部位別の特徴的症状– category –

がんの症状と早期発見部位別の特徴的症状

がんは、体のさまざまな部位に発生する可能性があり、その症状も発生部位によって大きく異なります。

初期段階では自覚症状がほとんどないことも多く、気づいたときには進行しているケースも少なくありません。

しかし、部位ごとの特徴的な症状やリスク要因を知ることは、早期発見と予防行動につながる第一歩です。

この記事では、主ながんを部位別に分類し、それぞれどのような症状が現れやすいのか、またどのような要因が発症リスクを高めるのかを分かりやすく解説します。

消化器系がんの症状

消化器系のがんは、食物の通り道である食道、胃、大腸(結腸・直腸)や、消化を助ける肝臓、膵臓(すいぞう)などに発生します。

これらのがんは、食生活との関連が深いものが多く、初期症状が「胃もたれ」や「便秘」など、日常的な不調と似ているため注意が必要です。

食道がん

食道がんは、食べ物が通過する食道の粘膜から発生します。初期段階では症状がほとんどありませんが、進行すると食べ物を飲み込む際の違和感やつかえ感、しみるような痛みが出現します。

さらに進行すると、声のかすれ(嗄声)や胸部・背中の痛み、体重減少などが現れます。主なリスク要因として、熱い飲食物の摂取習慣、喫煙、過度な飲酒が挙げられます。

特に喫煙と飲酒は、相乗的にリスクを高めることが知られています。

胃がん

胃がんは、胃の粘膜に発生します。

初期には特有の症状は出にくいですが、みぞおちの痛み、胃の不快感、食欲不振、吐き気などが続く場合は注意が必要です。

進行すると、黒色便(タール便)や貧血、体重減少が見られます。胃がんの最も大きなリスク要因は、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の持続感染です。

その他、高塩分食品の摂取、喫煙もリスクを高めます。ピロリ菌の除菌治療は、胃がん予防に重要です。

大腸がん(結腸がん・直腸がん)

大腸がんは、結腸または直腸の粘膜から発生します。日本人において増加傾向にあるがんです。

初期症状としては、便に血が混じる(血便・下血)、便通の異常(便秘や下痢を繰り返す)、残便感、腹部の張りなどがあります。貧血や体重減少は、進行した段階で現れることが多い症状です。

リスク要因には、動物性脂肪や赤肉(牛・豚・羊など)の過剰摂取、食物繊維の摂取不足といった食生活、肥満、運動不足、喫煙、過度な飲酒があります。

また、家族歴(遺伝的要因)も関与します。

肝臓がん

肝臓がんは、肝細胞ががん化する「肝細胞がん」と、肝臓内の胆管ががん化する「肝内胆管がん」に大別されます。日本の肝細胞がんの多くは、B型またはC型肝炎ウイルスの持続感染が背景にあります。

症状は初期にはほとんどなく、「沈黙の臓器」と呼ばれます。進行すると、腹部のしこり、圧迫感、痛み、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、腹水(お腹に水がたまる)、むくみ、倦怠感などが現れます。

肝炎ウイルスのほか、過度な飲酒によるアルコール性肝障害や、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)もリスク要因です。

膵臓がん

膵臓がんは、発見が難しく進行が早い「難治がん」の一つとされます。初期症状はほとんどなく、進行してくると腹痛(特に背中側に響く痛み)、食欲不振、体重減少、黄疸などが現れます。

急に糖尿病を発症したり、糖尿病が急激に悪化したりした場合、膵臓がんが隠れている可能性も考えます。

明確な原因は不明な点も多いですが、リスク要因として喫煙、過度な飲酒、肥満、慢性膵炎、糖尿病、家族歴が挙げられます。

消化器系のがん リスクと初期サイン

がんの種類主な原因・リスク注意すべき初期のサイン
胃がんピロリ菌感染、高塩分食、喫煙みぞおちの不快感、食欲不振
大腸がん食生活(高脂肪・低繊維)、肥満血便、便通異常(便秘・下痢)
肝臓がん肝炎ウイルス(B型・C型)、アルコール初期症状は稀、進行で倦怠感・黄疸

呼吸器系がんの症状

呼吸器系のがんは、主に空気の通り道である気管支や、酸素交換を行う肺に発生します。

この中でも特に肺がんは、がんによる死亡原因の上位を占めており、その原因の多くは喫煙と関連しています。

肺がん

肺がんは、気管支や肺胞の細胞から発生します。

肺がんは、がん細胞の形状によって「小細胞肺がん」と「非小細胞肺がん」に大別されます。

非小細胞肺がんはさらに腺がん、扁平上皮がんなどに分類されます。初期症状は出にくいですが、最も多い症状は咳(特に乾いた咳が長く続く)や痰、血痰(痰に血が混じる)です。

進行すると、胸の痛み、息切れ、動悸、声のかすれ、体重減少などが現れます。最大の原因は喫煙であり、受動喫煙もリスクを高めます。

その他、アスベスト(石綿)への曝露や大気汚染、加齢も要因となります。

小細胞肺がん

小細胞肺がんは、増殖が非常に速く、早期から他の臓器へ転移しやすい特徴があります。喫煙との関連が極めて強いがんです。

症状の進行が速いため、診断時にはすでに広がっていることも少なくありません。

非小細胞肺がん

非小細胞肺がんは、肺がんの中で最も多くを占めます。腺がんは、喫煙していない人(特に女性)にも発生することがあります。

扁平上皮がんは、太い気管支に発生しやすく、喫煙との関連が強いです。非小細胞肺がんは、小細胞肺がんに比べると比較的ゆっくり進行する傾向があります。

中皮腫

中皮腫は、肺を覆う胸膜や腹部臓器を覆う腹膜などに発生する稀ながんです。その発生の多くは、過去のアスベスト曝露が原因です。

アスベストを吸い込んでから数十年という非常に長い潜伏期間を経て発症します。症状は、胸膜に発生した場合は息切れ、胸の痛み、咳など、腹膜の場合は腹部の張り、腹痛、食欲不振などが現れます。

呼吸器系のがんの主な症状

症状関連するがん(主に)特徴
長引く咳・血痰肺がん風邪と間違えやすいが、2週間以上続く場合は注意
胸痛・息切れ肺がん、中皮腫がんが胸膜や周辺組織に広がると出現しやすい
声のかすれ肺がんがんが声帯を調節する神経(反回神経)に影響すると起こる

泌尿器系がんの症状

泌尿器系のがんは、尿を生成する腎臓、尿の通り道である尿管、尿を溜める膀胱、そして男性特有の臓器である前立腺などに発生します。

血尿は、この系統のがんに共通する重要なサインの一つです。

腎臓がん(腎細胞がん)

腎臓がんは、腎臓の尿細管という部分の細胞ががん化するもので、多くは「腎細胞がん」です。初期症状はほとんどなく、健康診断などの超音波(エコー)検査で偶然発見されるケースが増えています。

進行した場合の典型的な症状は、血尿(肉眼でわかる赤い尿)、背中や腰の痛み、腹部のしこりです。しかし、これら3つの症状がそろうことは稀です。

リスク要因としては、喫煙、肥満、高血圧などが挙げられます。

膀胱がん

膀胱がんは、尿を一時的に溜める袋である膀胱の内側(尿路上皮)から発生します。

最も多く、かつ重要な初期症状は「痛みを伴わない肉眼的な血尿」です。血尿は一度きりで止まることもありますが、放置してはいけません。

進行すると、頻尿、排尿時の痛み、残尿感など、膀胱炎に似た症状が現れます。最大の原因は喫煙であり、非喫煙者に比べて発症リスクが数倍高いとされます。

また、特定の化学物質(芳香族アミンなど)を扱う職業に従事していた経歴もリスク要因となります。

前立腺がん

前立腺がんは、男性の膀胱のすぐ下にある前立腺に発生します。高齢の男性に多く、近年増加傾向にあります。初期段階では症状はほとんどありません。

がんが進行して前立腺が大きくなると、尿道を圧迫し、「尿が出にくい」「排尿に時間がかかる」「頻尿(特に夜間)」「残尿感」などの排尿障害が起こります。

さらに進行して骨に転移すると、腰痛などの痛みが現れます。リスク要因としては、加齢が最も大きく、その他に家族歴、食生活(動物性脂肪の過剰摂取)などが関連すると考えられています。

泌尿器系のがんのリスク比較

がんの種類主なリスク要因典型的な症状
腎臓がん喫煙、肥満、高血圧初期は無症状、進行すると血尿・腰痛
膀胱がん喫煙(最大のリスク)、化学物質痛みのない血尿、頻尿
前立腺がん加齢、家族歴、食生活初期は無症状、進行すると排尿困難

婦人科系がん・乳がんの症状

女性特有のがんとして、子宮、卵巣などに発生する婦人科系のがんや、乳房に発生する乳がんがあります。

これらのがんは、ホルモンの影響を受けるものも多く、早期発見には定期的な検診が非常に重要です。

子宮頸がん

子宮頸がんは、子宮の入り口(頸部)に発生します。主な原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の持続感染です。

HPVは性交渉によって感染する一般的なウイルスですが、そのうちの特定の型が持続感染するとがん化することがあります。

初期症状はほとんどなく、進行すると不正出血(特に性交渉時の出血)やおりものの異常(色、匂い、量の変化)が現れます。検診(子宮頸部細胞診)による早期発見が可能です。

HPVワクチンは、主な原因となる型のHPV感染を防ぐ効果が期待できます。

子宮体がん

子宮体がんは、子宮の奥(体部)の内膜から発生します。「子宮内膜がん」とも呼ばれます。最も多い症状は「不正出血」です。

特に閉経後に少量の出血が続く場合は、速やかな受診が必要です。閉経前であっても、月経不順や月経血量の増加などがみられます。

このがんは、女性ホルモン(エストロゲン)が長期間作用することが発生に関与しており、出産経験がない人、肥満、糖尿病、高血圧の人でリスクが高いとされます。

卵巣がん

卵巣がんは、卵巣に発生するがんです。初期症状が非常に現れにくく、「サイレント・オーガン(静かな臓器)」のがんとも呼ばれます。

進行して腫瘍が大きくなると、腹部の張り(膨満感)、下腹部痛、食欲不振、頻尿などの症状が出ますが、これらは他の病気と区別がつきにくい症状です。

そのため、診断時には進行していることが多いのが特徴です。発生原因は完全には解明されていませんが、出産歴がないこと、家族歴(特に乳がんや卵巣がん)などがリスク要因と考えられています。

乳がん

乳がんは、乳房の乳腺組織に発生します。日本人女性が最もかかりやすいがんです。最も多い症状は、乳房の「しこり」です。

その他、乳房のくぼみ、皮膚のひきつれ、乳頭からの分泌物(特に血液が混じったもの)、乳頭のただれや陥没などもサインとなります。

乳がんのリスク要因は、女性ホルモン(エストロゲン)にさらされる期間が長いこと(初経が早い、閉経が遅い、出産経験がないなど)のほか、閉経後の肥満、飲酒、喫煙、家族歴などが挙げられます。

定期的なセルフチェックとマンモグラフィなどの検診が早期発見に重要です。

婦人科系・乳がんの主なリスク

がんの種類主な原因・リスク検診の重要性
子宮頸がんヒトパピローマウイルス(HPV)感染定期的な細胞診で前がん状態での発見が可能
子宮体がんホルモンバランス(エストロゲン)、肥満不正出血(特に閉経後)があればすぐに受診
乳がん女性ホルモン、家族歴、肥満、飲酒セルフチェックと定期検診(マンモグラフィ等)が鍵

血液がんの症状

血液がんは、血液、骨髄、リンパ系組織に由来するがんです。白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などが含まれます。

これらのがんは、固形がん(かたまりを作るがん)とは異なり、血液やリンパの流れに乗って全身に広がりやすい性質を持ちます。

白血病

白血病は「血液のがん」と呼ばれ、骨髄で異常な血液細胞(がん化した白血球)が際限なく増殖する病気です。

異常な細胞が増えることで、正常な赤血球、白血球、血小板が作られなくなります。症状は、正常な血液細胞の減少によります。

赤血球減少による貧血(だるさ、息切れ、動悸)、白血球減少による免疫力低下(発熱、感染症にかかりやすい)、血小板減少による出血傾向(鼻血、歯茎からの出血、あざができやすい)などが現れます。

悪性リンパ腫

悪性リンパ腫は、血液中の白血球の一種であるリンパ球ががん化する病気です。主にリンパ節、脾臓、扁桃腺などのリンパ系組織で発生しますが、全身のあらゆる臓器に発生する可能性があります。

最も多い症状は、首、脇の下、足の付け根などのリンパ節の腫れです。通常、痛みは伴いません。

進行すると、原因不明の発熱(38度以上)、体重減少(半年で10%以上)、ひどい寝汗(盗汗)といった全身症状が現れることがあります。

多発性骨髄腫

多発性骨髄腫は、骨髄に存在する「形質細胞」というリンパ球ががん化する病気です。がん化した骨髄腫細胞は、骨を破壊したり、異常なタンパク質(Mタンパク)を産生したりします。

主な症状は、骨の痛み(特に腰や背中)、骨折(軽い衝撃でも折れる病的骨折)、貧血による倦怠感、腎機能の低下、高カルシウム血症(意識障害、喉の渇き)などです。

血液がんの共通する兆候

兆候関連するがん体の変化
貧血症状(だるさ・息切れ)白血病、多発性骨髄腫正常な赤血球が作れなくなるため
出血傾向(あざ・鼻血)白血病正常な血小板が作れなくなるため
リンパ節の腫れ悪性リンパ腫がん化したリンパ球がリンパ節で増殖するため

皮膚がんの症状

皮膚がんは、体の表面を覆う皮膚に発生するがんです。日光(紫外線)にさらされる顔や手足に発生しやすいものが多いですが、全身のどこにでも発生する可能性があります。

ほくろやシミと見分けがつきにくい場合があるため、皮膚の変化には日頃から注意を払うことが大切です。

悪性黒色腫(メラノーマ)

悪性黒色腫(メラノーマ)は、皮膚の色素(メラニン)を作る細胞(メラノサイト)ががん化したものです。ほくろのがんとも呼ばれますが、新しくできることの方が多いです。

足の裏や手のひら、爪など、紫外線が当たりにくい場所にも発生します。

形が左右非対称、境界がギザギザしている、色が均一でない(濃淡がある)、大きさが拡大する(直径6mm以上)、隆起してくる、といった特徴があります。

進行が速く、早期から転移しやすいため、非常に注意が必要です。

基底細胞がん

基底細胞がんは、皮膚がんの中で最も発生頻度が高いがんです。主に高齢者の顔面(特に鼻、まぶた、耳の周囲)など、日光に当たりやすい部位に発生します。

黒色または褐色の小さなしこりとして始まり、ゆっくりと大きくなります。中心部が潰瘍(かいよう)になり、じくじくしたり、出血しやすくなったりすることがあります。

進行は非常にゆっくりで、転移することは稀ですが、局所での破壊性が強い特徴があります。

有棘細胞がん

有棘細胞(ゆうきょくさいぼう)がんは、皮膚の表皮にある有棘細胞から発生します。基底細胞がんと同様に、日光に長期間さらされた顔や手の甲などに発生しやすいです。

また、やけどの痕(瘢痕)や長期間治らない潰瘍、放射線治療の痕から発生することもあります。

症状は、赤みを帯びたしこりや、表面がカサカサして剥がれやすい病変、治りにくい潰瘍などさまざまです。進行すると転移する可能性もあります。

皮膚がんのセルフチェックポイント

チェック項目内容特に注意すべき点
形状と境界形が非対称、境界がギザギザ悪性黒色腫の疑い
色が均一でなく濃淡がある、黒い悪性黒色腫、基底細胞がん
変化急に大きくなる、隆起する、出血するすべてのがんで注意が必要

その他の部位のがん症状

これまで分類してきた以外にも、がんは体のあらゆる場所に発生します。脳、内分泌器官である甲状腺、あるいは口からのど(頭頸部)も例外ではありません。

これらの部位のがんは、発生場所に応じた特有の機能障害を引き起こします。

脳腫瘍

脳腫瘍は、頭蓋骨の内部に発生する腫瘍の総称で、脳自体から発生する「原発性脳腫瘍」と、他の臓器のがんが転移してきた「転移性脳腫瘍」があります。

症状は、腫瘍が大きくなることで頭蓋骨内部の圧力が高まること(頭蓋内圧亢進)による症状と、腫瘍が発生した場所の脳機能が障害されること(局所症状)に分けられます。

代表的な症状は、持続する頭痛(特に朝方に強い)、吐き気・嘔吐、けいれん発作、視力障害などです。局所症状としては、手足の麻痺、言語障害、記憶障害などが現れます。

甲状腺がん

甲状腺がんは、首の前部、喉仏の下にある甲状腺に発生します。甲状腺は、体の新陳代謝を調節するホルモンを分泌する臓器です。多くは進行がゆっくりで、比較的おとなしい性質のがんです。

初期症状はほとんどなく、首のしこりや腫れとして気づくことが多いです。健康診断などで偶然発見されることもあります。

進行すると、しこりが大きくなり、声を出す神経を圧迫して声がかすれたり、食べ物が飲み込みにくくなったり、呼吸困難感が現れたりします。

頭頸部がん

頭頸部(とうけいぶ)がんは、脳と目を除く、首から上の領域(鼻、口、のど(咽頭・喉頭)、唾液腺など)に発生するがんの総称です。発生部位によって症状が異なります。

例えば、喉頭がんでは声のかすれ、咽頭がんでは飲み込むときの違和感や痛み、舌がんでは口内炎と間違えやすいしこりや潰瘍、鼻腔のがんでは鼻詰まりや鼻血などが現れます。

共通する主なリスク要因は、喫煙と過度な飲酒です。特にこの二つは、相乗的にリスクを高めます。

その他の部位のがんの注意点

がんの種類主な症状関連するリスク
脳腫瘍持続する頭痛、けいれん、手足の麻痺家族歴、過去の放射線治療など
甲状腺がん首のしこり、声のかすれ(進行時)放射線被曝(特に若年期)、家族歴
頭頸部がん声がれ、飲み込みにくさ、口内のしこり喫煙、過度な飲酒

がんに関するよくある質問

がんの症状や原因について、多くの方が抱く疑問にお答えします。

がんの初期症状は必ず出ますか?

いいえ、必ずしも出るとは限りません。多くのがん、特に胃がん、大腸がん、肺がん、卵巣がんなどは、初期段階では自覚症状がほとんどないことが多いです。

症状が現れたときには、すでに進行している場合も少なくありません。だからこそ、症状がなくても定期的にがん検診を受けることが、早期発見のために非常に重要です。

がんのリスク要因とは何ですか?

リスク要因とは、がんの発生確率を高める可能性のある要素のことです。これは「原因」とは少し異なります。

例えば、喫煙は肺がんの強力なリスク要因ですが、喫煙者全員が肺がんになるわけではありません。

主なリスク要因には、喫煙、過度な飲酒、不健康な食生活、運動不足、肥満、ウイルスや細菌の感染(ピロリ菌、肝炎ウイルス、HPVなど)、紫外線、放射線、遺伝的な要因などがあります。

これらのリスクを避ける(または管理する)ことが、がんの予防につながります。

遺伝とがんの関係は

一部のがん(乳がん、卵巣がん、大腸がんなど)では、特定の遺伝子の変異が親から子へ受け継がれ、がんになりやすい体質(遺伝性腫瘍)となることがあります。

ただし、遺伝的な要因が関与するがんは、全体のがんのうちのごく一部です。ほとんどのがんは、遺伝ではない後天的な要因(生活習慣や環境要因)が積み重なって発生します。

血縁者に特定のがんになった人が多い場合は、医療機関で相談することも一つの選択肢です。

症状があればすぐにがんと診断されますか

いいえ、症状があるからといって、すぐにがんと診断されるわけではありません。

例えば、咳が続けば肺がんの可能性も考えますが、まずは気管支炎や喘息など、他のはるかに頻度の高い病気を疑います。

血尿があれば膀胱がんを疑いますが、膀胱炎や尿路結石の可能性もあります。気になる症状がある場合、まずはかかりつけ医を受診し、必要な検査(血液検査、画像検査、内視鏡検査など)を受けます。

最終的にがんの診断を確定するには、病変の一部を採取して顕微鏡で調べる「病理診断」が必要です。

がんの早期発見の方法

この記事では、がんの部位ごとの症状やリスク要因に焦点を当てて解説しました。しかし、多くのがんは初期症状が出にくいため、症状がない段階でいかに早く見つけるかが重要です。

がん検診にはどのような種類があるのか、どのような人が検診を受けるべきなのか、そして日常生活でできるセルフチェックの方法とは。

がんの兆候を見逃さず、早期の対応につなげるための具体的な行動について、別の記事で詳しく解説しています。ご自身の健康を守るために、ぜひ「がんの早期発見の方法」もお読みください。

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