| 検査名 | 主な目的 | 特徴 |
|---|---|---|
| CT検査 | 病変の位置、大きさ、広がり(リンパ節転移など)の確認 | X線を使用。短時間で広範囲の断面画像を撮影可能。 |
| MRI検査 | 病変の詳細な性状評価、軟部組織(脳、骨盤内など)の観察 | 磁気を利用。放射線被曝なし。CTより時間がかかる。 |
| 内視鏡検査 | 消化管や気管支の粘膜を直接観察、生検のための組織採取 | 微小な病変の発見に優れる。鎮静剤を使用する場合がある。 |

診断確定までの道のり
複数の精密検査の結果を総合的に判断し、最終的な診断を下します。
この診断確定は、単に病名を告げるだけではなく、がんの進行度(病期)を決定し、今後の治療方針を立てるための最も重要な基盤となります。
結果が出るまでには時間がかかることもありますが、正確な診断のためには必要な時間です。
検査結果の統合的な評価
診断は、一つの検査結果だけで決まるものではありません。それぞれの検査が持つ長所と短所を補い合いながら、全体像を組み立てていきます。
画像診断と病理診断
CTやMRIなどの画像診断が「がんがどこに、どの程度広がっているか」という形態的な情報を提供するのに対し、生検による病理診断は「その病変が本当にがん細胞か、どのような性質のがん細胞か」という質的な確定情報を提供します。
これら二つの情報が一致して、初めて正確な診断が可能となります。
複数の専門医による検討
診断の精度を高めるため、多くの病院では「キャンサーボード(腫瘍ボード)」と呼ばれる会議が開かれます。
そこでは、主治医(外科医や内科医)だけでなく、放射線診断医、病理医、放射線治療医など、関連する分野の専門家が集まり、一人の患者さんの検査結果を多角的に検討し、診断と治療方針について議論します。
病理診断(生検)の重要性
画像診断でどれほど強くがんが疑われたとしても、最終的な確定診断は、採取した組織を顕微鏡で調べる病理診断によって行われるのが原則です。
がん細胞の確定
病理医が、組織標本の中に特徴的ながん細胞の顔つきや構造を確認することで、「がんである」という確定診断を下します。
この診断がなければ、治療を開始することはできません。
がんの性質(悪性度など)の判定
がん細胞を詳しく調べることで、そのがんがどの程度の速さで増殖・進行する傾向があるか(悪性度)や、特定の薬剤(分子標的薬や免疫療法薬など)が効きやすいかどうかを示す目印(バイオマーカー)の有無なども判定します。
これは、治療法を選択する上で極めて重要な情報となります。
病期(ステージ)の決定
がんの確定診断と同時に、がんが体内でどの程度進行しているかを示す「病期(ステージ)」を決定します。
病期は通常、ローマ数字でI期(早期)からIV期(進行期)まで分類されます。
がんの進行度の分類
病期は、主に「T因子(原発巣の大きさや深達度)」「N因子(リンパ節への転移の有無と範囲)」「M因子(他の臓器への遠隔転移の有無)」という3つの要素の組み合わせによって決定されます。
早期のがんであれば手術で取り切れる可能性が高い一方、遠隔転移があるIV期では全身に効果が及ぶ薬物療法が治療の中心となるなど、病期によって治療の柱が変わります。
治療方針決定の基盤
病期分類は、世界共通の基準に基づいており、医師が患者さんの状態を客観的に把握し、標準的な治療方針を立てるための共通言語として機能します。
患者さん自身も、ご自身の病期を知ることで、病状と治療の必要性について理解を深めることができます。
病期(ステージ)分類の主な要素
がんの進行度を示す病期は、複数の要素を組み合わせて総合的に判断されます。
| 分類因子 | 評価する内容 | 主な評価方法 |
|---|---|---|
| T因子 | がんが最初に発生した場所(原発巣)での大きさや、周囲への広がりの程度 | 画像診断(CT, MRI)、内視鏡検査 |
| N因子 | 原発巣の近くにあるリンパ節への転移の有無、およびその範囲や個数 | 画像診断(CT, PET)、リンパ節生検 |
| M因子 | がんが原発巣から離れた他の臓器(肺、肝臓、骨など)へ転移(遠隔転移)しているか | 画像診断(CT, PET)、骨シンチグラフィ |

治療選択肢の検討
診断が確定し、病期が決定すると、次はいよいよ具体的な治療方針を検討する段階に入ります。現代のがん治療は多様化しており、一つの正解があるわけではありません。
医師からの説明に基づき、患者さんご自身の状況や価値観も踏まえて、納得のいく選択をすることが重要です。
標準治療の理解
まず、医師から提示されるのは「標準治療」です。これは、現在利用できる治療法の中で、科学的な証拠に基づいて最も効果が高いと推奨される治療法を指します。
科学的根拠に基づく治療法
標準治療は、多くの臨床試験の結果から、安全性と有効性が確認された治療法です。がんの種類や病期ごとに、国内外の専門家によって作成された「診療ガイドライン」で推奨されています。
決して「並の治療」という意味ではなく、現時点で最良と考えられる治療法です。
手術(外科治療)
がん組織とその周囲の組織を物理的に切除する治療法です。がんが特定の臓器にとどまっている早期の場合、根治(完全に治すこと)を目指すための最も基本的な治療となります。
体の状態によっては、腹腔鏡手術やロボット支援手術など、体への負担が少ない方法を選択できる場合もあります。
放射線治療
高エネルギーの放射線をがん細胞に照射し、がんを死滅させる治療法です。手術と同様に、特定の部位のがんを治療する「局所療法」の一つです。
臓器の機能や形態を温存できる利点があり、手術が難しい場合や、手術後の再発予防、症状緩和のためにも用いられます。
薬物療法
薬剤(飲み薬や点滴)を用いて、全身のがん細胞を攻撃する治療法です。
「化学療法(抗がん剤)」のほか、近年では、がん細胞の特定の分子だけを狙い撃ちする「分子標的薬」や、自身の免疫力を高めてがんを攻撃する「免疫療法(免疫チェックポイント阻害薬など)」も薬物療法の大きな柱となっています。
手術前後や放射線治療と組み合わせて行うことも、進行・再発がんに対する中心的な治療として行うこともあります。
患者さんの状態と希望の考慮
標準治療が推奨される一方で、実際の治療法は、患者さん一人ひとりの個別の状況を考慮して決定します。
年齢や全身状態
同じがん、同じ病期であっても、患者さんの年齢、体力、持病(心臓病や糖尿病など)の有無によって、耐えられる治療は異なります。
特に手術や強力な化学療法は、体に大きな負担がかかるため、その適応は慎重に判断します。
生活の質(QOL)
治療によって、一時的あるいは永続的に生活の質(Quality of Life)が低下する可能性もあります。例えば、手術による臓器の機能喪失や外見の変化、薬物療法の副作用(脱毛、吐き気、だるさなど)です。
治療による延命効果と、生活の質とのバランスをどのように考えるかは、個人差が大きい部分です。
価値観やライフスタイル
治療中も仕事を続けたい、家族との時間を最優先したい、副作用は最小限にしたいなど、患者さんご自身が何を大切にしているかという価値観やライフスタイルも、治療選択において重要な要素です。
ご自身の希望を医師に率直に伝えることが大切です。
インフォームド・コンセント
治療方針は、医師が一方的に決めるものではありません。
「インフォームド・コンセント」とは、患者さんが医師から十分な説明を受け、それを正しく理解した上で、ご自身の意思で治療に同意することを意味します。
十分な説明と理解
医師は、診断結果、病状、提案する治療法の内容、その治療法によって期待できる効果、起こりうる副作用や合併症、そして他の治療選択肢や治療を受けなかった場合の見通しなどについて、分かりやすく説明する責任があります。
一度で理解できなくても、納得できるまで何度でも質問しましょう。
治療への同意
説明内容を家族とも相談し、最終的にその治療を受けるかどうかをご自身の意思で決定します。
この合意形成の営みこそが、主体的にがんと向き合い、治療に取り組んでいくための第一歩となります。
主な標準治療の比較
がんの3大治療法である手術、放射線治療、薬物療法は、それぞれ異なる特徴を持ち、がんの状態に応じて使い分けられます。
| 治療法 | 治療の対象 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 手術(外科治療) | がんが発生した臓器とその周辺(局所) | がん組織を物理的に切除する。早期がんの根治に有効。 |
| 放射線治療 | がんが発生した臓器とその周辺(局所) | 放射線でがん細胞を攻撃。臓器の機能・形態を温存しやすい。 |
| 薬物療法 | 全身(転移したがんも含む) | 薬剤が血流に乗り全身のがん細胞に作用。種類が多様化。 |

セカンドオピニオンの活用
診断や治療方針について、主治医以外の医師の意見を聞くことを「セカンドオピニオン」と呼びます。これは患者さんの正当な権利であり、納得して治療に進むための重要な手段の一つです。
主治医との関係を気にしてためらう必要は全くありません。
セカンドオピニオンとは
セカンドオピニオンは、病院や医師を変える「転院」とは異なります。
あくまでも、現在の主治医のもとで治療を受けることを前提に、他の専門医に「意見」を聞きに行くことです。
主治医以外の医師の意見
現在の診断や治療方針が妥当かどうか、また、他にどのような治療の選択肢があり得るかについて、専門的な立場から客観的な意見をもらいます。
多くの場合、最初の診断や治療方針が追認されますが、それによって患者さんは「この方針で間違いない」という確信と安心感を得ることができます。
診断や治療方針の確認
まれに、診断が見直されたり、異なる治療法(例えば、手術ではなく放射線治療や薬物療法、あるいはその逆)が提案されたりすることもあります。
複数の専門家の意見を聞くことで、より多角的な視点からご自身の病状を理解できます。
セカンドオピニオンを受ける時期
セカンドオピニオンは、どの段階でも受けることができますが、特に有効な時期があります。
診断がついた時
がんという重い診断を受け止めきれない時や、本当にその診断で正しいのかを確認したい時に、セカンドオピニオンは心の支えになります。
特に希少がんなど、診断が難しいとされる場合に有効です。
治療選択に迷う時
主治医から複数の治療選択肢を提示されたが、どれを選べばよいか決めかねている時、あるいは提示された治療法(例えば、大きな手術など)を受ける決心がつかない時に、他の医師の意見が判断材料となります。
準備するもの
セカンドオピニオンを円滑に進めるためには、事前の準備が必要です。セカンドオピニオンは原則として自費診療(健康保険適用外)となります。
主治医からの紹介状
セカンドオピニオンを受けたい旨を主治医に伝え、「診療情報提供書(紹介状)」を作成してもらいます。
これには、これまでの経過、診断、検査結果、主治医の治療方針などが記載されています。
検査データ(画像、病理レポートなど)
CTやMRIなどの画像データ(CD-Rなど)、内視鏡写真、血液検査の結果、そして最も重要な病理診断の報告書(レポート)やプレパラート(組織標本)などを、現在の病院から借り受けます。
これらの客観的なデータがなければ、セカンドオピニオンの医師も正確な判断ができません。
セカンドオピニオンで確認したい点の例
限られた時間で的確な意見をもらうため、事前に質問したいことを整理しておくとよいでしょう。
- 現在の診断(がんの種類、病期)は妥当か
- 主治医から提示された治療方針は妥当か
- 提示された治療法以外の選択肢はあるか
- それぞれの治療法の利点と欠点、予想される経過
主治医との関係
セカンドオピニオンを申し出ることで、主治医の気分を害するのではないかと心配する方もいますが、その必要はありません。
セカンドオピニオンは権利
インフォームド・コンセントの考え方が普及した現在、多くの医師はセカンドオピニオンを患者さんの当然の権利として理解しており、むしろ患者さんが主体的に治療に関わろうとする姿勢を肯定的に捉えています。
ためらわずに申し出ましょう。
意見を持ち帰り主治医と再度相談
セカンドオピニオンで得た意見書(報告書)を主治医に見せ、その内容について再度話し合います。
異なる意見が示された場合でも、それぞれの意見の根拠を主治医とよく検討し、最終的にご自身が最も納得できる治療法を選択することがゴールです。
セカンドオピニオンの準備
セカンドオピニオンは、主治医から提供される正確な情報に基づいて行われます。
| 準備するもの | 入手先・作成者 | 目的・内容 |
|---|---|---|
| 診療情報提供書(紹介状) | 現在の主治医 | これまでの経過、診断根拠、主治医の治療方針を伝える。 |
| 各種検査データ | 現在の病院 | 画像(CT, MRI等)、病理レポート、血液検査結果など客観的データ。 |
| 質問事項のメモ | 患者さん自身・家族 | 疑問点や特に聞きたいことを整理し、聞き忘れを防ぐ。 |

よくある質問
がんの診断や治療に関しては、多くの方が共通の疑問や不安を抱えます。ここでは、代表的な質問にお答えします。
- 精密検査は痛いですか?
-
検査によります。CTやMRI、PET検査の多くは、横になっているだけで痛みを感じることはほとんどありません(ただし、造影剤の注射やMRIの閉塞感、大きな音が苦手な方はいらっしゃいます)。
内視鏡検査(胃カメラや大腸カメラ)は、挿入時に苦痛を感じることがありますが、近年では鎮静剤を使用して、眠っている間やぼんやりしている間に検査を終える病院がほとんどです。
生検(組織採取)は、局所麻酔をしたり、内視鏡検査中に鎮静剤が効いている状態で行ったりするため、強い痛みを感じることは少ないです。
不安が強い場合は、遠慮なく医師や看護師に伝えてください。
- がんと診断されたら、すぐに治療を始める必要がありますか?
-
「がん」と一言でいっても、非常にゆっくり進行するものから、急速に進行するものまで様々です。
白血病や悪性リンパ腫の一部など、迅速な治療開始が求められるがんもありますが、多くのがん(特に早期の固形がん)では、診断から治療開始までに数週間程度の時間があっても、治療成績に大きな影響はありません。
むしろ、その間に正確な病期診断を行ったり、セカンドオピニオンを受けたり、ご自身の心の準備をしたりする時間を持つことの方が重要です。
ただし、前立腺がんの一部のように、非常にゆっくり進行するため、すぐに治療せず「監視療法」を選択する場合もあります。主治医と治療開始の適切な時期についてよく相談してください。
- 治療費はどのくらいかかりますか?
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がんの治療費は、手術、放射線治療、薬物療法など、治療法の内容や期間によって大きく異なります。
しかし、日本には国民皆保険制度があり、標準治療の多くは健康保険が適用されるため、自己負担は原則1割から3割です。
さらに、「高額療養費制度」があり、1か月の医療費の自己負担額が一定の上限額(所得によって異なります)を超えた場合、その超えた分が後から払い戻されます。
事前に「限度額適用認定証」の交付を受けておけば、病院窓口での支払いを上限額までにとどめることも可能です。
まずはご加入の健康保険(協会けんぽ、組合健保、市区町村の国保窓口など)に相談してみましょう。また、病院のがん相談支援センターでも、医療費に関する相談ができます。
- 仕事や生活はどうなりますか?
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かつては、がんと診断されると仕事をやめなければならないと考える方も多かったですが、現在は治療法の進歩により、多くの方が仕事や日常生活と治療を両立しています。
特に薬物療法や放射線治療は、通院で行える場合が増えました。
治療による副作用や体力低下の程度は個人差がありますが、勤務形態の調整(短時間勤務、在宅ワークなど)や、職場の上司・同僚の理解を得ることで、両立は十分に可能です。
病院のがん相談支援センターには、社会保険労務士などの専門家がおり、仕事と治療の両立に関する具体的なアドバイス(傷病手当金などの社会制度の活用法も含む)も行っています。
一人で抱え込まず、利用できるサポートを活用することが大切です。
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