「がん」と聞くと、多くの人が生活習慣や遺伝を思い浮かべるかもしれません。しかし、特定のがんの原因として「ウイルス感染」が大きく関わっていることは、まだ広く知られていないかもしれません。
この記事では、がんの発生に関わるウイルスや細菌に焦点を当て、その種類、感染経路、そして予防や早期発見の重要性について、国立がん研究センターなどの情報も参考にしながら、分かりやすく解説します。
ご自身や大切な方の健康を守るための一助となれば幸いです。
がんの原因は生活習慣だけではない – 忍び寄るウイルスの影
がんの発生には様々な要因が複雑に関与していますが、その中でも感染症は決して無視できない要因の一つです。
日本では、がんの原因の約2割はウイルスや細菌などの感染によるものと考えられています。これは、喫煙に次いで多い原因とされています。
つまり、特定の感染症を予防したり、早期に治療したりすることで、将来のがんのリスクを減らせる可能性があるのです。
この記事では、特にウイルス感染とがんの深い関係に焦点を当てていきます。
感染症が引き起こすがんとは
ウイルスや細菌が体内に侵入し、長期間にわたって感染が続く(慢性感染)と、細胞に異常が起きやすくなります。
ある種のウイルスは、細胞の設計図である遺伝子に傷をつけたり、細胞が異常に増殖するよう仕向けたりします。また、感染によって引き起こされる慢性的な炎症が、がんの発生を促すこともあります。
しかし、感染した人すべてががんになるわけではありません。多くの場合、私たちの体に備わった免疫の力でウイルスは排除されます。
がんの発生には、ウイルスの種類、感染期間、そして個人の免疫状態などが複雑に関係します。
主な感染症由来のがん
| 病原体 | 関連する主ながん |
|---|---|
| ヒトパピローマウイルス (HPV) | 子宮頸がん、中咽頭がん、肛門がん |
| B型肝炎ウイルス (HBV) | 肝臓がん |
| C型肝炎ウイルス (HCV) | 肝臓がん |
| ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌) | 胃がん |
| EBウイルス (EBV) | 上咽頭がん、悪性リンパ腫の一部 |
これだけは知っておきたい – がんに関連する代表的なウイルス一覧
がんの原因となりうるウイルスは複数存在しますが、ここでは特に日本人に深く関わる代表的なものを紹介します。
これらのウイルスの特徴や感染経路を知ることは、ご自身やご家族の健康を守る第一歩となります。どのようなウイルスがあり、どういったがんのリスクにつながるのかを正しく理解しましょう。
日本人に特に関わりの深いウイルス
日本におけるがんの原因として重要なウイルスには、ヒトパピローマウイルス(HPV)、B型およびC型肝炎ウイルス、EBウイルスなどが挙げられます。
これらのウイルスは、それぞれ異なる経路で感染し、特定の臓器にがんを発生させるリスクを持っています。感染経路を正しく理解し、適切な予防策を講じることが重要です。
がん関連ウイルスの概要
| ウイルス名 | 主な感染経路 | 関連するがん |
|---|---|---|
| ヒトパピローマウイルス (HPV) | 主に性的接触 | 子宮頸がん、中咽頭がんなど |
| B型肝炎ウイルス (HBV) | 血液、体液(母子感染、性的接触など) | 肝臓がん |
| C型肝炎ウイルス (HCV) | 血液(過去の輸血、注射器の共有など) | 肝臓がん |
| EBウイルス (EBV) | 唾液(キス、食器の共有など) | 上咽頭がん、バーキットリンパ腫など |
子宮頸がんの主な原因 – HPVワクチンと検診の重要性
女性特有のがんである子宮頸がんは、その原因がほぼ解明されている数少ないがんの一つです。原因の95%以上は、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの持続的な感染によるものです。
原因が分かっているからこそ、子宮頸がんは「予防できるがん」と言えます。そのための強力な手段が、HPVワクチンと定期的な検診です。
ヒトパピローマウイルス (HPV) とは
HPVは非常にありふれたウイルスで、主に性的接触によって感染します。性交渉の経験がある女性であれば、一生のうちに一度は感染すると言われています。
HPVには200種類以上の型がありますが、そのうち約15種類が子宮頸がんの原因となる「ハイリスク型」と呼ばれています。
感染しても、ほとんどの場合は自己の免疫力によって自然に排除されますが、一部でウイルスが排除されずに感染が長期化(持続感染)すると、数年から十数年かけてがん細胞に変化していくことがあります。
子宮頸がんの予防法
子宮頸がんの予防には、HPV感染そのものを防ぐ「一次予防」としてのワクチン接種と、がんになる前の段階(異形成)で発見し治療につなげる「二次予防」としての検診の両方が重要です。
この二つの対策を組み合わせることで、子宮頸がんのリスクを大幅に減らすことができます。
HPVワクチンによる一次予防
HPVワクチンは、子宮頸がんの原因となるハイリスク型HPVの感染を防ぐ効果があります。特に、初めての性交渉を経験する前に接種することで、高い予防効果が期待できます。
日本では小学校6年生から高校1年生相当の女子を対象に公費での定期接種が行われています。安全性と有効性については、国内外の研究で確認されています。
HPVワクチンの種類
| ワクチンの種類 | 対応するHPV型の一部 | 期待される効果 |
|---|---|---|
| 2価ワクチン(サーバリックス) | 16型、18型 | 子宮頸がんの原因の50-70%を防ぐ |
| 4価ワクチン(ガーダシル) | 6型、11型、16型、18型 | 上記に加え、良性の尖圭コンジローマの原因も防ぐ |
| 9価ワクチン(シルガード9) | 上記に加え5つの型 | 子宮頸がんの原因の80-90%を防ぐ |
子宮頸がん検診による二次予防
ワクチンを接種していても、すべてのがん関連HPVの感染を防げるわけではありません。そのため、ワクチン接種の有無にかかわらず、20歳を過ぎたら2年に1回、定期的に子宮頸がん検診を受けることが大切です。
検診では、がんになる前の細胞の変化(異形成)を見つけることができます。この段階で発見すれば、子宮を温存したまま比較的簡単な治療で完治が可能です。
沈黙の臓器を襲う – B型・C型肝炎ウイルスと肝臓癌
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、ダメージを受けても初期には自覚症状がほとんど現れません。
日本人の肝臓がんの約8割は、B型肝炎ウイルス(HBV)またはC型肝炎ウイルス(HCV)の持続的な感染が原因で発生します。
これらのウイルスに感染しているかどうかを知り、適切な対応をとることが、肝臓がんから命を守るために極めて重要です。
肝炎ウイルスと肝臓がんの関係
HBVやHCVに感染すると、一部の人はウイルスが体から排除されずに肝臓にすみつき、慢性肝炎を引き起こします。
慢性的な炎症が数十年にわたって続くと、肝臓の細胞が壊れては再生するというサイクルが繰り返され、その過程で遺伝子に異常が蓄積します。
その結果、肝臓が硬くなる「肝硬変」へと進行し、最終的に「肝臓がん」が発生するリスクが著しく高まるのです。
B型肝炎ウイルス (HBV)
B型肝炎ウイルスの主な感染経路は、母子感染や血液・体液を介したものです。現在は母子感染防止策が確立され、またワクチンが定期接種となったことで、新たな感染者は大幅に減少しています。
しかし、過去に感染した持続感染者(キャリア)は国内に100万人以上いると推定されています。
キャリアの方は自覚症状がなくても、定期的な検査で肝臓の状態をチェックし、必要に応じて治療を受けることが大切です。
C型肝炎ウイルス (HCV)
C型肝炎ウイルスは主に血液を介して感染します。過去の輸血や、消毒が不十分な器具を使った医療行為、注射器の使い回しなどが原因で感染した方が多く存在します。
近年、C型肝炎の治療は劇的に進歩し、飲み薬だけで高い確率でウイルスを体内から排除できるようになりました。ウイルスを排除することで、将来の肝硬変や肝臓がんへの進行を大幅に抑制できます。
そのためにも、まずは検査を受けて感染の有無を知ることが第一歩です。
肝炎ウイルス検査のすすめ
| 検査項目 | わかること |
|---|---|
| HBs抗原検査 | 現在、B型肝炎ウイルスに感染しているか |
| HCV抗体検査 | 過去または現在、C型肝炎ウイルスに感染しているか |
多くの自治体では、特定の年齢の方を対象に無料または安価な肝炎ウイルス検査を実施しています。過去に一度も検査を受けたことがない方は、この機会にぜひ検査を受けることをお勧めします。
胃がんやリンパ腫も – ピロリ菌やEBウイルスとの関連性
がんの感染症要因は、子宮頸がんや肝臓がんに関連するウイルスだけではありません。
日本人に最も多いがんの一つである胃がんや、血液のがんである悪性リンパ腫の一部にも、特定の細菌やウイルスの感染が関わっています。
ここでは、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)とEBウイルスを取り上げます。
ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)と胃がん
ピロリ菌はウイルスではなく細菌ですが、がんの感染症要因として非常に重要です。胃の中にすみつき、慢性的な炎症(慢性胃炎)を引き起こします。
この炎症が長期間続くと、胃の粘膜が萎縮し(萎縮性胃炎)、最終的に胃がんが発生しやすい状態になります。国立がん研究センターによると、日本の胃がんの99%はピロリ菌感染が原因とされています。
つまり、ピロリ菌に感染しているかを知り、必要であれば除菌治療を行うことが、胃がんの予防に直結します。
ピロリ菌の検査と治療(除菌)
ピロリ菌の検査には、内視鏡(胃カメラ)を使う方法や、呼気や血液、便で調べる方法などがあります。感染が確認された場合、2種類の抗生物質と胃酸を抑える薬を1週間服用する「除菌治療」を行います。
この治療による成功率は高く、胃がんのリスクを大幅に下げることができます。ただし、除菌後もリスクがゼロになるわけではないため、定期的な胃の検査は続ける必要があります。
【知っておきたい】胃がんリスクを判定する「ABC検診」
自分の胃がんリスクを知る方法として、ピロリ菌感染の有無と、胃粘膜の萎縮度(ペプシノゲン法)を血液検査で調べ、リスクをA~Dの4群に分ける「ABC検診(胃がんリスク層別化検査)」があります。
- A群(健康): ピロリ菌おらず、胃縮小なし。(リスクほぼゼロ)
- B群(少し危険): ピロリ菌おり、胃縮小少し。(除菌が必要)
- C群(危険): ピロリ菌おり、胃縮小進む。(高リスク、要精密検査)
- D群(非常に危険): 胃縮小が進みすぎてピロリ菌が住めなくなった状態。(極めて高リスク)
多くの自治体検診や人間ドックで導入されています。自分のリスク群を知っておくことは、効率的な予防の第一歩です。
EBウイルス (EBV) と関連するがん
EBウイルスは、多くの人が子どもの頃に唾液などを通じて感染するありふれたウイルスで、通常は症状が出ないか、出ても軽い風邪のような症状(伝染性単核球症)ですむことがほとんどです。
しかし、ごく稀に、体の免疫機能とのバランスが崩れた際に、特定のがんの発生に関わることがあります。
EBウイルスが関連する主な疾患
- 上咽頭がん(鼻の奥のがん)
- バーキットリンパ腫(悪性リンパ腫の一種)
- ホジキンリンパ腫の一部
- 胃がんの一部
これらの疾患の発生は非常にまれであり、EBウイルスに感染しているからといって過度に心配する必要はありません。しかし、がんの多様な原因の一つとして、こうしたウイルスの存在も知られています。
ウイルスは体内で何をしている? – 発がんの仕組みを解明
ウイルスに感染すると、なぜがんになるリスクが高まるのでしょうか。その背後には、ウイルスが細胞を巧みに操り、異常な状態へと導く働きがあります。
ウイルスの種類によってその方法は異なりますが、大きく分けて「細胞のがん化を直接引き起こす」場合と、「慢性的な炎症を介して間接的にがんを誘発する」場合の二つの流れがあります。
ウイルスの遺伝子が細胞に入り込む
HPVのように、がん化を直接引き起こすタイプのウイルスは、感染した細胞の中で自分の遺伝子をコピーさせ、増殖します。
その過程で、ウイルスの遺伝子の一部が、感染した細胞自身の設計図であるDNAに組み込まれてしまうことがあります。この「組み込み」が、がん化の引き金となるのです。
細胞の増殖をコントロールできなくする
私たちの体には、細胞がむやみに増殖しないようにコントロールする仕組みが備わっています。例えば、細胞の増殖を止める「ブレーキ役」の遺伝子(がん抑制遺伝子)などです。
しかし、HPVなどのウイルスの遺伝子が作り出すタンパク質は、このブレーキ役の働きを無力化してしまいます。
ブレーキが壊れた細胞は、コントロールを失って無秩序に増え続け、やがてがん細胞へと姿を変えていきます。
慢性的な炎症による発がん
一方、B型・C型肝炎ウイルスは、少し異なる方法でがんを引き起こします。これらのウイルスが肝臓にすみつくと、体を守るための免疫システムがウイルスを排除しようと攻撃を始めます。
この戦いが長く続くと、戦場である肝臓では常に炎症が起きている状態(慢性肝炎)になります。この慢性的な炎症によって、肝臓の細胞は破壊と再生を絶えず繰り返すことになります。
この過程で細胞の遺伝子にコピーミス(変異)が起こりやすくなり、その積み重ねががんの発生につながるのです。
発がんの主要な流れ
| パターン | 主なウイルス | 概要 |
|---|---|---|
| 直接的な発がん | ヒトパピローマウイルス (HPV)など | ウイルスの遺伝子が細胞のがん化遺伝子を活性化させたり、がん抑制遺伝子の働きを止めたりする |
| 間接的な発がん | B型・C型肝炎ウイルス (HBV, HCV)など | 持続的な感染による慢性的な炎症が、細胞の遺伝子に傷がつく原因となり、がんを誘発する |
感染を防ぎ、がんを遠ざける – ワクチンで予防できるウイルス感染
これまで見てきたように、特定のがんはウイルス感染が引き金となって発生します。裏を返せば、ウイルスへの感染を防ぐことができれば、それらのがんを予防できるということです。
そして、その最も有効な手段の一つが「ワクチン」です。現在、がん予防の観点から特に重要なワクチンとして、HPVワクチンとB型肝炎ワクチンがあります。
HPVワクチン
HPVワクチンは、子宮頸がんの原因となる特定のHPV型の感染を予防します。これにより、子宮頸がんの大部分を防ぐことが可能です。
また、HPVは中咽頭がんや肛門がんなど、他のがんの原因にもなるため、これらの予防効果も期待されています。
男性が接種することにも、自身のがん予防に加え、パートナーへの感染を防ぐという大切な意味があります。
B型肝炎ワクチン
B型肝炎ワクチンは、B型肝炎ウイルスの感染を防ぎ、将来の肝臓がんのリスクを減らします。日本では2016年から、すべての乳児を対象とした定期接種が行われており、若い世代の新たな感染は大きく減っています。
また、家族にキャリアの方がいる場合や、感染のリスクが高い医療従事者など、成人であってもワクチン接種が推奨される場合があります。
ワクチンで予防が期待できるがん
| ワクチン | 予防できる主なウイルス | 予防が期待できるがん |
|---|---|---|
| HPVワクチン | ヒトパピローマウイルス | 子宮頸がん、中咽頭がん、肛門がんなど |
| B型肝炎ワクチン | B型肝炎ウイルス | 肝臓がん |
早期発見が鍵 – あなたが今すぐできるウイルス検査とがん検診
ワクチンによる感染予防と並んで、ウイルス関連のがんから身を守るために欠かせないのが、定期的な検査と検診です。
すでにウイルスに感染している可能性はないか、もし感染している場合に体の状態はどうなっているか、そしてがんの兆候はないかを早期に発見することが、治療の成功率を高める上で極めて重要になります。
ウイルス感染を調べる検査
まずは、自分ががんの原因となるウイルスに感染しているかどうかを知ることがスタート地点です。特に、B型・C型肝炎ウイルスは、自覚症状がないまま感染しているケースが少なくありません。
一生に一度は肝炎ウイルス検査を受けることが推奨されています。また、ピロリ菌についても、胃の不調を感じる方は検査を検討すると良いでしょう。
これらの検査は、お近くの医療機関や自治体の検診で受けることができます。
がんを早期に発見する検診
ウイルス検査で陽性だったり、感染していることが分かっている場合は、関連するがんの検診を定期的に受けることが特に大切です。
がんもウイルス感染と同様、初期段階では症状が出ないことが多いため、「症状がないから大丈夫」と自己判断せず、医師の指示に従って検診を受け続けましょう。
推奨される検診の例
- HPV陽性の方 → 定期的な子宮頸がん検診
- 肝炎ウイルスキャリアの方 → 定期的な血液検査や腹部超音波検査
- ピロリ菌除菌後の方 → 定期的な胃内視鏡検査
検査・検診に関する相談先
どの検査を受ければよいか、どこで受けられるかなど、不安や疑問がある場合は、一人で悩まずに専門家に相談しましょう。
かかりつけの医師や、地域の保健所、がん診療連携拠点病院などに設置されている「がん相談支援センター」などが、信頼できる情報を提供してくれます。
よくある質問
ウイルスとがんに関して、多くの方が抱く疑問にお答えします。
- ウイルスに感染したら、必ずがんになりますか?
-
いいえ、必ずがんになるわけではありません。HPVや肝炎ウイルスなどに感染しても、多くの場合、ご自身の免疫の働きによってウイルスは体から排除されます。
感染が長期間続く「持続感染(慢性化)」の状態になった場合に、がんが発生するリスクが高まります。定期的な検診で体の状態を確認していくことが重要です。
- 家族が肝炎ウイルスキャリアです。自分も感染しますか?
-
A. B型・C型肝炎ウイルスは、血液や特定の体液を介して感染するウイルスです。
そのため、食器の共用、タオルの共用、入浴、ハグや握手といった通常の共同生活で感染することはまずありません。ただし、血液が付着した歯ブラシやカミソリの共用は避けるべきです。
もしご心配な場合は、一度ご自身も肝炎ウイルス検査を受けることをお勧めします。
- HPVワクチンは、もう性交渉の経験があったら効果がありませんか?
-
性交渉の経験があると、すでに何らかの型のHPVに感染している可能性はありますが、ワクチンが無意味になるわけではありません。
HPVワクチンは複数の型に対応しているため、まだ感染していない他の型に対する予防効果は十分に期待できます。接種のメリットについては、医師に相談してみてください。
- ピロリ菌を除菌すれば、もう胃がんの心配はありませんか?
-
ピロリ菌の除菌治療は、胃がんになるリスクを大幅に下げることが科学的に証明されています。しかし、リスクが完全にゼロになるわけではありません。
特に、除菌した時点ですでに胃の粘膜の萎縮が進んでいる場合は、除菌後も胃がんが発生する可能性があります。
そのため、除菌に成功した後も、定期的に胃の内視鏡検査を受けることが強く推奨されます。
この記事では、主にウイルスが原因となるがんについて解説しました。しかし、がんの感染症要因はウイルスだけではありません。
日本人に特に多い胃がんの主要な原因とされるのが、「ヘリコバクター・ピロリ」という細菌です。ピロリ菌はどのようにして胃がんを引き起こすのでしょうか。
そして、どのような検査や治療(除菌)があるのでしょうか。
ウイルスとは異なる細菌による発がんについて、さらに詳しく知りたい方は、「細菌感染要因(ヘリコバクター・ピロリなど)」の記事もご覧ください。
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